もうこれで何度目かの再読。ドラマで見たのが本を読むきっかけでした。
9歳の青木玉さんが、離婚した母(幸田文)と共に
祖父(幸田露伴)の住む小石川の家での生活を綴ったもの。
こんな明治いや、慶応生まれのカチカチじーさんに、三つ指ついて家政婦のごとく
尽くしまくる暮らしなど、私はまっぴらごめんこうむる
...続きを読むが(笑)、
父の要求を上回る完璧な家事と機転の良さで立ち回る母に対し、
娘玉はのろまで気が利かず、いつも祖父や母に叱られると言う構図が楽しい。
自分を重ねてしまう(笑)。
しかし、私では到底理解できない膨大な教えを露伴や文から受け継いだ玉さんを羨ましいと思う。
生活術や着物の事など、教えて欲しい事は山ほどある。
また、文の看病をする玉を、近い将来の自分と重ねて涙してしまったりもする。
いろいろ考えさせられる話ではあるけど、
この愛とユーモアに包まれた厳しい家族の話が私は大好きだ。