原彬久のレビュー一覧

  • 吉田茂-尊皇の政治家

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    戦後日本の出発期に首相・外相を務め、政治・外交の軌道を敷いた吉田茂。
    その講和・安保条約締結は、軽武装・経済第一主義の確立によって後の繁栄を招いたと評価されがちだが、果たしてそういえるか。
    著者は、彼の遺した書簡、公開された外交文書、関係者からの聞き取りを通して、天皇体制の徹底した擁護者という新しい吉田像を描き出す。

    [ 目次 ]
    第一章 人生草創――維新の激流に生る
    第二章 帝国主義を抱いて――外交官の軌跡
    第三章 体制の淵から――反軍部の旗幟
    第四章 敗戦国の宰相――瓦礫の底から
    第五章 歴史の岐に立つ――保守主義の貫徹
    第六章 講和・安保両条約締結に向けて――外交文書は語

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    2011年04月24日
  • 吉田茂-尊皇の政治家

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    戦後日本の占領体制は間接統治であった。吉田茂は、占領期及び講和独立期という戦後日本の方針を決定する時期に、首相を務めた人物である。したがって、戦後日本の行方は、少なからず吉田の手に委ねられていたということもできるだろう。

    本書は、吉田茂が戦前は外相の地位に就任することがなかった人物であることを示しながら、吉田が戦後政治の表舞台に出てどのような働きをしたのかについて描いている。いわば、吉田という人間の根底を、彼が日の目を浴びることの無かった時代に求めているとみなすこともできよう。そして、戦後日本の方針を決めた吉田の生涯を戦前期から抱いていた思想と絡めて描くことにより、吉田の思想が日本の占領期に

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    2011年08月18日
  • 吉田茂-尊皇の政治家

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     普通「吉田茂」と聞くと、戦後占領期から独立を果たした時期の首相というイメージがまずは思い浮かぶ。

     本書は、後に「ワンマン宰相」と呼ばれるようになる吉田茂の行動・思考の源流を彼の前半生=戦前期に求めている。

     戦後の吉田茂については、すでにかなり多くの文献があるので、本書では詳述はされていない。政治家であって政治家でない吉田茂という奇妙な人物の一生を簡単に知るにはいい本かもしれない。

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    2010年02月07日
  • 吉田茂-尊皇の政治家

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    麻生さんを考えるときに関係づけて考えたかったから、手に取る。戦争をまたいで生きた政治家。戦時中、吉田茂は米英と和平交渉をしていたということを知る。政府の意向に反しても自分の考えを押し通す人。その姿勢は、冷静に時代を見つめるとともに、ときに悪い面も現れる。それは、ワンマンになってしまうところ。尊皇の考えは、変えれず、政治でもワンマンを発揮してしまうところも出てくる。

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    2009年10月07日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    今の国際政治の情勢は、戦間期の時代と通じる部分が多い。歴史から学ぶべきことって本当に多いなと感じさせられた。

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    2009年10月04日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    WW1後の戦間期に書かれた古典。その時代大勢を占めていたユートピアニズムを批判し、リアリズムの重要性と国際政治の二代潮流の両者を明確な理論へと押し上げた。と思う。
    古典だから現代にそのまま応用する、というわけには行かないけど、一読に値するはず。
    貴族や知識人によって行われていた伝統的な外交。大衆迎合的な現代社会の外交・政治に比べてなんと気高いものか、と、気品溢れる文章からそう感じた。

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    2009年10月04日
  • 吉田茂-尊皇の政治家

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    個人的なパーソナリティとして吉田茂は好きになれないのですが、日本のためにしたことは大変素晴らしいと思っています。ただ、その「日本」の中に日本人はほぼ入っておらず「日本=天皇」という枠組みは譲れなかったのかなとは思っています。

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    2021年12月21日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    タイトルからして、政治史と思われますが、国際政治学の本です。

    大雑把に言うと国際政治学は、戦争を防ぐことが目的です。


    1.この本を一言で表すと?
    ・国際政治におけるユートピアニズムとリアリズムの対立

    2.よかった点を3〜5つ
    ・結局、国際的調停へ前進する望みが最もあるのは、経済再建への道をとることであると思われる。(p448)
     →当たり前のように聞こえるが、戦間期では、すごいと思われていたのだろう。


    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・国家の話ばかりで、個人(国民)の話が出てきていないのでは?

    ・「戦間期」の出来事に関する知識が、議論の前提となっていること→世界史に疎い私

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    2018年12月30日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    名著、とのことだが全然歯が立たなかった。が、理解できなくても難しい本に挑んでいるときは意外にも至福であったりする。

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    2017年11月08日
  • 危機の二十年 理想と現実

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    井上版岩波文庫から16年。訳者も訳文も改められた。より口語的な文章になっている。E・H・カーのヒトとなりについての解説が詳しい。外交官としてキャリアを出発させ、後にロシア文学に傾倒しドストエフスキーに関する著作を発表し、ロシア革命、カール・マルクスを著すことになって、大学教員として迎えられた。しかし結局、彼の理論も思想も、ヨーロッパ中心主義からの歴史観であって、そらには自ずと限界があり、第三世界の緒制度を理論に取り込んでいるわけではなという訳者の指摘は尤もだと思う。

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    2013年10月15日
  • 危機の二十年 理想と現実

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     リアリズムの生みの親と言われるカーの著名な本。この本を読み直して感じるのは、カーは後世で理解されるようなリアリストではなく、非大国的視点から大国中心の国際政治を捉え直したリベラリストと言えるのではないか?という点である。大国的視点で国際政治を見続ければ、暴力的手段を用いながらもそれを価値や規範、そして共通普遍の原理のように本気で信じる西側(アメリカ、フランス、イギリス)のリベラル知識人と何ら変わらなくなる。しかし、大国的奢りから目をそらすと彼らの価値や規範が所詮、実力によって担保されているにすぎないという事実に気がつく。しかし、脱大国的な視点は、その暴力や権力を価値や規範で誤摩化している大国

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    2009年10月07日
  • 吉田茂-尊皇の政治家

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    戦後日本の礎を築いた吉田茂の評伝。吉田茂がいかに日本の戦争遂行に批判し、戦後、国体護持と独立を勝ち取るために奮闘したかがわかる。新書版のため、簡潔にまとめられているが、簡潔すぎるかも。吉田茂について全く予備知識がなければ読んでもつらい。

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    2009年10月04日