早島大祐のレビュー一覧

  • 明智光秀 牢人医師はなぜ謀反人となったか
    ○目次
    まえがき
    序章:新時代の子供たち
    第一部 明智光秀の原点
    第1章:足利義昭の足軽衆となる
    第2章:称念寺門前の牢人医師
    第3章:行政官として頭角を現す
    第4章:延暦寺焼き討ちと坂本城
    第二部 文官から武官へ
    第5章:織田家中における活躍
    第6章:信長の推挙で惟任日向守へ
    第7章:丹波攻め...続きを読む
  • 明智光秀 牢人医師はなぜ謀反人となったか
    麒麟がくるがものすごく面白いので、関連本を読んでいるうちにたどり着いた本の一冊。

    ミーハーなもので、中高の知識もすっかり抜け落ちた上に、これまで戦国時代にさして興味もなかったうえに、最近読んだ戦国ものがへうげものだったおかげで、大した印象もなかった光秀のことが、帯にある通り、まさに「勝者が作る」歴...続きを読む
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    【徳政令が出たという情報は、共同体の利益以上に個人の利益追求衝動を刺激した。私利私欲が仲間同士の信頼を侵害しはじめ、その結果、利息附替銭という便利な経済慣行を混乱させるに至ったのだ】(文中より引用)

    中世日本における劇薬とも言える「徳政令」。大規模な徳政一揆の内幕を探りながら、徳政令とその需要の変...続きを読む
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    当初は求められていた徳政令が、やがて忌避されるようになっていく――つまり借金は返さなければならないというのが常識になるまでの過程が描かれている。徳政令は次第にその性格が変容し、世の中の諸関係において「信頼関係」を崩壊させて、社会を混乱に陥れていく――中世から近世への移り変わりを徳政令をテーマに描いた...続きを読む
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    これ面白いです。
    徳政令を中心に、日本の社会の変遷;特に政治と経済について説き明かす。金融システムや契約制度の萌芽も中世(室町期)だったことがよく分かる。
    人間が自然をコントロールできないからこそ、徳政令だったわけだけど、社会が進展し経済システムや金融制度を確立していこうって時にシステムを壊すような...続きを読む
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    中世全般の金融、財政、社会構造、政治を丁寧に紐解いていて、しかも具体的な事例が挙げられているので抽象論で迷子にならず、読み応えがあるのに最後までわかりやすかった。
  • 室町幕府論
    室町幕府を経済の側面から考えたことがなかった
    比叡山・・・南都・・・朝廷
    さまざまな特権を求めて権力にすり寄る
    実態の中から朝廷・幕府の機能具合もわかる
    (難しいです)
  • 室町幕府論
    足利政権が「権力」と「権威」を掌握してゆく過程を義満時代を中心にまとめた本になります。
    「今から600年ほど前の京都に100メートルを超える塔が建っていた」というのは非常に興味深い内容でした。
  • 室町幕府論
     「今から600年ほど前の京都に100メートルを超える塔が建っていた」、この掴みで興味関心が一気に呼び起こされる。それは七重の塔で、高さ約110メートルにおよび、中世で最大の高さを有した塔であった、と始まる。
     この巨大な塔を建てた人物は、足利義満。最初に落成したのは応永6年(1399)、場所は賀茂...続きを読む
  • 足軽の誕生
    応仁の乱にて活躍した「足軽」について、その構成要素や歴史的背景を追う事で、室町時代における京都近郊社会の一側面を明らかにする内容。守護による幕府運営が機能不全に陥る過程や、牢人に注目した人的ネットワークの実態などが分かりやすい。
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    室町から戦国時代にかけて社会に大きな影響を与えた債務破棄としての徳政を扱い、政治と経済の変化によってその性格が変貌していく過程を追う内容。徳政を通して見る社会思想の転換に関する考察が興味深い。
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    室町幕府がいかにして崩壊に向ったか、徳政令の背景となる社会情勢を通じて理解が深まった。現代の常識では理解しづらい徳政令だが、多元的な法が存在した中世だからこそ生まれた。徳政令が忌避されるようになるとともに法が一元化したのが近世であり、現代につながる変革の時期が戦国時代だった。
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    鎌倉末期から戦国末期にかけて出された徳政令だが、その中身と受容状況は時代を反映して変わっていった。当初は純粋に徳のあるものと思われていたが、最終的には忌み嫌われるものになった。
    元々は農家の季節性、種籾と収穫の時期的量的な差異を埋める地方的なものであったが、室町の京都の中国の銅銭を用いた貨幣経済の発...続きを読む
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    徳政令という中世の「野蛮な」債務者救済方法が、金融事情や政治情勢に変遷に伴って、意義も救済者も変化していき、次第に地域の絆も蝕んでいき、忌み嫌われる対象になっていく過程を描いています。
    室町時代から戦国時代の、経済、財政に関して、全く知らなかったので、興味深く読ませていただきました。
  • 徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか
    徳政令が、鎌倉時代の武士の借金を免除するものから
    農民が一揆で借金をなくすために要求するものになり
    最終的に兵士の略奪を追認するものになる過程を追った本
  • 足軽の誕生
    牢人・足軽の存在を手掛かりに史料を読み解き、応仁の乱前夜の京都とその近郊の荘園の状況を生き生きと描く。貴族・寺社のものだった京都や荘園に武士たちが様々なネットワークを張り巡らし、その中で無数の連携や敵対を繰り広げていく。没落した守護などの家臣は牢人となって、京都南部に滞留し、戦乱や一揆が起こればそれ...続きを読む
  • 室町幕府論
    室町幕府草創期の義詮から、権力を掌握した義満、そして幕府体制が完成した義持の3代にわたる最新の室町幕府論を提起。
    実は内容の要約として本書の最後の「おわりに」に数ページ亘って記されているので、お急ぎの方はそちらをどうぞ。著者さん僭越でごめんなさい。(笑)
    手っ取り早く言えば、世の中、お金が全てさとい...続きを読む
  • 室町幕府論
    室町幕府論今はやりなんですか?将軍の京都行政を中心に幕府の主体性を論じる。しかし、これを見ていると、「如何に地方の富を京都に効率よく分配するか」という問題が時の行政府の課題だったかがわかる。というか、この時代なんてほぼ完全地方分権だから、訴訟整理と都市機能維持くらいしか中央政府のすることはないのかも...続きを読む
  • 足軽の誕生
    室町時代後期(特に応仁の乱以降)に出現した足軽がどこからやって来たのかについて、当時の一次資料(日記とか)を参考にしながら探究してゆくという内容。

    社会の変化は様々な要因が複合的に絡み合った結果起こるのが世の常であり、その意味でこの本の著者も幕府側の事情のみならず地方の荘園システムの変容、国人レベ...続きを読む
  • 室町幕府論
    『麒麟がくる』からの遠い連想で久方ぶりに再読。なかなか面白かった(要するに覚えてなかったということですが)。
    延暦寺の立ち位置とか義満の成り上がり振りとか色々ポイントはありますが、やっぱり朝廷(もっと言えば天皇)の存在は、日本土着の信仰に繋がるんですかなぁと改めて思った次第。
    義満も信長も誰もが「滅...続きを読む