原彬久のレビュー一覧

  • 吉田茂-尊皇の政治家
    戦前は外交官として、戦後は総理大臣として国政を担った
    吉田茂を記した一冊。
    読みやすくまとまっており、当時の政治史を外観できる。
    2・26事件やハルノート、天皇による謝罪詔勅に対する
    吉田茂の関わり方はとても興味深い。
  • 吉田茂-尊皇の政治家
    [ 内容 ]
    戦後日本の出発期に首相・外相を務め、政治・外交の軌道を敷いた吉田茂。
    その講和・安保条約締結は、軽武装・経済第一主義の確立によって後の繁栄を招いたと評価されがちだが、果たしてそういえるか。
    著者は、彼の遺した書簡、公開された外交文書、関係者からの聞き取りを通して、天皇体制の徹底した擁護...続きを読む
  • 戦後史のなかの日本社会党 その理想主義とは何であったのか
    [ 内容 ]
    敗戦直後、日本社会党が誕生した。
    戦前の無産政党を糾合し、「社会主義国日本」を目指しての結党である。
    しかし以後半世紀、一度として単独政権を打ち樹てることなく、ついに崩落した。
    社会党の歴史は、日米安保体制=自由主義陣営を打破する闘いとそれに絡まる路線・派閥抗争の軌跡でもある。
    ソ連型...続きを読む
  • 吉田茂-尊皇の政治家
    戦後日本の占領体制は間接統治であった。吉田茂は、占領期及び講和独立期という戦後日本の方針を決定する時期に、首相を務めた人物である。したがって、戦後日本の行方は、少なからず吉田の手に委ねられていたということもできるだろう。

    本書は、吉田茂が戦前は外相の地位に就任することがなかった人物であることを示し...続きを読む
  • 吉田茂-尊皇の政治家
     普通「吉田茂」と聞くと、戦後占領期から独立を果たした時期の首相というイメージがまずは思い浮かぶ。

     本書は、後に「ワンマン宰相」と呼ばれるようになる吉田茂の行動・思考の源流を彼の前半生=戦前期に求めている。

     戦後の吉田茂については、すでにかなり多くの文献があるので、本書では詳述はされていない...続きを読む
  • 吉田茂-尊皇の政治家
    麻生さんを考えるときに関係づけて考えたかったから、手に取る。戦争をまたいで生きた政治家。戦時中、吉田茂は米英と和平交渉をしていたということを知る。政府の意向に反しても自分の考えを押し通す人。その姿勢は、冷静に時代を見つめるとともに、ときに悪い面も現れる。それは、ワンマンになってしまうところ。尊皇の考...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    今の国際政治の情勢は、戦間期の時代と通じる部分が多い。歴史から学ぶべきことって本当に多いなと感じさせられた。
  • 戦後史のなかの日本社会党 その理想主義とは何であったのか
    社会主義、共産主義が結局のところ青臭い理想主義でしかなく、その理想主義から他者にも無謬性を求め、結局のところ誤謬の容赦ない追求から運動がまとまらずバラバラになっていった過程がよく分かる一冊。
    他者との違い、他者の間違いを認めることからでないと社会は始まらないんよ。
  • 危機の二十年 理想と現実
    WW1後の戦間期に書かれた古典。その時代大勢を占めていたユートピアニズムを批判し、リアリズムの重要性と国際政治の二代潮流の両者を明確な理論へと押し上げた。と思う。
    古典だから現代にそのまま応用する、というわけには行かないけど、一読に値するはず。
    貴族や知識人によって行われていた伝統的な外交。大衆迎合...続きを読む
  • 吉田茂-尊皇の政治家
    個人的なパーソナリティとして吉田茂は好きになれないのですが、日本のためにしたことは大変素晴らしいと思っています。ただ、その「日本」の中に日本人はほぼ入っておらず「日本=天皇」という枠組みは譲れなかったのかなとは思っています。
  • 危機の二十年 理想と現実
    タイトルからして、政治史と思われますが、国際政治学の本です。

    大雑把に言うと国際政治学は、戦争を防ぐことが目的です。


    1.この本を一言で表すと?
    ・国際政治におけるユートピアニズムとリアリズムの対立

    2.よかった点を3〜5つ
    ・結局、国際的調停へ前進する望みが最もあるのは、経済再建への道をと...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
    名著、とのことだが全然歯が立たなかった。が、理解できなくても難しい本に挑んでいるときは意外にも至福であったりする。
  • 危機の二十年 理想と現実
    井上版岩波文庫から16年。訳者も訳文も改められた。より口語的な文章になっている。E・H・カーのヒトとなりについての解説が詳しい。外交官としてキャリアを出発させ、後にロシア文学に傾倒しドストエフスキーに関する著作を発表し、ロシア革命、カール・マルクスを著すことになって、大学教員として迎えられた。しかし...続きを読む
  • 危機の二十年 理想と現実
     リアリズムの生みの親と言われるカーの著名な本。この本を読み直して感じるのは、カーは後世で理解されるようなリアリストではなく、非大国的視点から大国中心の国際政治を捉え直したリベラリストと言えるのではないか?という点である。大国的視点で国際政治を見続ければ、暴力的手段を用いながらもそれを価値や規範、そ...続きを読む
  • 吉田茂-尊皇の政治家
    戦後日本の礎を築いた吉田茂の評伝。吉田茂がいかに日本の戦争遂行に批判し、戦後、国体護持と独立を勝ち取るために奮闘したかがわかる。新書版のため、簡潔にまとめられているが、簡潔すぎるかも。吉田茂について全く予備知識がなければ読んでもつらい。