石野雄一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ファイナンスは、企業活動を翻訳する言語である」
本書は、ファイナンスをテクニックや数式の集まりとしてではなく、企業活動を合理的に意思決定するための“道具”として整理した入門書である。
扱われるテーマは、現在価値、割引率、リスクとリターン、資本コスト、NPV、投資判断、資本構成といったコーポレートファイナンスの基礎概念。だが本質は計算式ではない。
不確実な未来をどう評価するか。
限られた資源をどこに配分するか。
その判断を一貫した基準で行うための思考フレームを与える点にある。
印象的だったのは、ファイナンスが「利益を最大化するための技術」ではなく、「価値を測るための共通言語」であるという立ち位置で語られていたことだ。
企業の投資判断も、M&Aも、資金調達も、最終的には“将来キャッシュフローをどう見るか”という問いに収斂する。ファイナンスは、その見方を揃えるための道具にすぎない。だが、その道具の使い方次第で意思決定の質は大きく変わる。
また、リスクを「避けるもの」ではなく、「織り込むもの」として扱う視点も基礎でありながら重要だと感じた。リスクをゼロにすることはできない。重要なのは、それを価格にどう反映させるかである。
この本を通じて、コーポレートファイナンスが単なる理論ではなく、経営判断そのものと直結していることが腑に落ちた。企業価値とは抽象的な概念ではなく、将来のキャッシュフローの期待値をどう設計し、どう説明するかの積み重ねである。
ファイナンスは目的ではない。
経営を支えるための道具である。
その道具をどう使うかで、企業の未来は変わる。 -
Posted by ブクログ
ファイナンスとは?を理解し、企業価値評価の導入に向けて、難しすぎず簡単すぎず、具体例なども入っており、丁度良い内容でした。
1. 会計とファイナンスの決定的な違い
会計=過去 × 利益
ファイナンス=未来 × キャッシュ
- 会計は「利益」を扱う
- ファイナンスは「キャッシュフロー」を扱う
- 企業価値は“未来のキャッシュフロー”で決まる
- だからファイナンスは「未来の意思決定のための学問」
2. キャッシュフローの3つの種類
① 営業CF(本業で稼ぐ)
→ プラスであるべき
② 投資CF(未来への投資)
→ 基本マイナス(設備投資など)
③ 財務CF(借入・返済・配当)
→ 成長企業はプラスになりやすい(借入で投資を支える)
営業CF + 投資CF = フリーキャッシュフロー(FCF)
3. 株主と債権者の違い(ここが超重要)
株主(リスク高い)
- 最後に残った利益から配当
- リスクが高いので高いリターンを要求
- 成長を重視(借金を使ってレバレッジを効かせたい)
債権者(リスク低い)
- 利息を優先的に受け取る
- 安定性を重視(借金は少ない方が良い)
4. WACC(資本コスト)の本質
WACC=企業が資金を調達するために必要な“最低限のリターン”
- 負債コスト(借金の利息)
- 株主資本コスト(株主が要求するリターン)
を加重平均したもの。
WACCが高い=投資家のリスク認識が高い
→ 投資判断が厳しくなる
→ 企業価値が下がる
WACCを下げる方法
- 情報開示でリスクを下げる
- 財務の安定性を高める
- 株主資本コストを下げる(βを下げる)
5. FCF(フリーキャッシュフロー)を増やす方法
企業価値=FCF ÷ WACC
だから企業価値を上げるには:
① 営業利益を増やす
(税金も減らす)
② 減価償却を適正にする
③ 運転資本を減らす
- 売掛金を早く回収
- 在庫を減らす
- 支払サイトを適正化
④ 設備投資を適正化する
(投資判断の基準を明確に)
6. 投資判断の3つの指標
① NPV(正味現在価値)※最重要
- キャッシュインの現在価値 − キャッシュアウトの現在価値
- NPV > 0 なら投資すべき
日産ではNPV-R(イン/アウト比)が1.5以上という厳しい基準。
② IRR(内部収益率)
- NPVが0になる割引率
- IRR > WACC なら投資すべき
③ 回収期間法(参考程度)
- シンプルだが欠点が多い
- 日産でも使うが“補助指標”
