青木玉のレビュー一覧

  • 小石川の家

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    幸田家四代の文章を読んでいると、そのどっしりと腰の座った明快な保守性に清々しささえ覚える。幸田文の娘、青木玉のデビュー随筆集。美しくときにユーモアさえある筆致に惹きつけられ、起き抜けに一気に読んでしまった。近年なかなかここまで風通しのよい文章にはお目にかかれないので、ホンモノの綺麗な日本語にふれたい人にはぜひとも読んでいただきたい。

    文章の流麗さについ魅せられがちだが、なかなか内容は波乱に富んでいる。母が離婚し小石川の祖父の実家で暮らすことになった幼い玉。明治の文豪・幸田露伴の理不尽なカミナリオヤジ(※言葉を選びました)ぶりにも母の容赦なく厳しいしつけにも耐える日々。露伴先生の無茶なジジイぶ

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    2020年05月27日
  • 帰りたかった家

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    10歳で経験した両親の離婚、その3年後の父の死(結核)、優しい父が待つ家に帰りたかった幼い日、青木玉さんの自伝的エッセイです。1997.2刊行、2002.2文庫化。祖父と父、一方は母の父、一方は私の父、祖父は骨太、質実、緻密はプラス、父は長身、温和、協調、おしゃれ、長所と言える点まで逆にマイナスなのだ。祖父を中心とした母と私の生活、子供にとって家庭の中心が両親でないことは寂しいものだったと。自分が幸せな家庭に恵まれた今、父の優しさを思う時、母が最も欲しかったのは祖父にない優しさだったと気づく著者でした。

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    2017年02月26日
  • 小石川の家

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    1929年(昭4)幸田文の長女として生まれた青木玉のデビュー作「小石川の家」(1994.8刊行、1998.4文庫化)を読みました。1938年(昭13)母幸田文は離婚し、娘9歳の玉を連れ、祖父露伴の小石川の家(蝸牛庵)に戻りました。それから1947年(昭22)露伴の死までの10年間、祖父露伴、母文と過ごした自分の幼い日々を振り返ったエッセイです。なおラストの「三日間」では、1990年(平2)10.31母の死から11.2の葬儀までの様子が綴られています。1994年度文部大臣賞を受賞した作品です。

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    2017年02月23日
  • 小石川の家

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    昭和十三年の、母文の離婚から、戦争を経て、母が死ぬまでの「幸田家」が描かれている。
    時に理不尽にも見える、祖父や母の言いつけ。
    昔の暮らし。
    そして、戦争のこと。
    露伴が戦時中、勝ち目のない戦線に投入されていく若者を傷んで号泣したという話は、心を打つ。

    それから、食べものの描写もなんともおいしそう。
    しかし、食にうるさかった露伴の要求をかなえるために、裏でどれだけの用意がなされたことか。

    この本は著者が還暦を過ぎるころに書かれた本のようだ。
    生活の細部をこんなにも鮮やかに覚えていることに驚嘆する。

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    2013年12月14日
  • 小石川の家

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    …泣いたわー泣いちゃったわー。露伴と文の死んじゃう描写泣いちゃうよ。戦時下、露伴の「若いものがなぁ、若いものが。」という言葉。そして文の厳しいしつけ、露伴の家のしきたり。それだけで物語みたいだ。いいなぁ、とてもいい!

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    2012年09月15日
  • 底のない袋

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    読み終わったのだけれど、エッセイというのは、先へ先へとストーリーを追うものではないので…
    ずっと手元に置き、機会があれば再読したいと思う作品です。

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    2012年04月23日
  • 帰りたかった家

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    幸田露伴の孫、幸田文の娘である青木玉による家族の記録。勢いのある母や祖父とは対照的の、小さくて素朴なものに目が行く作者の求めていたものはあまりに当たり前のことばかりで切ない。いい本でした。

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    2009年10月04日
  • 帰りたかった家

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    幸田文と、父との思い出のお話し。
    戦前で離婚してで戻るって凄いことだと中学の時に思っていたけど、本当に大変だったんだなぁ。
    ちょっぴり切ない

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    2009年10月04日
  • 小石川の家

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    小石川の幸田露伴の家へ移ってから、
    戦後幸田露伴が亡くなるまでの話し。
    幸田露伴ってこういう人だったんだぁってよく分かる。

