マルク・レビンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イノベーションの物語なのに、輝かしい閃きではない事にフォーカスしていたのがイイ。
誰も革命的なことの最中にいることすら理解せず、コンテナの革命は一歩ずつ進んだのが良く分かる。
トラックと鉄道と船をひと繋ぎにすることで、今の世界の流通システムが成り立っている。大袈裟に言うと、それが資本主義の根幹なんだと理解できる。
数々の課題を統一していく過程が良い。
大きさの規格、連結金具の開発、ライバルである鉄道会社の取り込み、港湾の荷揚げシステム、大量のコンテナBOXや船舶のリースシステム、トラックやトラーラーのボックス化。
それ以上に多様化し対立化する、ギャングや政治家の対処や、労働組合やライバル会 -
Posted by ブクログ
The BOX コンテナ物語
本書の構成
コンテナの影響が最初に述べられ、普及した背景が述べられていく。そして、現在起こったことに対する見解が述べられる。
経緯に対しての感想
システムの開発から統一までの経緯が本書には詰まっていた。
マクリーンのアイデアの影響範囲を広く捉えるという視点は良いと思った。(コンテナなら、自社コスト削減どころか、海運のシステムを変えられるなど。)
また自社だけだと資産や影響力に限りがあるので、以下に他社を巻き込みチャンスを掴むのかのが大切かもわかった。(軍しかり、投資家しかり。)さらに普及の過程では、totalで仕事の生産性は増すとしても(理解している -
Posted by ブクログ
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二〇世紀後半、あるイノベーションが誕生し、全世界でビジネスのやり方を変えた。ソフトウェア産業の話ではない。それが起きたのは、海運業だ。おそらく大方の人があまり考えたことのないようなそのイノベーションは、あの輸送用のコンテナである。コンテナは、この夏私が読んだ最高におもしろい本『コンテナ物語』の主役を務めている。コンテナが世界を変えていく物語はじつに魅力的で、それだけでもこの本を読む十分な理由になる。そのうえこの本は、それと気づかないうちに、事業経営やイノベーションの役割についての固定観念に活を入れてくれるのである。
by ビル・ゲイツ
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Posted by ブクログ
コンテナの歴史がわかる本。1つの発明が思いがけないところまで影響を及ぼすことってありますよね。コンテナできたから荷物がたくさん運べるようになってよかったね、ではもちろん止まらない様子がとても面白かったです。
経済的な面でいえば、輸送コストの減少によって、世界の色々な場所でそれぞれ部品を作って、最後に合わせて完成品にするというスキームが成り立ったというところが衝撃的でした。つまりは、人件費や土地の安いところで部品を生産することにメリットが生まれたということでもあり、これって今も社会問題ですから。
ただ、当時、産業が全くなく、衰退していた状況であった地域からすると、そういった大規模資本の投入はポジ -
Posted by ブクログ
コンテナについてほとんど全てのことがわかる本。コンテナのことはわかったんでもういいです〜ってなるぐらいの情報量なので、少し物流や貿易をかじりました程度の人にとってはボリューム的に若干苦痛かも。ただこれって日本のことを考えるきっかけにはなっていて、港で見かけるどでかいコンテナをJR貨物に積み替える作業ってどこでやってんだろうね?それとも基本はトラック?ググったりYouTubeだったり調べればそこら辺いくらでも分かるだろうから、知的好奇心がある人の知りたい欲をかきたてる一冊には間違いなくなると思う。あと港町特有の気性の荒さの理由が少しわかった気がする
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Posted by ブクログ
ここ数年、天候不順や感染症の蔓延を発端に不安定な物流の現状を目の当たりにしている。特に、海運におけるコンテナ不足はたびたび問題となっている。今や当たり前に活用しているコンテナ、コンテナの歴史を見つめ直し、その将来を考察している本書は、物流との関係を断ち切れない現代人は必読だと感じた。
マルコム・マクリーンの優れた先見性は、あの時代に海運業を貨物を運ぶ産業と認識していたことと筆者は述べている。何かを発明することの重要性が注目されがちだが、埋もれた発明品を適応させるため、現状の制度を変えるマクリーンのパワフルさこそがコンテナの導入に繋がったのだろう。
本書の中で最も印象に残ってるのは7章の規格であ -
Posted by ブクログ
6年くらい前にビルゲイツがお勧めしてるからぜひ読みなよと同僚からお勧めされた本にやっと手を伸ばすことができました。
単なる箱に過ぎないコンテナは、いかに世界の物流に影響を与えたかが時系列でよくまとめられています。海運送業にもたらした構造変革(前時代の港における荷役による積み下ろしから工場からラストワンマイルまでの直輸送)の大きさを理解することができます。
【コンテナ輸送のポイント】
・如何に多くのコンテナを効率的に運送し、行き帰りで積載量を最大に近づけることができるか
・コンテナ輸送には特別な技術的ハードルもないため、先行者利益が小さく、完成したシステムを大規模に展開できるか
→現在繁栄し -
Posted by ブクログ
ネタバレこの書籍は、世界中でコンテナ輸送が成り立つまでの道のりが記されています。
コンテナが発明される前は荷物を船内に秩序なく詰め込み、沖仲仕が人力で運び出すというスタイルであった。
人力では効率も悪く、人件費もかかるということで、トラック運送業者のマルコム・マクリーンがコンテナを発明。
しかし、発明当時は受け入れられなかった。コンテナのサイズ、船までの輸送、港湾の整備に問題があるからだ。
コンテナの規格化、港湾整備、ガントリークレーンの建設等、現在では当たり前となった設備が開発、運用されるまでの物語である。
まさに、「箱」の発明が世界を変えたのである。
コンテナ、海運業界に従事し、興味ある方は必読で -
Posted by ブクログ
「現代のワールドサプライチェーンを作ったのは紛れもなくコンテナである」
マルコムマクリーン=トラック野郎が時代を先取りしまくっていく様子が痛快に記されている。
「コンテナより、コンテナで輸送する仕組みこそがイノベーション。」
「発明はされていても、それが使われるようになるまで時間がかかる。」
ビジネスの根幹を思い出させるフレーズも登場する。
コンテナ普及までの困難は以下の通り。
・沖中士組合との対立
・規格化:コンテナサイズから荷役機器、金具に及ぶ
・ICCの妨害
・鉄道輸送との対立
・ベトナム戦争
・供給過多
・規模の経済を活かすためのコンテナ船巨大化
・バービーちゃんはコンテナがもたらし