柴田光滋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
編集の仕事の面白さ、不思議さがよくわかる一冊。本に対する見方が変わります。
本を読むとき、その内容ばかりを気にしているような気がするけれど、実はそうではない。内容の良し悪しはもちろん重要だけど、内容を気持ち良く読者に伝えるためにはいろんなことが工夫されている。
本のサイズ、紙の種類、フォント、文字の大きさ…。とにかくいろんなことが、工夫されている。本を読むとき物理的にいちばんよく見える部分になされている工夫なのに、いちばん見逃されている工夫。
でもきっとそれは、見逃されてしまうくらいのものがいちばん読者にとって自然で心地よいものだからなのだろう。逆にいろいろ気になってしまうようでは、編集者が正しく仕事ができていないということになるのだろう。
何より、著者の「本」に対する愛や思い入れが感じられる。手元の本を、編集者の視点で読み返したくなる、本をもっと大切にしたくなる、そんな本でした。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
納得のいくボトルを仲間や料理とともに―。
会社帰りの居酒屋でも、ちょっと気張った会食でも、これが楽しむ大前提。
ワイン好きなら、そこからさらに一工夫、いや数工夫。
「トンカツとの果てしなき闘い」「ロゼに栄光の日をふたたび」「イタリアの白もここまできたか」「強肩ボルドーからいかにして盗塁を奪うか」「廉価ピノ・ノワール世界選手権大会」…三十余年、ひたすら飲み続けてきた著者が繰り出す好手に妙手。
[ 目次 ]
トンカツとの果てしなき闘い
時にはブルゴーニュの白で贅沢を
スーパー・トスカーナと騒ぐ前に
ロゼに栄光の日をふたたび
世界最優秀ソムリエを前にワインを選ぶ
コルドバの夜はふけて
イタリアの白もここまできたか
武門の誉れシャトーヌフ・デュ・パプ
シェリーは吉田健一に学ぶべし
オーストラリア熱は居酒屋がきっかけ
わが偏愛のサヴィニ・レ・ボーヌ
ピエモンテには龍もいれば虎のいる
強肩ボルドーからいかにして盗塁を奪うか
ジンファンデルで焼鳥を
シャンパーニュのジレンマ
地下蔵の隅にその古いポートの黒い瓶はあった
まだまだあるぞ、あの長靴の国のすごい赤
廉価ピノ・ノワール世界選手権大会
甘露の雫ソーテルヌ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
新潮社に40年勤務し書籍編集に携ってきた著者が、編集者の仕事について語った本。
本はその中身だけでなく、装丁や紙の種類、文字組み、余白のとり方、ノンブルの位置など、本を読みやすくするための様々な工夫の上に成り立っている。
私も仕事柄、編集の一端は見てきたつもりだけど、初めて知ったことや、改めて認識したこともあり、まるで先生に教えてもらっているような感じで楽しく学ばせてもらった。
特に、新潮文庫の上がカットされてないのは、子供のころから疑問に思っていたので、謎が解けてすっきり。
今は電子書籍の仕事にも取り組んでいるけれど、折りに触れてこの本を思い出し、「読みやすく編集する」ことの大切さを忘れないようにしたい。 -
Posted by ブクログ
新潮社で40年にわたり編集に携わった柴田光滋(1944-)による、書籍編集の紹介。
【構成】
1 本とはモノである
作りの良し悪しを見分けよう
一次元の原稿を三次元に
2 編集の魂は細部に宿る
すべては判型から出発する
頁はどこから始まるの?
目次と索引は技量が問われる
校正、畏るべし
3 活字は今も生きている
グーテンベルクの感謝
明朝体は美しい
欧文書体はファミリーにわかれる
約物と罫線を使いこなせ
4 見える装幀・見えない装幀
紙には寸法も色も重さもある
函入りかジャケットか
表紙は最後まで残るもの
5 思い出の本から
昭和は文学全集の時代であった
十二冊プラス幻の一冊
普段あまり気にすることなく消費をしている本だが、本の設計者である編集者は一体何を目指しているのか?ということを教えてくれる一冊。
本書は、原稿の編集作業というよりは、原稿をいかに物理的な「本」するのかということに焦点があてられている。判型、段組、フォント、余白、柱、ノンブルと本の内容と読みやすさを考量して最適解を見つけることがいかに難しいか想像に難くない。編集という仕事の奥深さの片鱗を理解できただけでも読んだ価値はあった -
Posted by ブクログ
電子書籍という、本の内容だけのデータをダウンロードして
読書を楽しむような時代になりつつあります。
しかし、そういう合理化や効率化でそぎ落とされてしまう部分、
それは装丁で選ぶ本自体のサイズや紙質やデザインだったり、
フォントのサイズや種類、配置などもそうですが、
本という物体まるごとをつくりだすこと、
つまり、受け手のことを考えて表現し楽しませるための工夫について、
本書は「編集者の仕事」として紹介・説明しています。
そうそう、そうなんですねえ。
文庫や新書ばかりに触れていると、
それほど本の体裁というものを気にしなくなりますし、
それこそ電子書籍のほうが検索とか楽でいいじゃん、
なんて思うようになるかもしれないですが、
本そのものの物体としての魅力について、
その豊かさを軽視するのはちょっと違うかな、と思いました。
単行本なんかは、表紙から材質や紙質、行数と文字数など細かいところまで
いろいろ考えて決定して、内容だけじゃなく、
トータルでの本としてひとつの作品になります。
そのことに気付いたのはけっこう最近。
糸井重里さんの小さいことばシリーズを購入して、
その、「本」としての愛おしくなるような作りに感じ入ってからです。
それまで、本ってのは、文字だけが大事でしょ、
みたいな人でしたから、
それは若い頃にほとんど教科書だけで
文章に触れてきた害悪の部分だなあと
今になっては思うところです。
春に『小説王』を読んだときに、
小説家と二人三脚で作品作りをしていく編集者がでてきて、
本書でもそういった、本の中身作りの場面で、
編集者がどういったことをしているのかを第一に知りたかったのですが、
それについては、最終章の「思い出の本から」から推測するしかなかったですね。
それはそれとして、
本という物体の豊かさを作ってきた仕事の種類を知るための
よいチャンスになる本でした。
読みやすくて、さらりとですが編集の仕事を知ることができました。
こういう分野のとっかかりとしてよいものだと思いました。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
本の良し悪しは、読まなくても分かる。
なぜなら「いい本」には、オビから奥付まで随所に工夫が凝らされているから―。
「1頁が存在しないのはなぜか」「目次と索引こそ技量が問われる」「余白の意味」「明朝体の美しさ」「本文紙は白ではない」など、数々の名著を手がけた編集歴四十余年のベテランが、本づくりについて縦横に語る。
“電子書籍元年”と言われる今こそ伝えたい、昔ながらの「紙の本」の知られざる魅力。
[ 目次 ]
1 本とはモノである(作りの良し悪しを見分けよう;一次元の原稿を三次元に)
2 編集の魂は細部に宿る(すべては判型から出発する;頁はどこから始まるの?;目次と索引は技量が問われる;校正、畏るべし)
3 活字は今も生きている(グーテンベルクに感謝;明朝体は美しい;欧文書体はファミリーに分かれる;約物と罫線を使いこなせ)
4 見える装幀・見えない装幀(紙には寸法も色も重さもある;函入りかジャケットか;表紙は最後まで残るもの)
5 思い出の本から(昭和は文学全集の時代であった;十二冊プラス幻の一冊)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]