かおり&ゆかりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
数年前に読んで再読。
古代ローマの哲学者エピクテトスの人生や物事に対する考え方が分かりやすく解説されている。
エピクテトスは両親が奴隷であり、エピクテトスも若い頃は奴隷だった。
ようやく解放され、ストア哲学の勉強に励んでいたところ、今度は国外追放という憂き目に遭う。
更に身体はリウマチによって足が不自由だった。
それでもエピクテトスはそういった現実に大きく揺さぶられることなく、心は自由に穏やかに生きていた。
そのために重要なのは、自分次第のことと自分次第でないことをはっきり区別して、自分次第でないことに執着しないこと。これはアドラーの課題の分離と似ているけれど、もう少し範囲は広くて、例えば病気や死、他人の評価なども含まれる。
以下、心に残った言葉
•哲学とは死の準備をすること
•自分が当事者になると、一時的にせよ視点が凍りついてしまう。自分に関する出来事をできるだけ他人事のように捉えてみる。
•何としてでも気に入られたいと願う瞬間、人は奴隷になる。いつの間にか自分の行動原理を他者に握られてしまう。
・他人がどういう思いでその行動に至ったか。知らないで、誰かの善悪を判断することはできない。事実を把握するところで立ち止まれ。そこから先の、善悪の価値判断を下すには慎重であれ。
・死を想え。(メメント・モリ)
死を眼前に置くことで大切なことが見えてくる。 -
Posted by ブクログ
ストア派哲学に少し触れたいと思い読んでみたのですが、人生や人間関係の悩みへの対処方法を学ぶことができ、思いのほか有用な読書体験でした。
所詮、他人の意思は他人の意思、他人の評価は他人の評価。他人は変えられないのだから、悩むよりも自分ができることを励みなさい、とこの本は説きます。
確かにその通りですが、実際に理不尽な目にあったり納得できない目にあったりした際は、中々その境地に至らないのも人間というもので・・・。
とはいえ、だからこそエピクテトスの提唱する考え方が2000年以上も語り継がれいるのでしょう。
負の感情がたまった時にはこの本を読み返し、自分を取り戻したいと思います。 -
Posted by ブクログ
エピクテトスの哲学と魅力を現代人にとにかく誤解なくわかりやすく噛み砕いて伝えようって作者の熱意を感じた。最近ストア派哲学の魅力に気づいた私に本書はうってつけでした。
題目→漫画→解説の流れがよく、当時の状況も現代人に合わせた例えが付いていて古代も現代も人の悩みって不変なんだなぁ、それ故に対処方も大きくは変わらないんだなぁと感じた。
悲しい出来事が起きたのではなく、自身の期待や自惚が起きたことを悲しいものと解釈している。
どこで誰と生きるかは神の仕事、そこでどう生きるかは我々の仕事、神に与えられた場で勇ましく生きる我々の姿を見せてやろう。 -
Posted by ブクログ
エピクテトスの『提要』を一般向けに解説してくれた本。「おわりに」にある通り、硬軟両様を兼ね備えていて読みやすかった。
エピクテトスは奴隷出身で、身体にもハンデを抱えていた人物。人生超ハードモードからスタートしているからなのか、どこか「弱い者の味方」という感じがしてよかった。
(偏見だけど)超金持ちのボンボンが暇を持て余した末に、意識高くなりすぎてイキり散らしたような哲学者たちとは、一線を画している気がするw
特に『提要』41の、「快楽は手短に」「身体を鍛えすぎるのもよくない」という考え方が印象に残った。
出しゃばらず、卑屈にならず、よく生きる。
-
Posted by ブクログ
実のところ、あまり期待をせずに読み始めたのだけど、これが意外なほどよかった。
エピクテトスなんて人、まったく知らなかった。ストア派を代表する哲学者で、奴隷の身分から解放されて後、哲学を教え出したらしい。老いてから、おそらくリュウマチによる障害が足に出て、杖が手放せなくなったという。波瀾万丈の人生だなと思いつつ、彼の肖像画を見ると、どこかで見覚えがある。教科書にでも載っていたのだろうか。
ストア派というとストイックの語源になったくらいだから、ひたすら自己を律し修養を説く哲学という印象だった。しかし、エピクテトスの哲学は、より実践的で生活に即している。肝は自分にできることをする、である。当たり前なのだが、これが存外できていないものだ。
本書は、エピクテトスの言行録(彼自身の著作物はない)からキーセンテンスを抜き出し、見開きのマンガを導入にして、哲学研究者の荻野弘之氏が解説をするというもの。どのパートを選ぶかは荻野氏のセンスだろうし、付された解説がまた明朗で分かりやすい。
私はエピクテトスにどハマりし、岩波文庫に収載されている彼の『人生談義』をポチったのだった。読むかは別にして、それが手に届くところにあるという環境が大事なのだ。