あらすじ
乳がん治療は、ハゲる、太る、性欲ゼロになる。そして彼氏や夫は重荷に耐えかね浮気をし、金は湯水のように出て行く。それが現実。
若年性乳がん罹患当事者たちが赤裸々に語る 治療中から治療後のお金、恋愛・結婚・妊娠、そして仕事の話。
著者の松さや香さんも29歳で乳がん罹患、やはり治療費捻出のためハゲ隠しのウィッグをかぶり抗がん剤の副作用でゲロ吐きまくりながら働き、彼氏に浮気された挙句フラれ、その備忘録として記していたブログが某超大手出版社編集者の目に留まり書籍化の話が進むも「主人公が死なない闘病記って売れないんだよね」と言われ版元変更、『彼女失格』として幻冬舎より発売になりました。
その後松さんは「乳がん罹患者でも普通に働けることを証明したい」と航空会社のCAに転身、そして『彼女失格』を読んだ男性から出会って3回目にプロポーズされ結婚。
今回の書籍の「序」として収録される文章が『現代ビジネス』(講談社の硬軟取り合わせた読み物サイト)で公開され、公開後1週間で400万PVを獲得し、『彼女失格』が出版後3年を経てまさかの重版出来となりました。もっともリアルに乳がんを語れる乳がんサバイバーとして、今、話題の人である松さや香さんが女子の時代と惜別し、乳がんと共に中年テンパイまで駆け抜けながら感じた「違和感」をまとめた待望の新作!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本人は悲しい物語を好む。
この文を見てハッとさせられた。私もがん患者の書いたエッセイといえば、治療の痛み、精神的な辛さ、家族の葛藤、、、とありがちなストーリーをどこかで想像してしまっていた。
しかし、もっと現実的な、「女子」だからこその悩みや経験があるのだと、この本を読んで知った。
病気をしたって、働いて他人からの評価や感謝を得たい。普通の1人の人間であること。
病気をしたって、治療のその先の人生にあるかもしれない結婚・出産を当たり前に望むこと。
女子の病気に対しての男性の考えが意外とドライ(逃げられるもんなら逃げたいと考えてる人が多い)であること。
リアルでユーモア溢れる文章で、松さんを、乳がんという病気を、とても身近に感じた。
Posted by ブクログ
病気をして人との繋がりに感謝する。
闘病生活を送ったが残念ながら命を落としてしまう。
病気を克服して前向きに生きてます。…など
実際にその状況に置かれて、どれも違和感しかありませんでした。
本を読んでもうホントにそれそれ!思いました。
痛快です。
日本人は感動話が好き。
苦しい治療に耐え抜いた家族の感動話。
闘病生活の末亡くなってしまう話。
2人に1人がガンになる時代。
乳がんは9人に1人。
ガンを一括りにして感動話を求めている社会。
色んな状況の人がいるので、みんなそれぞれ症状も治療アプローチも違う。
同じ病気でも同じステージでも全然違う。
大病しても普通に生きてます。
ただそれだけです。
純粋に、面白かったです。
どこまでも、身近に感じました。
ニーズがある者からしたら、読んですごく安心する本でした。
癌なんて、なって良い事なんて本当一つも無い。
それは変わらない。
けど、そこから見えてくるものもある。
見方を変えれば人生は変わる。
まだまだ治療の途中ですが、読み返して、心の励みにさせてもらいます!
Posted by ブクログ
読んでいて清々しいほどに松さんワールド全開でした。
涙を誘うようなガンの本はたくさんありますが
このくらい明るく楽しく書いてもらえるとこちらも励まされます。
自分の悩みなんてたいしたことないんだなと。
元気がないときは度々読んで元気をもらっています。
ありがとう松さん!
Posted by ブクログ
『彼女失格』が出版されてから4年。
術後10年を迎えてのリアルなエッセイ。
「女子」と冠するだけ、若年性乳がんにかかった人の、
他の世代にはない悩みなどが綴られる。
受け入れるにも諦めるにも、まだまだ納得いかない年代は
自分のようなオバサン世代の経験や助言などでは
まったくフォローできない。
松さんのように冷静&熱く、面白く、
この状況をつきつめて、文章化してくれる人がいて、
気持ちが楽になる人がたくさんいるだろう。
ただ前向きだけでなく、
ネガティブな思いをぶちまけたり、
失敗もさらしてみたり、
共感できるポイントが山ほどあるはず。
2ちゃんやブログが情報収集源だった時と変わって
今はSNSが主流になっていると知り、
ちゃんと欲しい情報にたどり着けるのか、心配でもある。
治療の今を写真と共にアップされるのは、
なんか歪んだ方向に行きそうで怖いね。
Posted by ブクログ
松さんは言いたいことを言ってくれてステキだと、改めておもった。自分と同じ感じかた、違う感覚含めて良い。
病気は人生の一部でしかなく、その後も平坦な人生は続いてくのだ。そしてそれこそ、病気になって寛解するまで求めていた平凡な平和なんだと改めて思う。