作品一覧

  • ケインズ 危機の時代の実践家
    4.2
    1巻1,034円 (税込)
    第一次大戦の戦後処理,金本位制復帰問題,大恐慌――.「パンフレットを風に吹きとばし」時論を展開する必要に迫られた危機の時代の実践家ケインズを描く意欲作.ミクロ的に合理的でもマクロ的に正しいとは限らない「合成の誤謬」となる政治的決断に抗い続け,マクロ経済学の誕生を告げる『一般理論』に至った苦闘を追う.

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  • 英語原典で読むマーシャル:『経済学原理』の世界
    -
    1巻2,772円 (税込)
    自己陶冶としての翻訳 英語力を養いつつ、経済学を究める「英語原典で読む」シリーズの第4弾は、かつて世界で最も読まれた経済書であるマーシャル『経済学原理』の精読に取り組む。 マーシャルが活躍した19世紀末から20世紀初頭にかけては、経済学の研究が飛躍的に前進を遂げた時期だった。その時代にあって、マーシャルは経済学の世界に帝王として君臨しており、世界の経済学研究の最先端であったケンブリッジ大学では「すべてはマーシャルにある」とまで言われた。 弟子のケインズなどは、マーシャルの『経済学原理』さえ読めば、他の経済学の本は読む必要がないとまで言っていたくらいである。これ1冊に必要なことすべてが詰まっている、というわけだ。 実際、需要曲線と供給曲線がクロスする図は、マーシャルによってつくりだされたものであり、「市場の失敗」に関連する情報の不完全性や外部性といった考え方も、マーシャルによって掘り下げられ考案された。 本書では、現代経済学の根本概念を英語原典で「いかに翻訳するか」に留意しつつ、身に着けていく。「使えるエイゴ、話せるエイゴ」ではなく、自らを陶冶するための英語精読の世界へ!
  • 現代経済学の誕生 ケンブリッジ学派の系譜
    3.3
    1巻858円 (税込)
    「すべてはマーシャルにある」。ケインズに帰される革新的諸概念の多くは、マーシャル以来ケンブリッジでは共有財産となっていた。本書は、対立軸を設定しながら、マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、そしてケインズの経済学を読み解き、ケンブリッジ学派を貫く実践志向を浮き彫りにするものである。現実に応えるための経済理論は、どのように継承され、発展したのか。時代と格闘した学派をめぐる経済思想史。

ユーザーレビュー

  • ケインズ 危機の時代の実践家

    Posted by ブクログ

     ケインズは経済学者として、「雇用・理事及び貨幣の一般論」を発表し、マクロ経済学の理論を展開した。本書では、ケインズの研究や業績の背景を1910年代の第1次世界大戦後の戦後処理、金本位制復権問題、1930年代の世界恐慌など、時論を展開する必要に迫られた時代の実践家ケインズを描く。ミクロ的に合理的でもマクロ的に正しいとは限らない「合成の誤謬」となる政治的決断に抗い続けて、マクロ経済の「一般理論」に至った苦悩を描写する。「合成の誤謬」に関して、企業が利益追究のために従業員を軽視し、人件費を節約して非正規雇用を増やすという「合理的」行動をとると、社会の購買力は低下してしまう。人びとが将来に不安を抱き

    0
    2024年04月07日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

    Posted by ブクログ

    ミクロ的には正しい行動でも、みんながそれを行うと却って全体が不利益になる、合成の誤謬。自分だけ良ければいいという誘惑には抗いがたい。

    0
    2024年04月28日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

    Posted by ブクログ

    新自由主義が行き詰まり、あらためて見直されているのがケインズだ。マクロ経済の確立者なんだけど、本書では「合成の誤謬」にフォーカスする。
    各国が自国優先主義をとれば、世界のシステムが崩壊するのは自明の理。けれど自国のアドバンテージを縮小することなんてできるはずもない。やっぱり定期的に恐慌に耐えるしかないのかね。

    0
    2024年02月26日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

    Posted by ブクログ

    20世紀の両世界大戦と大恐慌の時代に、世界が崩壊へと向かうのを避けるための経済政策を考え続け、実践的な処方箋を発表し続けたケインズの、コモン・センスと洞察力の発揮される様を追っている。100年後の現代でも彼の見地、発想、発信力は屹立しつづけていると言わざるをえない。

    0
    2024年01月29日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

    Posted by ブクログ

    ケインズ経済学の内容紹介では必ずしもなく、「危機の時代の実践家」としてのケインズを描いた好著。「危機の時代」はもちろん第1次世界大戦から第2次世界大戦までの時代を指す。本書で具体的に取り上げられている課題は、第一次世界大戦後の対独賠償問題(「平和の経済的帰結」)、金本位制復帰問題(『貨幣改革論』『貨幣論』)、そして大恐慌の問題である(マクミラン委員会、『一般理論』へ)。最後に『一般理論』とその後についてで締め括られている。

    本書に通底しているのはミクロの合計がマクロにはならないという「合成の誤謬」という視点である。この視点自体はともすればもはや常識として忘却されがちであるのだが、当時において

    0
    2024年01月10日

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