原彬久のレビュー一覧

  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和

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    国際政治をある程度勉強していてもわからなかったり難しいところがいくつかあった。最初は特に難しかったけれども、第二部から面白くなってきた感じがする。全部を完璧に理解しようとするのをやめたら逆に読みやすくなった。でも体力はかなり使う。
    目次を見る限りでは中巻、下巻のほうが興味のある分野なのでその二冊も読みたいと思う。

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    2025年07月03日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    本書は、第一次大戦後から第二次大戦前の20年間の戦間期を分析することで、国際関係の過去をたどり未来を見通すという試みである。
    初版は1939年であるが、この翻訳は、1945年に若干の修正を経て出版された第二版のものである。
    第一章〜第十四章という構成で、大枠の内容は、
    ・国際政治(Ⅰ〜Ⅵ)
    ・力と道義(Ⅶ〜Ⅸ)
    ・法と条約(Ⅹ〜ⅩⅢ)
    上記に加えて、第十四章の結論という構成だ。

    端的に言うと本書におけるカーの主張は、イギリスという大国の出身でありながら、
    「大国と小国」「満足国と不満足国」「支配国と被支配国」という対比の中で、20世紀以降においては、譲り合いや自己犠牲という道義に基づいて国際

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    2024年04月21日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    E.H.カーの「歴史とは何か」を読んで感銘を受け本書も手に取りました。全くの門外漢ですので、カー氏はてっきり歴史学者かと思っていたのですが、本書を読んで、カーが最初は外務省に勤務し、その後ジャーナリズムの分野に入りながら学者に転身し、歴史、国際政治分野の研究をしていたことを知りました。本書は1919年の第一次世界大戦終戦から第二次世界大戦開始の1939年までの二十年間における国際政治をその分析の対象にしています。国際政治学という分野自体、当時は黎明期にあったということで、「あるべき論」つまりカーの言葉を借りればユートピアニズムが横行していたわけです。これは国際政治学に限らず、経済学などそのほか

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    2023年04月30日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    岡義武の『国際政治史』と合わせて読むといい。"国際政治"といわれるものは第一次世界大戦後に始まるということがよくわかる。理想を追うことも現状を見ることも双方重要で、またどちらかだけではいけない。両方を視野に入れながらバランスを取った見方をすることの重要性。あいまいだったり日和っているように見えたりするかもしれないが、極端なことを言う人は信用してはいけない。こういう”古典”は、今のようなご時世ではなおさら有用だと思う。

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    2022年02月14日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    危機の二十年とはWWⅠ~WWⅡを指す。

    ユートピアニズム批判は非常に鋭い。

    歴史と理論の勉強に、IR研究では必須の文献。

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    2019年05月01日
  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和

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    政治の本質とは何かを詳細に説く。
    政治の「正しい」入門書といって過言でない名著。
    上中下巻構成と大部だが、非常に読みやすく、政治を考察する上での基本的な視座を獲得できる。

    最新版の発行(1986年)からも既に30年以上経つが、本書の分析と今日の国内・国際政治状況とを照らし見るのも面白い。

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    2018年08月09日
  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和

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    [力は世界に踊る]国際社会を動かす要素を「権力」や「力」、そして「国益」や「利益」として捉え、リアリズム的な理論を徹底して追求した国際政治学の古典的作品。幅広いテーマを扱いながら、国際社会とそれを構成する国家や人間の本質を鋭く抉っていきます。著者は、国務省顧問なども歴任し、現実と理論の間に橋をかけた生涯を過ごしたハンス・モーゲンソー。監訳は、日本外交史を専門とされる原彬久。原題は、『Politics among Nations: The Struggle for Power and Peace』。


    徹底して現実を見つめ、そこから目を離すことのなかった人物だからこそ執筆できた一冊だと思います

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    2017年08月28日
  • モーゲンソー 国際政治 (下) 権力と平和

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    国際政治は、利益と利益のぶつかり合いであるということを前提として書かれている。この軸を中心として、バランスオブパワーと平和の問題について書かれているのが本書。

    本書は、国際政治の世界に多くの論争を巻き起こした名著である。そのことと私自身の読解力のなさにより(読み方も悪いのだけど)、その凄さを消化することができていない。しかし、モーゲンソーが前提としている、人間社会(国際社会)は、利益と利益のぶつかり合いであることについては、大いに首肯できる。

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    2014年01月21日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    【その時代、理想が砕け、現実が立ち昇った】国際政治の古典的名著とも言える作品。第一次大戦終了から第二次大戦に至るまでの時代、いかにユートピア思想がいかに世界を席巻し、そして無惨にも現実に押し潰されたかを丁寧に捕えることにより、国際政治における理想と現実の問題に鋭すぎるメスを入れていきます。著者は、イギリスの外交官として活躍し、晩年は研究業に勤しんだE. H. カー。訳者は、自らも本書の魅力に抗うことができないと語る原彬久。


    明晰でありながらも複雑な思考が展開されていきます。ユートピアの欺瞞を軽々と見破ったかと思えば、その次にはリアリズムの限界をあられもなく指摘し、ユートピアの必要性を説く。

