江坂遊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ショートショート作家である著者の新作。綾辻・有栖川の復刊セレクションで入手困難だった「仕掛け花火」が手に入るようになり、ますます手軽に楽しめるようになった江坂ワールド。一口にショートショート作家と言ってしまうと、どうしても星新一が思い浮かべられ、子供の童話といったようなイメージになってしまうが(星新一も好きですけどね)、江坂遊の作品はどちらかというとブラックジョークに近い。ちょっとしたジョークの背景をさらに掘り下げて一つの小説・ショートショートにしたような雰囲気。ブラックと言っても、悪夢のようなバリー・ユアグロー的ではないので、そこはご安心を。もちろんそれ以外にも、純粋に「いい話」や愛のファ
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Posted by ブクログ
復刊セレクションで復刊された『仕掛け花火』巻末で告知されていた新刊とは、この本のことでしょうか。 SFから時代ものまで。ほろりとする話もあれば恐ろしさにぞっとする話、あまりのバカバカしさににやり笑ってしまう話などなどスパイスとツイストが効いたショートショートが48編収録された作品集。読み始めるとページをめくる手が止められない面白さだ。この作品集ではノスタルジーな作品よりもダジャレな作品のが印象深かった。 私が印象に残った作品は「味わいトマト」「王様の秘密」「とっかえべえ」「白い耳」「若返り坂」「ハンノキの話」「特別な空域」「親切な隣人」。更なる江坂さんの活躍が楽しみ。
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Posted by ブクログ
星新一が見出した、「ショート・ショートしか書かない作家」
江坂遊のショートショート集。
1篇につき数ページで完結してしまうので、気軽に読める。
ちょっと皮肉の効いたオチは、オムニバスTVドラマ
「世にも奇妙な物語」が好きな方ならきっと気に入るだろう。
わたしが気になったのが、特に女性の話し言葉だ。
昭和40年代の作家が書いたような印象だった。
小道具は今を感じさせるものばかりなのに、どこか時代錯誤な感じがする。
あと10年もすると、そのズレがもしかしたら
奇妙な味わいになるのかもしれないが、今はちょっとしんどいなと思った。
1篇が短いせいか、オチが推測できてしまう話の運びも物足りない。
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