飯泉太子宗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
仏像修復の話がこんなにもおもしろいとは思わなかった。予想外のうれしい驚きをくれた1冊。著者は(財)美術院国宝修理所(そんな施設があるんですねぇ)に勤めた後、独立して仏像や文化財の修復に携わっている人。名前は「いいずみ・としたか」と読むのだそうで(唐の太宗を思い出してしまった)。仏像の基本・修理の裏側・文化財保存と地域のつながりなどについて、数ページの短いエッセイが40編収められている。平安時代の仏像より江戸時代の仏像の方が壊れやすいとか、阿弥陀様だったはずなのに手をすげ替えられてお釈迦様に変身してしまった仏像があるとか、びっくりするような話が語られる。なかには、「一目見たら目がつぶれる」と伝承
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Posted by ブクログ
親しみやすくてすいすい読める~。
多様な修理に感心し、御霊抜きと開眼供養に目からウロコが落ち、もし仏師がガンダムを作ったらって例え話に笑いました。
何より「壊れても仏像」ってタイトルがすてき。
維持する修理はともかく、新品同様に修理すると価値が下がる場合もあって(重要文化財から外れるなんてことがあるとは思いませんでした)保存が目的でもどこまで修理するかは微妙な問題か…。
仏像にはいつも「よく残ってたね」と声をかけるのですが、同時に「よく残してくれましたね」と残してくれた人にも感謝します。
彼らのお陰でものは残っていくからね。
いい読書をしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ思ったよりは仏像修復の話ではなかった。半分ほどは仏像とは何か、そして仏像が壊れることについて。
ある程度基本を分かってもらった上で修復の話をすることでわかりやすくするという狙いか?
ある程度知った上でこの本を手に入れるだろうから、いきなり修復の話でも良かったけどなぁ。
まあでも、著者が比較的若いこともあり、プラモとかガンダムとかの例を挙げながらの話でなかなか引きこまれてしまった。
仏像の中にネズミが巣食うとか、腐ってしまうとか、ヘタすると罰当たりとか言われそうな内容を知ることができる結構貴重な本だと感じた。
一番おもしろかったことは、どの仏像も、作成されたときそのままの姿ではないってことか