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    2013年05月01日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    大学時代の教科書的に読んだのが初読だったが、政治向きのニュースを見る度に手に取る本でもある。引用にあるように、簡潔に、しかも色褪せぬ評価が至る所に散りばめられており、国際政治の本という本旨を持ちつつも、洞察に満ちた哲人の書のようにも思える。

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    2012年06月21日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    国際政治の古典として必ず名前が挙がるのが本書。

    E.H.カーは、リアリスト(国際関係は各国のパワーによって決まる弱肉強食の世界である!論者)であるとよく紹介されている。実際に本書は、ユートピアニズム(手をつなげば世界は平和になるんだよ~♪論)が国際連盟において支配的であったために、第二次世界大戦の勃発を食い止められなかったと批判している。

    だが、彼はユートピアニズムを否定したわけではない。確かに合理的に考えれば、リアリズム的世界観の方が納得いく。しかし、人間には非合理的な面もある。ユートピアニズム的な理想論・倫理的な態度のおかげで行動を起こせるという事実もある。リアリストではこれらの面を把

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    2012年02月19日
  • 危機の二十年 理想と現実

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     実は今の時代にも十分通用するではと思う本。
     この本の内容にテロリズムと宗教を加えれば十分に通用します。

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    2009年10月04日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    本書は国際政治学、国際関係論における古典である。第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期である1919年から1939年の20年間における国際情勢の分析を通じて、当時の国際政治における19世紀的な自由主義に基づいた理想主義(ユートピアリズム)を批判し、現実主義(リアリズム)の必要性を訴えた。しかしその一方で、国際政治における理想主義の必要性を認め、現実主義と理想主義の調和の必要性も主張している。
    国際政治学、国際関係論におけるリアリズムとリベラリズムの関係を考えるうえでも本書の訴える内容は60年以上経た今日においても示唆に富むものである。
    難解で読みづらい点も多いが、国際政治学、国際関係論を学

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    2009年10月04日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    大学の授業にて購入。

    国際関係を理解するうえで必読の書といえる。
    カー自身は現実主義者だが、国際関係において現実主義と理想主義の綜合の重要性を説いた。

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    2025年04月22日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    言わずとしれた国際政治学の古典的名著。
    副題が「1919-1939」なので歴史学的アプローチの様相が強いのかと思いきや、結構理論的な内容がメインだった。しかし、1939年当時の情勢に基づいたものではあるけど、内容は現代の国際政治について考える上でも全然古びておらず、流石古典と言われるだけのことはあると感じた。
    「リアリズム」&「力」と「ユートピアニズム」&「道義」という二項対立を軸にして、その中庸を探るという論の進め方は、同じ著者の『歴史とは何か』(歴史における「事実」と「解釈」の二項対立に焦点を当てる)を彷彿とさせるものがあった。

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    2020年05月17日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    国際社会・国際政治に関して、理想と現実、ユートピアニズムとリアリズムの相克について、主として戦間期を対象に論じた書。二つのイズムにおける偽善性や欺瞞をこれでもかと暴いていく筆致は鋭く、また両者のダイナミックな相互関係を解き明かしていくところは、非常に興味深かった。

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    2020年05月09日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    ネタバレ

    【121冊目】これを読まずして◯◯なんか語るな、っていう本はたくさんありますが、主権を持つ者としてあまり本を読まずに選挙に行くことは仕方のないことですね。民主主義社会っていうのはそれでいいんだと思います。

    さて、政治、特に国際政治を語るにはこれを読まないと資格がないよっていう名著中の名著、クラシック音楽の「第九」、歌謡曲の「川の流れのように」に当たるのがこの本です。イギリス外交官だったE.H.Carrがケンブリッジ大学教授時に書いた国際政治の本。戦間期の二十年を、理想主義が支配した前半と、その敗北によって一気に現実主義の前に陥落した後半によって構成された期間だったと看破します。「危機の二十年

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    2014年12月14日
  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和

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    大学時代お世話になった教授の、『国際関係は人間関係』という言葉が折に触れて想起させられた。オバマ政権のシリア攻撃の意図がどんな正統性も持ちえないことを改めて確認できた。次巻以降も楽しみにしてます。

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    2013年10月04日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    冷徹なリアリズムの視点から、国際政治の本質を描いた良書。第一次世界大戦後、戦禍を目の当たりにした人類は、国際連盟などの仕組みをもって二度と戦争が起こらぬようにしたはずが、わずか二十年で規模が何倍も大きい第二次世界大戦が勃発したのは、何故なのか?この問いを中心に、国際政治を分析している

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    2013年09月26日
  • 吉田茂-尊皇の政治家

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    戦前は外交官として、戦後は総理大臣として国政を担った
    吉田茂を記した一冊。
    読みやすくまとまっており、当時の政治史を外観できる。
    2・26事件やハルノート、天皇による謝罪詔勅に対する
    吉田茂の関わり方はとても興味深い。

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    2012年09月17日