吉田秀和のレビュー一覧
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初のクラシック音楽の本を読んだ。
吉田秀和が初めて訳した本だけど、読みやすいのが先ず第一印象。
シューマンのロマンチックで優雅、公演のように熱狂的に論ずる姿勢に大変好感を持てた。
クラシック音楽は最古の歴史と云われるので、この本を読んだだけでは歴史的なものも音楽自体の良さも分からないのは必至。
導いてくれるので本書に出てくる曲を聴きながら読むのがベストだと思った。
音楽を奏でるのと同じ位の熱量のある内容なので、コンサートとかの雰囲気もふわりと掴めるのではないだろうか。
事実、それを意識して書いて吉田秀和が「音楽新報」という当時シューマンと仲間たちが発刊していたのを要所々々抜萃したものだけど、ク -
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明晰にして温雅。吉田秀和の文章を読んで受ける印象である。日本における音楽批評というジャンルを確立した吉田であるが、文学、美術にもその造詣は深い。その吉田の批評の核となる「自分」を創り上げてきた幼児期の記憶から、中原中也、吉田一穂という二人の先輩詩人との出会い等、すでに発表された単行本の中から音楽はもとより文学や美術を語った、これはという文章を選んで編まれた随想集である。
「批評するとは自己を語る事である。他人の作品をダシに使って自己を語る事である」というのは、小林秀雄の有名な文句であるが、その小林に近い位置にいて強い影響を受けながら、吉田秀和の批評は小林のそれとは対極に位置するように思える。 -
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吉田秀和による、カラヤンの関する評をあつめたもの。
なんで、コンサート評やレコード(時代ですねww)評や、他の大きいカテゴリーの中でカラヤンについて論じたものとか多岐にわたる。
面白かった。
評って、書き出した時に多分方向性が決まっている。方向性というか、着地点が決まっているのだと思う。
が、どこに、どういう目的で書いたかによって、着地点は様々だ。
その多々の点でばらばらのようなものの中から、カラヤンが確実に浮かび上がってくる。
って、カラヤンがどれだけすごかったか、というところなんだけど。
なんで、改めてカラヤンを聞く。
中高の頃、ものすごく好きでポスター張ってい -
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吉田秀和 「 ソロモンの歌 一本の木 」
音楽以外の批評。中原中也、吉田一穂 に対する文章は 交流による人物批評から 詩論に展開。小林秀雄、永井荷風、パウルクレー に関する文章は 作品から アプローチして それぞれの作品特性から批評している。
対象の特性を拾うのが うまい。対象が 「何を捨てて、何を選んだか」を明確にして、特性から 対象の 根本や本質を抽出しようとしている。随筆感がなくて 起承転結がはっきりした文章なので 読みやすい
吉田一穂 詩「海の聖母」や 著者の音楽批評や モーツァルト批評を読んでみたい
中原中也
*生きるとは 赤ん坊であるか、無限を相手どって腕を振るか どち -
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河出文庫から出ている吉田秀和の文庫本は「バッハ」、「ブラームス 」を読んでおり、本書が初めてではないが、それでもまず、初めに思ったのは、かつては吉田秀和全集や単行本でしか読めなかった吉田秀和の文章が、近頃、河出文庫から出るようになってきて、文庫本で気軽に手に取り、読むことが出来るようになったのことは、良い傾向であり、嬉しいということだ。
これからもどんどん文庫化していって欲しいものである。ついでに言えば、同じく現行で買える、ちくま文庫の「吉田秀和コレクション」より、文字のサイズが若干大きく、太字になっているので、視認性が上がり、読みやすくなっていのはありがたい。
さて、内容についてだが、私 -
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2020/04/17 読み終わった。
唯一無二のピアニスト、グレン・グールドのことを、吉田秀和さんがいかに好きかを大体同じ切り口で何回も伝えてくれる本。エッセイ集みたいな感じ。収録されている一番古い文章は1967年に、一番新しい文章は1995年に書かれた。
グールドが死んだのは1982年なので、生きている間と死んでからの文章に分けられるんだけど、死んでからの文章の方が面白い。死後にもこんなにファンがいて、著作が増えて、論じられているという事実だけでも、グールドの魅力が分かる。
ちなみに、グールドが生きている間に書かれたものはだいたい「生で聴いたことがない悔しい」なので、4回目くらいで「分かった