小林敬幸のレビュー一覧
-
購入済み
総合商社の概説
商社とは、事業投資と金融投資の両生類であり、どちらかに特化しようと舵を切ると、衰退するであろう、という主張が面白い。
経験からきた新事業への取り組み方や仕事その物への姿勢など、ためになりました。 -
Posted by ブクログ
2019年2月14日(木)〜2月19日(火)
日本語: 3冊目 (合計: 3冊)
・三井物産株式会社に以前勤めていた、小林敬幸さんが執筆しているので、総合商社が具体的にどの様な仕事を行なっているのか、順序立てて説明されているので分かりやすい。
・総合商社という業界が、契機により売買仲介型から事業投資型へとビジネスモデルを変化させる経緯と歴史について学べる。1971年のニクソンショックによって、低成長時代に入ると「商社冬の時代」と言われる。1973・1979年のオイルショックにより「資源の輸入から資源の安定的調達」へと機能を変える。また1985年のプラザ合意による、円高の影響で「工業製品の輸出から工業の海外進出支援」へと機能を変化させた。
・ブエノスアイレスでのクレーム対応の仕事に苦しんでいる際に、元を取ろうと、休日にアンデス山脈を旅行したエピソードから、商社で働く人の前向きなマインドが感じられて惹かれた。 -
Posted by ブクログ
親から借り読破。
非常に素晴らしい一冊だった。
形式ばらず、非常に軽妙な文章で理解しやすい。
また、著者の実体験に基づくエピソードが多く、説得力がある。
実際にビジネスを立ち上げるステップの踏み方・難しさに留まらず、
社内政治の仕切り方・切り抜け方、
組織のつくり方・動かし方などまで考慮した内容で、
イメージしやすく、腹落ちしやすい。
・「川の真ん中・船の端」を狙う(その業界では端だが、社会的には当然のこと)
・下手な戦略を持つくらいなら、戦略なき戦略のほうがよほどまし
・ビジネスのコンセプトはシンプルであるほどよい
・「創発的戦略」(偶然を取り込む。確率的発想を取り入れる)
(ホンダの米国進出において偶然の機会を生かしたカブの販売)
・安く買うのが最大のリスク削減策
・「計画された偶発性」
・お金の流れを見る(神社仏閣とディズニーランドは似ている)
(お金のかかる象徴的な建築物は直接集金には役立たないが、それにしっかり投資を行わなければ人は集まらず、その周辺の集金装置も集金できなくなる)
・多くのビジネスでは、集金と集客は別
・数字が一桁違うビジネスは、全く別のビジネスになる
・ビジネスがうまくいかないのを人口減少のせいにするな
(人口は減少傾向にあるが、減少幅はせいぜい1%程度。人口減は、40%以上のシェアを持っている会社だけが言える言い訳)
((国内生命保険市場)40兆円の市場が1%縮むことを、1%のシェアを目指している会社が心配するなんておこがましい)
・規模のスマイルカーブ(小規模事業者と大規模事業者が収益性は良くなる)
(小規模事業者と戦い、うまく事業を立ち上げられたら、一番苦しい中規模の段階をできるだけ早く駆け抜けるようにしなければならない)
・「商いは、牛のよだれ。だらだらとあと続くのがええ商売」(「継続の利益」型ビジネス)
・澄んだキャッシュと濁ったキャッシュ
(澄んだキャッシュとは、売上によって入ってくるお金がはっきりわかり、かつ、その売上のための費用も予測がついてはっきりしているお金の流れ。この場合、融資を受けやすく、投資家も集めやすい。また、共同事業でもパートナー間での利益の配分が行いやすい)
・お客に提供する価値は何か
(運営が始まったあとも価格に見合った価値をちゃんと提供できているか、常に見直していかなければならない)
・平均に客はいない -
Posted by ブクログ
『現代の成熟社会における新しいビジネスは、予測しにくいことが起こるゆえに、偶然の占める割合が高い。その現実を直視すれば、新しいビジネスに成功するには、日本の既存企業がこれまで苦手とするスタイルではあるが、偶然とうまく付き合い、偶然を織り込むことになる。そうすると、成功を得るための基本的な作戦は、シンプルにまとめることができる。(1)数を打つ(2)成功確率を上げる(3)成功した時の利益が大きいものを狙う(4)損失の最小化』
面白い!勉強になる!
こういう発想がないと確かに新ビジネスは生まれないよなぁ〜。
それにしても、今日は突然の出勤でへとへと~_~; -
Posted by ブクログ
実際に何をやってるか外からわかりづらい総合商社について、過去からの変遷も含めて、具体的に説明をしてくれているので、これから就職を控える学生をはじめ、総合商社のビジネスを理解したいビジネスマンにとっても有用な書。本書では、戦略やトップダウンのリーダーシップではなく、全社の危機感からボトムアップで、ビジネストランスフォーメーションが生まれたと主張してるが、この点は少し疑っている。もちろん、現場の頑張りはあったという前提で、その頑張りをうまく吸い上げて、既存事業推進派との対立の中で、強烈にリーダーシップを発揮して、会社をトランスフォーメーションしていったリーダーないしチームがあったはずで、それは、どんな課題と苦闘しながら、成し遂げていったのかのアナザーストーリーも知りたいと思った。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ特に第一部は、大企業勤めでない人にも参考になると思う(社内調整等の話を除き)。
「その業界の中では、端っこだけれども、社会全体で見ると実は、むしろ真ん中にあるビジネスをやってみる。自分の周囲からは「変」に見られるが、外から見ると、「普通」のものをする。」「新しいビジネスを見つけつくりだすには、できるだけ間口を広く取って多様な情報と経験を得て広い視野で考え抜いた方がいい。「選択」と「集中」は、「創造」とは縁遠い発想である。」(29-30頁)
「社内や同業界の人など、自分と同じような立場の人がした失敗というのは、自分の身に置き換えてよく聞くと、新しいビジネスにつながることが多い。概して、誰かが失敗したビジネスのそのすぐ隣の近い分野には、いいビジネスを立ち上げるチャンスが転がっているものだ。」「その敗因をよく分析して、一部修正して近いところで挑戦すれば、何もないところから挑戦するよりもずいぶんと成功確率が上がる。失敗の隣に成功がある。」(44頁)