コレットのレビュー一覧

  • シェリ

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    49歳、元高級娼婦レアの色香漂う熟女の魅力が、余すところなく伝わってきます。美しい描写です。まとっている香水の香りまで漂ってきそうです。

    彼女と恋人関係にあるのが、25歳のシェリ。本書のタイトルになっています。年の差恋愛というだけでも、ドキドキがとまりません。2人の6年間の馴れ合い生活の後、シェリは19歳のエドメと結婚。

    シェリとエドメの新婚生活のぶつかり合いも読みどころですが、レアとシェリが別れた後の、それぞれの激しい心情の揺れの表現も、これまたスゴイ!

    寄せては返す波のようにバシバシ打ち寄せてきて、夢中になって読んでしまいます。老いと若さの対比については、遠慮なしです。(レアについて

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    2025年10月14日
  • シェリ

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    美しい。プルーストやジョットが称賛するのが納得。フランス文学って恋人たちの表現が愛おしい。ルパンも好きだ。
    コレットの書く色や自然、食事、家具なんかの雰囲気がこんな風だと知ったので、他の本も是非と思って買ってみた。フランス語で読めたら素敵だろうなあ。他のを読む前に他の訳のシェリも読んでみたい。
    ミシェル・ファイファーの映画も観たいなあ。

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    2020年03月04日
  • シェリ

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    ネタバレ

    言葉の流れが優雅でオシャレだった。
    高級娼婦という特別な立場だが、レアの気持ちは女性なら誰もが一度は体験するのではないだろうか。

    シェリが去ってゆくラストシーンは悲しい。

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    2021年03月23日
  • 青い麦

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    友情から恋愛へと発展していく過程で生じる苦しみについて描かれている本。
    風景描写に力点を置き過ぎているきらいがある。もう少し、詳細な心理描写が欲しかった。

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    2019年07月24日
  • 青い麦

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    最初は正直フィリップの青さにすごくイライラした。けれど最初薄っぺらいと思っていたヴァンカがストーリーを追うごとにすごく面白くなった。最後の方はとくによかった。あとはちょいちょい訳の言葉遣いが気になったのでフランス語をもっと勉強して自分で原書を読んでみたい。

    p.134「だって、わたしにいじわる言ってるあいだは、そこにいるでしょう、あなた……」

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    2015年10月25日
  • 青い麦

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    光文社古典新訳文庫シリーズの特徴は、奔放な翻訳と優れた解説、この二点だと個人的に思っている。

    その意味で、コレットの『青い麦』を河野訳で読むことの面白さは、彼女の明快な解説と共に評価するのがよいと思う。彼女の解説は、若い男女の恋愛を描いた『青い麦』のテーマは、いかにもありふれて見えるのに、なぜ仏文史上「新しい」ものだったかを、コレットの伝記的事実も交えながら、分かりやすく、興味深く説明している。

    本作を読んでまず目にとまるのが、夏の海辺の家を背景にした爽やさな情景。そして、十代の男女恋愛がもつ苦々しさを繊細に描いた巧みな心理描写である。謎の三十女が登場する展開は、フランス文学のおなじみのも

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    2011年12月19日
  • 青い麦

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    少年少女の初めての性の前後における心身の繊細な描写と避暑地の風景。
    大人は影。少年に初めての性を教える年上の女性も影。
    少年と少女にもだんだんと影が差していく。

    そしてまだ残る童心の輝きや色彩豊かな風景と、迫り来る影とのコントラストの中に切なさ、甘酸っぱさがあるんだろうな。

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    2011年05月08日
  • 青い麦

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    あまり期待していなかったが、意外と面白かった。幼なじみの15歳の少女と16歳の少年がお互いを意識し始めた。そこに年上の若い女性が現れた。よくありそうなテーマです。各々の心の動きがうまく描かれていました。
    また、解説の第一次世界大戦前のフランスにおける恋のパターンがフランス文学を読むのに参考になりました。6パターン分けされていました。ぜひご一読を。

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    2010年12月26日
  • シェリ

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    49歳で老境となってしまう時代。忍び寄る老いを感じながら、若い恋人が結婚し自分から離れていくのを鷹揚に構えながらも不安定なレア。続編もあるようだが、美しければ美しいほど、若さが失われていく実感が強いのかもしれない。ましてやその美貌だけで生活してきた身では、お金はあっても心は満たされず焦燥感でいっぱいなんだなぁと感じた。

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    2024年09月27日
  • シェリ

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    本を読むのは速いほうだと自負しておりますが、この本はなかなか読み進められず、一度挫折してしまったぐらいです。
    途中で投げ出すのは嫌だったので、気を取り直して最後まで読みました。
    私との相性があまりよくなかったのだろうなと。
    この訳者のほかの本を読んだときには夢中で読んだので、原文の作者との相性の問題でしょうか。

    あとがき&解説には、私が知りたかった情報が書かれていたので、最後まで読んでよかったとは思っています。

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    2023年03月05日
  • シェリ

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    最初の数ページ、美しく若い少年のような愛人シェリが、50歳直前の高級娼婦レアの真珠のネックレスを弄びながら、僕にくれよ、僕の方が似合うよ、としゃべっているその場面に、思ったのはよくある大人の女向けのコミックスや安い小説類との、ものすごい類似性だった。
    つまり最初に軽蔑し、それでも興味からずるずる読んでしまったというわけだ。
    シェリの恋煩いとか、レアの才知ある言動とかそんなものは、それほど魅力を感じないが
    レアがついに受け入れざるを得ない老いというものと完全に向き合わされるラスト近くは、ああこれが書きたかったのかと納得した。
    評価が全て美と社交界におけるしゃれた知性のみから成る生き方は、さぞや苦

