原彬久のレビュー一覧

  • 危機の二十年 理想と現実
    本書は、第一次大戦後から第二次大戦前の20年間の戦間期を分析することで、国際関係の過去をたどり未来を見通すという試みである。
    初版は1939年であるが、この翻訳は、1945年に若干の修正を経て出版された第二版のものである。
    第一章〜第十四章という構成で、大枠の内容は、
    ・国際政治(Ⅰ〜Ⅵ)
    ・力と道...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    E.H.カーの「歴史とは何か」を読んで感銘を受け本書も手に取りました。全くの門外漢ですので、カー氏はてっきり歴史学者かと思っていたのですが、本書を読んで、カーが最初は外務省に勤務し、その後ジャーナリズムの分野に入りながら学者に転身し、歴史、国際政治分野の研究をしていたことを知りました。本書は1919...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    岡義武の『国際政治史』と合わせて読むといい。"国際政治"といわれるものは第一次世界大戦後に始まるということがよくわかる。理想を追うことも現状を見ることも双方重要で、またどちらかだけではいけない。両方を視野に入れながらバランスを取った見方をすることの重要性。あいまいだったり日和っているように見えたりす...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    危機の二十年とはWWⅠ~WWⅡを指す。

    ユートピアニズム批判は非常に鋭い。

    歴史と理論の勉強に、IR研究では必須の文献。
  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和
    政治の本質とは何かを詳細に説く。
    政治の「正しい」入門書といって過言でない名著。
    上中下巻構成と大部だが、非常に読みやすく、政治を考察する上での基本的な視座を獲得できる。

    最新版の発行(1986年)からも既に30年以上経つが、本書の分析と今日の国内・国際政治状況とを照らし見るのも面白い。
  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和
    [力は世界に踊る]国際社会を動かす要素を「権力」や「力」、そして「国益」や「利益」として捉え、リアリズム的な理論を徹底して追求した国際政治学の古典的作品。幅広いテーマを扱いながら、国際社会とそれを構成する国家や人間の本質を鋭く抉っていきます。著者は、国務省顧問なども歴任し、現実と理論の間に橋をかけた...続きを読む
  • モーゲンソー 国際政治 (下) 権力と平和
    国際政治は、利益と利益のぶつかり合いであるということを前提として書かれている。この軸を中心として、バランスオブパワーと平和の問題について書かれているのが本書。

    本書は、国際政治の世界に多くの論争を巻き起こした名著である。そのことと私自身の読解力のなさにより(読み方も悪いのだけど)、その凄さを消化す...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    【その時代、理想が砕け、現実が立ち昇った】国際政治の古典的名著とも言える作品。第一次大戦終了から第二次大戦に至るまでの時代、いかにユートピア思想がいかに世界を席巻し、そして無惨にも現実に押し潰されたかを丁寧に捕えることにより、国際政治における理想と現実の問題に鋭すぎるメスを入れていきます。著者は、イ...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    大学時代の教科書的に読んだのが初読だったが、政治向きのニュースを見る度に手に取る本でもある。引用にあるように、簡潔に、しかも色褪せぬ評価が至る所に散りばめられており、国際政治の本という本旨を持ちつつも、洞察に満ちた哲人の書のようにも思える。
  • 危機の二十年 理想と現実
    国際政治の古典として必ず名前が挙がるのが本書。

    E.H.カーは、リアリスト(国際関係は各国のパワーによって決まる弱肉強食の世界である!論者)であるとよく紹介されている。実際に本書は、ユートピアニズム(手をつなげば世界は平和になるんだよ~♪論)が国際連盟において支配的であったために、第二次世界大戦の...続きを読む
  • 戦後史のなかの日本社会党 その理想主義とは何であったのか
    55年体制の一端を担った日本社会党の、平易な解説本である。
    とはいえ内容は結構深い。

    社会党といえば、しばしば日本国の存在自体を否定するかのようなイメージを持つが、実は結党時は中間派の日本無産党と右派の社会民衆党はおよそ左翼とは言えないような、国家社会主義・天皇制を養護するような右翼であった。...続きを読む
  • 戦後史のなかの日本社会党 その理想主義とは何であったのか
     本書の内容は、タイトルの通り、1945年の結党から50年あまりの日本社会党の栄枯盛衰を描いている。

     社会党と言えば、55年体制の中で自民党政権を牽制する野党として認知されてきた。しかし、その内情はひどいものであった。結党以来の左右両派の主導権争い。また左右両派の中にも派閥が生まれ、両者が足を引...続きを読む
  • 戦後史のなかの日本社会党 その理想主義とは何であったのか
    日本社会党が結党以来一度も単独政権を担うことなしに、冷戦の終結・55年体制の崩壊とともに落日を迎えた原因を詳細に事実を積み重ねて探っている。社会党の最大の問題を理想主義と絵空事に基づく決定論的・二元論的な思考様式であったとして、政治においてリアリズムとユートピアニズムを共存させることの重要性を指摘し...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
     実は今の時代にも十分通用するではと思う本。
     この本の内容にテロリズムと宗教を加えれば十分に通用します。
  • 危機の二十年 理想と現実
    本書は国際政治学、国際関係論における古典である。第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期である1919年から1939年の20年間における国際情勢の分析を通じて、当時の国際政治における19世紀的な自由主義に基づいた理想主義(ユートピアリズム)を批判し、現実主義(リアリズム)の必要性を訴えた。しかしその一...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    言わずとしれた国際政治学の古典的名著。
    副題が「1919-1939」なので歴史学的アプローチの様相が強いのかと思いきや、結構理論的な内容がメインだった。しかし、1939年当時の情勢に基づいたものではあるけど、内容は現代の国際政治について考える上でも全然古びておらず、流石古典と言われるだけのことはある...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    国際社会・国際政治に関して、理想と現実、ユートピアニズムとリアリズムの相克について、主として戦間期を対象に論じた書。二つのイズムにおける偽善性や欺瞞をこれでもかと暴いていく筆致は鋭く、また両者のダイナミックな相互関係を解き明かしていくところは、非常に興味深かった。
  • 危機の二十年 理想と現実
    【121冊目】これを読まずして◯◯なんか語るな、っていう本はたくさんありますが、主権を持つ者としてあまり本を読まずに選挙に行くことは仕方のないことですね。民主主義社会っていうのはそれでいいんだと思います。

    さて、政治、特に国際政治を語るにはこれを読まないと資格がないよっていう名著中の名著、クラシッ...続きを読む
  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和
    大学時代お世話になった教授の、『国際関係は人間関係』という言葉が折に触れて想起させられた。オバマ政権のシリア攻撃の意図がどんな正統性も持ちえないことを改めて確認できた。次巻以降も楽しみにしてます。
  • 危機の二十年 理想と現実
    冷徹なリアリズムの視点から、国際政治の本質を描いた良書。第一次世界大戦後、戦禍を目の当たりにした人類は、国際連盟などの仕組みをもって二度と戦争が起こらぬようにしたはずが、わずか二十年で規模が何倍も大きい第二次世界大戦が勃発したのは、何故なのか?この問いを中心に、国際政治を分析している