吉田秀和のレビュー一覧

  • 音楽と音楽家
    初のクラシック音楽の本を読んだ。
    吉田秀和が初めて訳した本だけど、読みやすいのが先ず第一印象。
    シューマンのロマンチックで優雅、公演のように熱狂的に論ずる姿勢に大変好感を持てた。
    クラシック音楽は最古の歴史と云われるので、この本を読んだだけでは歴史的なものも音楽自体の良さも分からないのは必至。
    導い...続きを読む
  • バッハ
    その文章を読むと、紹介されている曲なり演奏なりを実際に聴いてみたくなる。よい音楽評論家の文章とはそういうものである。でも、そういう文章を書ける人は、この人をおいて他には寡聞にして知らない。
  • ホロヴィッツと巨匠たち
    わたしが畏敬する評論家のひとり吉田秀和がホロヴィッツ,ルービンシュタイン,リヒテル,ベネディッティ=ミケランジェリという20世紀の大ピアニストをそれぞれ評した文章を集めたアンソロジイである。読んでいると,他の三人に比べてホロヴィッツに対する評価の揺れが興味深い。吉田秀和はおそらく,ホロヴィッツのピア...続きを読む
  • ソロモンの歌 一本の木
    明晰にして温雅。吉田秀和の文章を読んで受ける印象である。日本における音楽批評というジャンルを確立した吉田であるが、文学、美術にもその造詣は深い。その吉田の批評の核となる「自分」を創り上げてきた幼児期の記憶から、中原中也、吉田一穂という二人の先輩詩人との出会い等、すでに発表された単行本の中から音楽はも...続きを読む
  • ブラームス
    ブラームスとクララの関係性は、そのまま小説の題材になりそう。芸術家にとっては、叶わない恋は悲劇でもあり、それこそが創作意欲の源泉であるのかもしれない。
  • 名曲三〇〇選 ――吉田秀和コレクション
    『名曲300選』と銘打っているが、所謂「クラシック名曲ガイド」とは一線を画しており、吉田独自の視点がかなり入っている。例えば定番のドヴォルザークの「新世界」は300選に入っていない。

    したがって、“入門”を期待して読むと肩透かしを喰らうだろう。だが、文章自体は格調高く読みやすい。

    「グレゴリオ聖...続きを読む
  • ホロヴィッツと巨匠たち
    クラシック音楽を聴く人ならば読む価値のある本だと思う。一世代前の人たちの音楽への接し方に、純粋さに感動を覚える。もちろん全ての表現に同感というわけではなく、我々世代の方が遥かに良い音楽を直接聴いているとも思うが、批判する気にもならない。手元に残しておきたい本だと思う。
  • カラヤン
     吉田秀和による、カラヤンの関する評をあつめたもの。
     
     なんで、コンサート評やレコード(時代ですねww)評や、他の大きいカテゴリーの中でカラヤンについて論じたものとか多岐にわたる。
     面白かった。

     評って、書き出した時に多分方向性が決まっている。方向性というか、着地点が決まっているのだと思う...続きを読む
  • ソロモンの歌 一本の木
    吉田秀和 「 ソロモンの歌 一本の木 」

    音楽以外の批評。中原中也、吉田一穂 に対する文章は 交流による人物批評から 詩論に展開。小林秀雄、永井荷風、パウルクレー に関する文章は 作品から アプローチして それぞれの作品特性から批評している。

    対象の特性を拾うのが うまい。対象が 「何を捨て...続きを読む
  • 名曲三〇〇選 ――吉田秀和コレクション
    【速読】むかし結構お年な日本史の先生がいて、それはもう色々なことを教えてくれるんですが時間がない、ってんで足早にこれだけは言っておくと、て感じで授業してたんですけど、本書も本当はもっと言いたいことがあるんだけど…に満ちた濃密ぶりですね。何書いてるんだかは正直よく分からないですけど、その熱が伝わるんで...続きを読む
  • 音楽と音楽家
    当時の音楽が当時どのように評価されていたのか、興味深く読むことができる。ショパン、リスト、ブラームス…

    それだけでなく、個人的には、音楽の演奏・教育のヒントもちりばめられていると思った。
  • 音楽と音楽家
    クラシックを聴きながら優雅に読んでみた(普段聴かね~のに)。作曲家シューマンが音楽評論家としてベートーベン、ショパン、メンデルスゾーン、シューベルトなどの作曲家を賞賛を交え論じている。リストの演奏会でシューマンが来ているのを知り急遽演目をシューマンの謝肉祭に変更したりと様々なエピソードも描かれている...続きを読む
  • バッハ
    ここで取り上げられている文章は、「吉田秀和作曲家論集 6 J・S・バッハ、ハイドン」 で過去に読んだ文章だから、読んだのは2度目ということになる。

    2度目でも内容は面白く、改めて気付かされるという部分も多い。

    吉田秀和氏の文章が好きな人や、バッハのファンにはお勧めしたい。

    取り上げられているレ...続きを読む
  • 決定版 マーラー
    河出文庫から出ている吉田秀和の文庫本は「バッハ」、「ブラームス 」を読んでおり、本書が初めてではないが、それでもまず、初めに思ったのは、かつては吉田秀和全集や単行本でしか読めなかった吉田秀和の文章が、近頃、河出文庫から出るようになってきて、文庫本で気軽に手に取り、読むことが出来るようになったのことは...続きを読む
  • グレン・グールド
    2020/04/17 読み終わった。
    唯一無二のピアニスト、グレン・グールドのことを、吉田秀和さんがいかに好きかを大体同じ切り口で何回も伝えてくれる本。エッセイ集みたいな感じ。収録されている一番古い文章は1967年に、一番新しい文章は1995年に書かれた。
    グールドが死んだのは1982年なので、生き...続きを読む
  • 名曲三〇〇選 ――吉田秀和コレクション
    吉田秀和せんせいの視点から、クラシックの名曲(・名盤)を300曲集めようという趣向です。

    もとは、その曲の名演レコードを集めるという趣向だったようですが、文庫化にあたってその部分は削除したとのこと。

    クラシックの名曲・・・と言えば、何と言ってもヴィヴァルディやバッハ辺りから始まるのかな、と考える...続きを読む
  • 音楽と音楽家
    まだ自分の音楽知識ではこの本の言葉の半分も分からなかった。
    ただ聴きたい曲や勉強になることも多々あったので読んでよかった。
  • ソロモンの歌 一本の木
    音楽評論家の吉田秀和氏のエッセイ集。標題の2作を含む全12作からなる。音楽、美術、文学への深い造詣が全編を通じて感じられる。鋭い感受性から発露される思考手法には、氏の原体験に裏打ちされたものを感じる。訪欧した経験から、日本に対して抱く感慨や物足りなさには共感を覚える。
  • 名曲三〇〇選 ――吉田秀和コレクション
    バロック以前の中世・ルネサンス等の音楽についての紹介はさすがである。
    しかしロマン派は非常に偏っており、私の好きな作曲家は1曲しかないなど、不満があります。
    しかしざっと読むと、1950年代半ばまでのヨーロッパ音楽史を概観でき、役には立ちそうです(もっとも、LP時代初期の頃に書かれた本なのでCD選び...続きを読む
  • 音楽と音楽家
    シューマンって本当に純粋に己の音楽に素直だったんだなぁと読んでて思った。シューベルトやショパンを絶賛しているあたりが、彼の人間くささを感じることができてほほえましかった。
    人の心の深奥に光をさしこむのが芸術家の道、らしい。芸術家でありたい。