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    2021年06月28日
  • 青い麦

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    急に古典小説が読みたくなって、いつもお世話になってる光文社古典新訳文庫から青臭い青春小説の『青い麦』と『肉体の悪魔』の2冊を借りた。どちらも16歳の少年が人妻と初体験をしてしまう話で、その対照的な内容を楽しむのが目的だった。
    果たして結果は上々。2冊読まないとその違いがわからないので速攻で読んでの感想だけど、まず、フランス文学は難しい(そこかい!)。
    抒情的な表現や情景描写がいたるところに挟み込まれ物事は2行で済むのにそういった表現のおかげですごくスローペースなので、ジェットコースターなドラマ慣れしてるときつく感じる。逆にそれを楽しむのがフランス文学なんだろうけど、嵐が丘のヒースクリフとキャサ

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    2021年03月29日
  • シェリ

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    なんて芳醇な大人の恋愛小説なんだろう。
    自身の肉体の老いに加え24歳も年下の男性を愛した女の毅然とした姿がそこにあった。悩み、苦しみ、傷つきながらも己が人生にプライドを持つ女の美しさ。
    鮮やかな色彩描写で浮かび上がる麗しのパリを舞台に繰り広げられる恋。
    身を焦すその激しさは今を生きる私たちと何ら変わることなく、読者の心を揺さぶる。

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    2021年03月03日
  • 青い麦

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    おフランス…!という感じでした。
    ヴァンカ、本当に15歳?家庭的通り越してる気がしますがこの頃の外国の娘さんはこんな感じなのかな…
    カミーユのせいで…みたいになってたけど、小さい頃からお互いを知りすぎてるというのも問題アリなのかもしれないと思いました。苦い。

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    2020年09月15日
  • 青い麦

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    性的欲求のためかなり苦しんでいる主人公。
    人間模様の変化、官能の芽生えが瑞々しく描かれている。
    嫉妬や焦燥感、不安、悲哀と思春期ならではの陰影に富んだ心の機微が細やかに描かれていた。

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    2020年09月04日
  • 青い麦

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    フランス、ブルゴーニュ地方の断崖が続く美しい海岸に建つ別荘でのひとつ屋根の下での未成年者二人の激しい恋。
    純情多感な二人の激しい心の葛藤、目まぐるしく変わる感情の起伏、自分の気持ちを押し止める事ができずストレートに相手にぶつけてしまうが故に起こるすれ違い。不器用だが切なく、もどかしい。
    年上の女性に翻弄される青年という設定はフランス映画でよく見た記憶があったが、本書の解説で語られる興味深いフランスの恋愛事情で納得。
    夏の終わりの美しい情景が二人の接触を嬉しくも悲しくも演出する。その素敵な風景に浸れました。映画化されているようなので機会があったら観てみたいです。

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    2020年06月28日
  • 青い麦

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    ネタバレ

    年上の女性とそういうことをして、世界が変わるほどの衝撃を受けて鬱々とする少年。
    幼馴染の少女としてみると、彼女は恋にひたってうっとりとしている。男と女の違い…?

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    2020年01月11日
  • シェリ

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     時は19C末~20C初頭のフランス、49歳の元高級娼婦(ココット)が、24コ下の恋人と別れなくちゃいけなくなって色々悩んじゃう話。
     正直なところ、何もかも自分の境遇と違い過ぎており、感情移入は難しかった。同じ娼婦を取り扱った小説でも、ゾラ『ナナ』とかデュマ・フィス『椿姫』なんかの方が、ド直球で分かりやすかった。

     まぁ、もちろんこの小説はこの小説で面白かった。特徴的なのはやはり主人公のレアが持つ気高さだろう。
     現代日本の娼婦(売春婦)ってのがどういう生活をしているのか全く知らないけど、ここで描かれる高級娼婦というのは、フランスの裏社交界の花形で、美人で頭も良い才色兼備な女性で、彼女たち

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    2019年06月30日
  • 青い麦

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    鹿島茂さんの解説によると、恋愛の本質はイニシエーションらしいです。
    はて?
    その辺りは自分にはよくわからないけれど、フランス文学や作者についての解説がわかりやすくて良かったです。

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    2018年04月13日
  • 青い麦

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    幼馴染と、夏に出会ったマダム。ああ、僕は。

    フィリップは別荘で夏休みを過ごしながら、幼馴染のヴァンカとすれ違う自分、マダム・ダルレイに惹かれていく自分をもてあます。大人になりゆく少年の戸惑いをみずみずしく描いた作品。

    この作品は、「若い男女の恋」を描いたことで画期的だったそうである。なぜかというと、それまでフランスには「若い男女の恋」がなかったから。恋愛マスターのフランス人をイメージすると「!?」となってしまう。それまでのフランスの恋愛は、若い男と人妻だったり、男と高級娼婦や階級が下の若い娘との金銭的恋愛だったりと、ベテランが若者を導くような恋しかなかったらしい。

    本文は「あーはいはいわ

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    2017年09月21日