朴慶南のレビュー一覧

  • 私たちの近現代史 女性とマイノリティの100年

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    ネタバレ

    二人の出会いから、関東大震災後朝鮮人(・中国人・アナーキスト)虐殺事件、それに対する否定論、伊藤野枝/『風よ あらしよ』、シベリア抑留/慰安婦/『星々の舟』、女性とマイノリティ、村山さんの恋バナ、男性遍歴、そして物語の危うさと希望まで。マイノリティに対して厳しくなっていく時代のなかで、事実をみつめて、「分かりやすい」(けれど、まちがった)物語=流言飛語にとらわれないようにするにはどうすればよいか。村山由佳といえば、性愛の大衆文学作家というイメージが強いが、意外にもたいへん勉強家で、聡明であることに驚いた。

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    2025年01月24日
  • 私たちの近現代史 女性とマイノリティの100年

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    村山由佳氏の「風よあらしよ」を読む前に、たまたまこの書を見て爆読。関東大震災時の朝鮮人虐殺の話から、今も続く在日朝鮮人の方々に対する差別、ヘイトなど、また当時から続いている女性差別の構造は、あれから100年たった今でも変わらずにある。だからこそ、女性とマイノリティの人たちがどのように立場に置かれていたかを想像し自身に置き換えて考えてみることが重要であると思った。現在、ジェンダー平等や多様性が訴えられている時代ではあるが、対談者自身の体験や本音も交えた書であり、あらためて自身の考えをアップデートできる書であった。

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    2025年01月08日
  • 私たちの近現代史 女性とマイノリティの100年

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    最近の政治家のかざす「愛国心」には心底嫌気がさしている。その理由を、この対談のなかでお二人が言語化してくれた気がする。
    「過ちを過ちとして認めることからしか、国への本当の思いも生まれない(村山由佳)」「今は、過去の歴史に学ぼうとするような政治家が皆無に近くなってしまって、戦争への警戒心や、ヘイトが悪いことだという意識が弱くなってきているのが、とても恐ろしい(朴慶南)」
    ↑こういうことを、日本人はもっと重く受け止めるべきなんじゃないかな…。そういう人間としての努力が、日韓関係だけではなく、イスラエルやロシアの戦争に対する解決の糸口になるのだろうと思うのだけど。

    猫エッセイや『風よあらしよ』を読

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    2024年08月31日
  • 私たちの近現代史 女性とマイノリティの100年

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     ユーチューブ、佐高信の隠し味という番組で偶々巡り合い一日で読み切った。
     関東大震災100年の2023年の節目に村山由佳と朴慶南対談本である。大正12年の大震災での朝鮮人虐殺、大杉栄と伊藤野枝の虐殺事件、朝鮮人虐殺事件そのものを認めようとしない日本政府、慰霊の追悼文を寄せることを中止した小池百合子知事など。当時の知識人の寺田寅彦の虐殺事件に寄せた否定的な見識、千田是也が震災当時12歳であった時の朝鮮人に疑われた体験、黒澤明が井戸に落書きを貼ったところ朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた証だとした住民の流言飛語が飛び交い、朝鮮人、中国人、朝鮮人に間違えられた日本人の虐殺、普通の一般市民が殺人に走る

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    2024年12月30日