松さや香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本人は悲しい物語を好む。
この文を見てハッとさせられた。私もがん患者の書いたエッセイといえば、治療の痛み、精神的な辛さ、家族の葛藤、、、とありがちなストーリーをどこかで想像してしまっていた。
しかし、もっと現実的な、「女子」だからこその悩みや経験があるのだと、この本を読んで知った。
病気をしたって、働いて他人からの評価や感謝を得たい。普通の1人の人間であること。
病気をしたって、治療のその先の人生にあるかもしれない結婚・出産を当たり前に望むこと。
女子の病気に対しての男性の考えが意外とドライ(逃げられるもんなら逃げたいと考えてる人が多い)であること。
リアルでユーモア溢れる文章で、松さん -
Posted by ブクログ
病気をして人との繋がりに感謝する。
闘病生活を送ったが残念ながら命を落としてしまう。
病気を克服して前向きに生きてます。…など
実際にその状況に置かれて、どれも違和感しかありませんでした。
本を読んでもうホントにそれそれ!思いました。
痛快です。
日本人は感動話が好き。
苦しい治療に耐え抜いた家族の感動話。
闘病生活の末亡くなってしまう話。
2人に1人がガンになる時代。
乳がんは9人に1人。
ガンを一括りにして感動話を求めている社会。
色んな状況の人がいるので、みんなそれぞれ症状も治療アプローチも違う。
同じ病気でも同じステージでも全然違う。
大病しても普通に生きてます。
ただそれだけ -
購入済み
純粋に、面白かったです。
どこまでも、身近に感じました。
ニーズがある者からしたら、読んですごく安心する本でした。
癌なんて、なって良い事なんて本当一つも無い。
それは変わらない。
けど、そこから見えてくるものもある。
見方を変えれば人生は変わる。
まだまだ治療の途中ですが、読み返して、心の励みにさせてもらいます!
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Posted by ブクログ
「吐いたりはげたり」「お尻丸出しで泣くわたし」「ガンじゃ、悪りぃのかよ」「彼の鼻毛が綺麗に処理されている」
松さんの文章に引き込まれる。文体、好きだなぁ。
なんで題名が『彼女失格』なんだろうと思って読み始めたが、分かった。サブタイトルもそのまんまじゃないか。このタイトル以外考えられないよね。
6年前からある男性と付き合っていて、思いがけずガンになってしまった一人の女性。彼女は強いんじゃない。強くなるしかなかったんだよっ…ってもう、さや香さんに共感しまくり。
仕事のこと、彼氏のこと、その浮気相手のこと。軽い文体で書かれているからついクスッと笑ってしまうのだけれど、大変な状況だったのが伝わってくる -
Posted by ブクログ
普段はあまり見ないルポルタージュの棚をチェックしていて見つけた本。
パラパラめくって、私に読みやすいタイプの文体と分かり、
この人がなんの癌なのかを見る。私と同じ乳がんだ。
普通はしないのだが、目次を丁寧に読んだ。
これから始まる実際の話のアウトラインを知りたかったので。
これを読んだら、
自分にこれから起こるかもしれないことの内容が分かってしまう、
のココロは、
サッカーの結果を知らずに見たいのと同じ心理である。我ながら恐ろしい。
なこと言ってないで、これから起こる事態で慌てないために読んどけよ!
と自分に突っ込む。
読み始めて、文章がまず面白いのでどんどん読みたくなってしまう。
闘病記にあ -
Posted by ブクログ
ノンフィクションは、大体おもしろくないのですが、今回のこれは、コメディノンフィクションって感じでした。
とても楽しかったです(笑)
ただ、最後がなぁ。って感じでした。
プライドが高いとちょっとつらいよなぁ。と思う部分もありました。
抗がん剤で体力は落ちて、
ホルモン抑制で女であることを否定して精神もダメージを受けてるのに、彼氏は浮気なんぞしやがる。
それでも、他人には頼りたくないから、生きるために働く。
まぁ、タイトルに突っ込むとしたら、彼女失格じゃなくて、彼氏のが失格です。
といいたいところですが、
わたしも病気と付き合いたくないように
相手も、病人とは付き合いたくない。
松さん -
Posted by ブクログ
『彼女失格』が出版されてから4年。
術後10年を迎えてのリアルなエッセイ。
「女子」と冠するだけ、若年性乳がんにかかった人の、
他の世代にはない悩みなどが綴られる。
受け入れるにも諦めるにも、まだまだ納得いかない年代は
自分のようなオバサン世代の経験や助言などでは
まったくフォローできない。
松さんのように冷静&熱く、面白く、
この状況をつきつめて、文章化してくれる人がいて、
気持ちが楽になる人がたくさんいるだろう。
ただ前向きだけでなく、
ネガティブな思いをぶちまけたり、
失敗もさらしてみたり、
共感できるポイントが山ほどあるはず。
2ちゃんやブログが情報収集源だった時と変わって
今はSNS -
Posted by ブクログ
29歳で乳ガンを発症した女性が
治療や仕事や恋や家族について赤裸々に語っている本。
乳ガンではないけれど、
以前に婦人科疾患を経験した時の気持ちが重なってしまいました。
結婚して子供を授かる。
その当たり前を、人生設計を、可能性を全て奪われたという感覚。
当時その感情をうまく言葉に出来なかったけれど
著者がそのまんま書き出してくれたように感じた。
治療の経過や、かかるお金についても詳しく書いてあって参考になった。
著者も書いているように、ガンの本は精神面の内容が多いし
ネットで調べれば情報量に不安が増すだけ。
「じゃあ実際何をしていくらかかるの?」というシンプルな部分が
しっかり書かれてい -
Posted by ブクログ
30歳の誕生日を目前に、乳ガン発覚。病気への恐怖、治療費への焦り、彼氏との攻防。身内にも友だちにも、ガンだなんて知られたくない。それでも、怖い。そんな気持ちを綴った闘病恋愛エッセイ。
とにかく文章が面白くて、一気読み。年も仕事も近いせいか、なんだかものすごく身近な人のような気がした。こんなに赤裸々に書かれた闘病記って、あるのかな。仕事だとか、恋愛だとか、お金だとか。実際、若くして、大して貯金もない自分が病気になったら、こうなってしまうのかもしれない。伴侶もいない、お金もない。「私には何にもないんだ」という一文は、だいぶ考えさせられた。
心ない言葉に何度も傷つけられている松さん。人って、本当