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    2009年10月04日
  • 小石川の家

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    吠えるも堪えるもただ泣くも、なんと見事な昭和の生きざま。どうして今まで読んでないのか。ぬかったよ。幸田文好きと言えないや

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    2017年04月22日
  • 上り坂下り坂

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    青木玉 著「上り坂下り坂」、2001.11刊行、2005.1文庫化です。母、幸田文を見送って10年、祖父、母と過ごした小石川での暮らしを綴ったエッセイです。小石川はお寺、学校、坂の多い土地だそうです。蝸牛庵(幸田露伴宅)跡は傳通院の近く善光寺坂にありますね。長寿の世の中、著者は「さて、どんなものだろう。思う先は長く、過ぎる時は短かろう。」と語っています。解説は、川本三郎さんです。

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    2017年03月05日
  • 手もちの時間

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    青木玉 著「手持ちの時間」1999.11刊行、2002.11文庫化です。感性豊かな青木玉さんのエッセイが沢山収録されています。「手持ちの時間」とは、(加藤一二三さんの「あと何分」、残ってないのに「あと何分」と記録係に聞くのがが有名ですがw)、将棋の差し手に残っている持ち時間をいうそうです。さて、将棋指しの残り時間ではなく、一寸先も見通せない(惰性の如く生きてはいますがw)私たちの手持ちの時間はどれほどか、ちょっと聞いてみたい気もしますね(^-^)

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    2017年03月05日
  • 小石川の家

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    幸田家の様子が、手に取るようにわかった。

    昔は厳しい時代だった事も知り、
    今の時代に生きる自分は恵まれているなと感じた。

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    2012年02月20日
  • なんでもない話

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    やっぱり幸田文が好き。
    日常のちょっとした出来事を読みやすい文章で伝える。挿絵もユーモラスで楽しい。
    楽しく読み進められる本。

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    2011年11月03日
  • なんでもない話

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    東京生まれの東京育ちで田舎のないところが同じかな
    日常のふとしたことやレポートのような日帰り旅行だったり
    新聞の日曜版に書かれていたようだ
    たぶんそのころ楽しみに読まれていた方も多いことだろう
    読みやすくて楽しかった

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    2010年04月19日
  • 小石川の家

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    もうこれで何度目かの再読。ドラマで見たのが本を読むきっかけでした。
    9歳の青木玉さんが、離婚した母(幸田文)と共に
    祖父(幸田露伴)の住む小石川の家での生活を綴ったもの。

    こんな明治いや、慶応生まれのカチカチじーさんに、三つ指ついて家政婦のごとく
    尽くしまくる暮らしなど、私はまっぴらごめんこうむるが(笑)、
    父の要求を上回る完璧な家事と機転の良さで立ち回る母に対し、
    娘玉はのろまで気が利かず、いつも祖父や母に叱られると言う構図が楽しい。
    自分を重ねてしまう(笑)。
    しかし、私では到底理解できない膨大な教えを露伴や文から受け継いだ玉さんを羨ましいと思う。
    生活術や着物の事など、教えて欲しい事は

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    2010年02月06日
  • 小石川の家

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    祖父露伴、母文との戦前、戦中の暮らしのエピソード集。露伴の頑固ジジイ振りは明治の文豪の面目躍如であるが、世話する身は大変である。母娘の凛とした生活は清々しい。

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    2009年10月07日
  • 上り坂下り坂

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    青木玉さんのエッセイは、ほのぼのしている中にするどい視点があって、先へ先へというよりは丁寧に読みたい、と思わせます。

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    2009年10月04日
  • 底のない袋

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    2002年から2004年にかけて雑誌等に連載された身辺雑記をまとめたエッセイ集。
    今世紀になって書かれたものなのに、何故か昭和その前期の雰囲気が感じられるのは、著者が幸田文の娘で、さらに幸田露伴の孫娘ゆえ、露伴や文の影響が大だからだろうか。
    文章全般に、穏やかでゆっくりした時間が感じられ、読んでいるこちらもある懐かしさに浸ってしまうという稀有な思いに纏われる。
    「食事の風景」や「露伴の春秋」は、露伴との暮らしを綴った貴重なエッセイで、当時の生活が偲ばれる。

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    2021年11月06日
  • 小石川の家

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    探している本とは違った。序盤は現代と違う「厳しい」エピソードがどうにも読んでいて面白くなかったが、終盤の戦争や身内の最期に関する部分はエピソード力が圧倒的。それだけで読んだ価値はあった。

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    2020年10月08日