青木玉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
幸田家四代の文章を読んでいると、そのどっしりと腰の座った明快な保守性に清々しささえ覚える。幸田文の娘、青木玉のデビュー随筆集。美しくときにユーモアさえある筆致に惹きつけられ、起き抜けに一気に読んでしまった。近年なかなかここまで風通しのよい文章にはお目にかかれないので、ホンモノの綺麗な日本語にふれたい人にはぜひとも読んでいただきたい。
文章の流麗さについ魅せられがちだが、なかなか内容は波乱に富んでいる。母が離婚し小石川の祖父の実家で暮らすことになった幼い玉。明治の文豪・幸田露伴の理不尽なカミナリオヤジ(※言葉を選びました)ぶりにも母の容赦なく厳しいしつけにも耐える日々。露伴先生の無茶なジジイぶ -
Posted by ブクログ
もうこれで何度目かの再読。ドラマで見たのが本を読むきっかけでした。
9歳の青木玉さんが、離婚した母(幸田文)と共に
祖父(幸田露伴)の住む小石川の家での生活を綴ったもの。
こんな明治いや、慶応生まれのカチカチじーさんに、三つ指ついて家政婦のごとく
尽くしまくる暮らしなど、私はまっぴらごめんこうむるが(笑)、
父の要求を上回る完璧な家事と機転の良さで立ち回る母に対し、
娘玉はのろまで気が利かず、いつも祖父や母に叱られると言う構図が楽しい。
自分を重ねてしまう(笑)。
しかし、私では到底理解できない膨大な教えを露伴や文から受け継いだ玉さんを羨ましいと思う。
生活術や着物の事など、教えて欲しい事は