松尾剛次のレビュー一覧

  • 日蓮 「闘う仏教者」の実像
    日蓮の生涯について綿密な史料解釈の基、要点を抜き出して簡潔にまとめた名著。
    日蓮のゴリゴリに追求していく思想、過激発言と数々の舌禍とも言える困難、その反面驚くほど人間味のある数々の手紙、日蓮という人物のエッセンスが詰まった面白い本だった。
    また、難解な日蓮の仏教思想を噛み砕いて(久々の読書であったの...続きを読む
  • 日蓮 「闘う仏教者」の実像
    立正安国論提出の経緯、佐渡流罪、蒙古襲来と祈祷、本門の戒壇、墓輪番などについて、従来とは少し異なるが妥当な考え方が立論されている。

    日蓮の生涯についての現時点での決定版だろう。
  • 増補 破戒と男色の仏教史
    「95人と男色をしてきたが100は超えないようにいたします」と仏に反省文を出す僧侶には笑ってしまう。日本仏教において男色が公然の風習だったことがよくわかる。
  • 日本仏教史入門
    オビの日本仏教は何か?ということの答えが十分示されていると思う。
    これほどまでに歴史的にわかりやすく仏教を解説した本を読んだことはなかったので、いろいろな点で勉強になった。
    お寺は江戸時代は行政機関としても成り立っていたのかと。
  • 日本仏教史入門
    難解な用語は、ほとんどなく、びっくりするくらいスムーズに釈迦から真如苑まで到達。初心者向きの内容だとすれば、江戸時代のパートが、やや詳しすぎるような気もした。廃仏毀釈のあたりをもう少し詳しく読みたいとも思う。
  • 中世都市鎌倉を歩く 源頼朝から上杉謙信まで
    10月に鎌倉市民になったので読みました。
    本書は鎌倉を「都市」と見なし、12世紀末から16世紀までを描いた歴史書です。
    著者は鎌倉は「鎌倉末期から南北朝期には幕府によって公認された9つの繁華街のみならず山内一帯には建長寺、円覚寺の門前町が、極楽寺一帯には極楽寺の門前町が形成されていたのであり、武士の...続きを読む
  • 日本仏教史入門
    <目次>
    第1章  仏教とは何だろう
    第2章  なぜ仏教を受けいれたのか~飛鳥・奈良・平安時代
    第3章  中世仏教の新しさとは何か~鎌倉時代
    第4章  どのように広がり、定着したのか~室町・戦国時代
    第5章  江戸時代の仏教は堕落していたのか
    第6章  明治維新はどんな意味を持つのか~明治から平成へ...続きを読む
  • 日本仏教史入門
    日本に広く浸透し、熱心な信者は少なくなってきているとは言え、日本最大の宗教である仏教。
    自分の家も仏教だし、お寺に出かけ御朱印もいただく。(神社もだけど)
    でどれだけ仏教のことを知っているの?と聞かれるとお恥ずかしい限りだったので、この本を手に取った。
    そもそも仏教とは何か、日本が仏教を取り入れた理...続きを読む
  • 太平記 鎮魂と救済の史書
    通説では鎌倉末期以降の戦記。なのになぜタイトルが「太平記」?本書はその疑問に対して、室町幕府目線で見た「鎮魂書」というキーワードで説明してくれている。たしかに後醍醐天皇をはじめ、登場人物の「人としての陰と陽」を宮方目線で読んでしまうと、その本質が見えてこない。まずこれは歴史書ではないという前提で読む...続きを読む
  • 中世都市鎌倉を歩く 源頼朝から上杉謙信まで
    幕府時代だけでなく室町末期まで政治都市として機能していた鎌倉の変遷を紹介。戦火で失われた遺構についての記述が多いので一般的な観光のお供には向かないけれど、空き地を観て「ここに永福寺があったのかぁ」と浸れるような人にはオススメ。トレラン前に読み切れなかったのでもう一度走りに行かねば!
  • 中世都市鎌倉を歩く 源頼朝から上杉謙信まで
    Lv【初心者】に自信を持ってオススメ!
    ・鎌倉発祥の○○上杉氏の解りやすい系図と解説
    ・室町、特に南北朝・鎌倉府・享徳の乱
    ・ガイドブックと合わせて鎌倉観光に歴史をプラス!

    東国の鎌倉・室町時代を鎌倉という都市を通して解説。でもこんなに解りやすいのに、まさかの永享の法難とかまで載っていて、なかなか...続きを読む
  • 太平記 鎮魂と救済の史書
    [ 内容 ]
    足利尊氏や新田義貞、楠木正成ら名だたる武将が活躍する『太平記』。
    しかしこの名高い戦記物がめざしたのは、英雄譚と言うよりも、南北朝動乱を生きた、名もなき人人への鎮魂と救済ではなかったか。
    怨霊の跋扈する、不条理にも見える物語世界が内包する『太平記』の精神とは。
    また、登場人物たちの体現...続きを読む
  • 太平記 鎮魂と救済の史書
    私がお世話になっている先生なので紹介するのは非常に気が引けますが、「太平記の主人公は最初から最後まで後醍醐天皇だった」など意外な新説、「史書は敗者の救済のための書物である」という松尾史書観に基づく分析など、なかなか面白い本です。
    ただ、薄いくせに高い。
  • 中世都市鎌倉を歩く 源頼朝から上杉謙信まで
    中世の鎌倉。

    鎌倉は行ったことは全くない。

    しかし、中世を語る上で鎌倉は必要不可欠な都市。

    その都市を支配者ごとに記述しているのは、非常にわかりやすかった。

    城郭や、政治には興味があり、知識をもつことが多かったが、都市についてはもっていなかった。

    これから、都市そのものや、都市構造を理解し...続きを読む
  • 中世都市鎌倉を歩く 源頼朝から上杉謙信まで
     頼朝により幕府が開かれた鎌倉。幕府滅亡後の室町時代には鎌倉府が置かれたこと、幕府将軍義教・関東管領上杉氏と持氏との対立により鎌倉府が一旦滅亡したこと、再興後再び争いとなり、鎌倉公方がその本拠地を古河に移した(古河公方)ことで、扇谷上杉氏が押さえたが、その後伊豆から後北条氏が進出したこと、などは一応...続きを読む
  • 中世都市鎌倉を歩く 源頼朝から上杉謙信まで
    鎌倉時代の鎌倉のみならず、室町時代まで書かれていて面白かった。

    幕府が滅んだからといって、鎌倉という土地の持つ力が失われなかったことがわかります。
    鎌倉府つくるくらいだしね。