吉田徹のレビュー一覧
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前回読み終えた「世論の曲解」に続き、政党や選挙に絡む本として読みました。
以前、メディアで、二大政党制についての言及があり、時代は二大政党制というような感がありましたが、私は、正直二大政党制については疑問がありました。その疑問について、疑問が晴れるというよりも、やっぱりそうだ。二大政党制がいいのではないという確信に至った1冊です。
55年体制が崩れるまでは、自民党の中で、派閥による政権交代がなされてきました。その中において、野党はその自民党政権を批判するための組織として機能するも、政権を担えるような形ではありませんでした。確かに派閥内での政権交代を行ってきたとはいえ、それでは、パラダ -
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この本の前半(第三章まで)は二大政党制がすぐれた制度ではないことを論証しています。政治理論あるいは選挙制度理論を懇切丁寧に解説しており、政治学初心者の私にもなんなく理解できました。
90年代から日本経済の低迷が続いていますが、それと並行して政治の低迷(混乱)も90年代から今まで続いていることを示唆しています。
第五章では今後のデモクラシーのあり方についていくつかの理論が照会されていますが、抽象的すぎて素人には理解できなかったこと、また結論が「外国の物まねではなく、日本に即した政治制度を健闘する必要がある」という普通の内容だったことが残念。(当たり前のことをあえて主張しないといけないところ -
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「くじ引き」で選ばれた人々が、話し合い、公的な意思決定を行う。近年、世界で広がりつつある「くじ引き民主主義」の動き、考え方を解説する書籍。
主権者が代表者たる政治家を選挙で選ぶ民主主義のことを「代表制民主主義」という。
代表制民主主義において政治への信頼は不可欠な要素だが、21世紀に入り、「議会を信頼しない」とする各国市民の割合は増加傾向にある。
今日、政治家や政党は信頼されていない。
しかしこれは、代表制民主主義を問題視するものであり、民主主義の理念そのものを否定するものではない。ほとんどの先進民主主義国において、「民主主義が大事だ」とする意見は多数を占めている。
「くじ引き民主主義」 -
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社会の分断がトランプを生んだ
くじ引き民主主義ロトクラシー
第三極化 デジタル・レーニン主義
P23 議会を信頼してないとする市民の割合
P.25 日本のどの機関を信頼しているか
→代表になってない作動しない代表制民主主義
政治不信
・市民の批判意識の高まり
・政治のパフォーマンスの悪さ
・社会関係資本がなくなった社会への変化
アメリカの分断←多様性と党の戦略
しかしヨーロッパでも分極化・部族化
限界
①時間的
頻繁な選挙という短いサイクル→政策の射程が短期的になり、長期的な政策に取り組めない
②空間的
グローバル化という大きな空間での問題と小さな空間でおこる個人の実存的な問題
③非対 -
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サッチャー,小泉純一郎,サルコジ,ベルルスコーニ,都市化の進展とともに細分化された「個人」が増え,規制秩序を変革するカリスマ政治家が支持を伸ばす。結構普遍的な現象なのだね。
「大衆迎合主義」として嫌われるポピュリズムが,なぜ現代先進国の民主政治に現れるのか。それが不可避の現象であることを論証し,それを踏まえて我々はどう行動すればよいのかを探る。
日本では,小泉元首相がポピュリスト政治家として記憶に新しい。もっと最近でも,東国原元宮崎県知事,橋下大阪府知事など。少しさかのぼると,中曽根元首相など。55年体制では伝統的「恩顧主義」で政治と社会の関係性が安定的に構築されていたが,これが崩れてきた -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
47%の得票で74%の議席獲得。
民主党圧勝は民意といえるか?
時代遅れになりつつある二大政党制の欠陥を指摘し、政党政治とデモクラシーを、いま改めて考える。
[ 目次 ]
第1章 政党はどのような存在なのか(「部分」としての政党 歴史の中の政党 ほか)
第2章 政治改革論と「政治工学」の始まり(有識者会議の提言 「小選挙区」か「併用制」か ほか)
第3章 二大政党制の誤謬(「デュヴェルジェの法則」と二大政党制 「単峰型社会」での政党政治 ほか)
第4章 歴史の中の政党政治―なぜ社会に根付かないのか(3つの革命と政党 社会ネットワークの中の政党 ほか)
第5章 もうひとつのデモク