7. ハードルレート(経営の意思)
WACCに経営の意志を上乗せしたもの。
例:
- WACC 7%
- ゴーン「OECDは11%で評価しろ」
→ ハードルレート=11%
企業価値最大化と“経営の意思”は別物。
8. 意思決定で絶対に忘れてはいけない原則
- サンクコスト(過去の投資は無視)
- 機会コスト(他の選択肢の価値)
- with/without(投資の有無で比較)
企業価値は「未来のキャッシュフロー ÷ WACC」で決まる。
だから企業は、FCFを増やし、WACCを下げる努力をする。
投資判断はNPVとIRRで行う。
会計ではなくファイナンスが“意思決定の言語”。
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Posted by ブクログ
とても分かりやすくてタメになったので、以下要点を備忘録として記載。
・会計は利益を扱い、ファイナンスはキャッシュを扱う
・銀行借入は間接金融
・流動資産はすぐに現金化できる資産のこと
・流動負債はすぐに返す必要がある負債
・株主が要求するリターンが株主資本コスト、リスクフリーレートにマーケットリスクプレミアムと個別要素βを足して算出する
・WACCは負債コストと株主資本コストの合計
・投下資本利益率=ROIC
・経営者の使命はWACC以上のROICを上げること
・WACCとROICの差をEVAスプレッドと呼ぶ
・安全なお金はリスクがあるお金よりも価値がある
・投資判断指標には、NPV(正味現在価値)法と、IRR(内部収益率)法などがある。 -
Posted by ブクログ
財務三表は軽く分かりますよ、レベルの初心者にもおすすめ。分かりやすくファイナンスが学べる
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ファイナンスは現金を扱い未来を見る※現金は具体(手元にあるお金)
会計は利益を扱い、過去を見る※利益は抽象
PL経営(利益)からBS経営(現金)へのシフト
BSは経営者がデザインするもの
→経営は逆算である
※BSは決算日の一次点を切り取ったスナップショット
BS経営とはインプット(経営資源)をいかに効率よくアウトプット(利益・売上)に変えられるか【アウトプット/インプット】
三大戦略コスト 38
①研究開発費、事業開発費
②広告宣伝費、販促費
③教育、採用関連費
→将来のアウトプットに影響するためコスト削減といってむやみやたらに減らしてはダメ
PL重要なポイント 43
①売上総利益(粗利)は付加価値力
②営業利益は本業の儲ける力★
③当期純利益だけで一喜一憂せず、特別利益、特別損失で何が計上されているかを見る
※注意:日本基準とIFRSでは営利が違う 48
ハイリスクハイリターンの原則 63
ハイリスク(=想定される結果のばらつきが大きい)に相応の高いリターンを要求すべき
株主(所有)と経営者の関係 except 創業社
日本:わが社の業績を説明します
諸外国:your company
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ファイナンスは価値算定の道具 143
ファイナンスは正解を導き出す万能のツールではなくコミュニケーションの動画 156
経営は率より額が大事※インパクトは額 166
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Posted by ブクログ
ファイナンスの内容について、女子高生が小さな出版社の社長となって再建する話です。ストーリー仕立てでファイナンスの基礎がわかります。しっかりとした内容は別の本で勉強した方がよさそうです。ファイナンスの観点から会社経営を見ます。
手書きの注文書の作成で、書店から注文を取る。書店からの注文は支払いが早いのでキャッシュフローの改善になる。
ベストセラーを出すために、直木賞作家に書いてもらう
ロングセラーを狙える本を探す
プロジェクトを投資判断指標NPV、WACCで判断する
ホームページリニューアルによるウエブマガジンで作家に書いてもらう
マンガの企画を電子書籍だけで出版
印税を売り上げに応じて変える