徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか

徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか

913円 (税込)

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今も昔もお金の貸し借りには、かたちは違うとはいえ一定の秩序が存在していた。だがその一方で600年前の中世社会と現代社会の金融とでは、決定的な違いが存在していたこともまた確かである。その最たるものが徳政である。貸していたお金がなくなるなど、今では詐欺行為と同等かそれ以上の悪辣きわまりない行為だと考える人がほとんどだろう。だが中世社会ではそれが徳政という美々しい名のもとで行われていた。(はじめにより)

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徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    【徳政令が出たという情報は、共同体の利益以上に個人の利益追求衝動を刺激した。私利私欲が仲間同士の信頼を侵害しはじめ、その結果、利息附替銭という便利な経済慣行を混乱させるに至ったのだ】(文中より引用)

    中世日本における劇薬とも言える「徳政令」。大規模な徳政一揆の内幕を探りながら、徳政令とその需要の変

    0
    2020年03月18日

    Posted by ブクログ

    当初は求められていた徳政令が、やがて忌避されるようになっていく――つまり借金は返さなければならないというのが常識になるまでの過程が描かれている。徳政令は次第にその性格が変容し、世の中の諸関係において「信頼関係」を崩壊させて、社会を混乱に陥れていく――中世から近世への移り変わりを徳政令をテーマに描いた

    0
    2020年01月18日

    Posted by ブクログ

    これ面白いです。
    徳政令を中心に、日本の社会の変遷;特に政治と経済について説き明かす。金融システムや契約制度の萌芽も中世(室町期)だったことがよく分かる。
    人間が自然をコントロールできないからこそ、徳政令だったわけだけど、社会が進展し経済システムや金融制度を確立していこうって時にシステムを壊すような

    0
    2018年10月20日

    Posted by ブクログ

    中世全般の金融、財政、社会構造、政治を丁寧に紐解いていて、しかも具体的な事例が挙げられているので抽象論で迷子にならず、読み応えがあるのに最後までわかりやすかった。

    0
    2018年09月03日

    Posted by ブクログ

    室町から戦国時代にかけて社会に大きな影響を与えた債務破棄としての徳政を扱い、政治と経済の変化によってその性格が変貌していく過程を追う内容。徳政を通して見る社会思想の転換に関する考察が興味深い。

    0
    2022年04月30日

    Posted by ブクログ

    室町幕府がいかにして崩壊に向ったか、徳政令の背景となる社会情勢を通じて理解が深まった。現代の常識では理解しづらい徳政令だが、多元的な法が存在した中世だからこそ生まれた。徳政令が忌避されるようになるとともに法が一元化したのが近世であり、現代につながる変革の時期が戦国時代だった。

    0
    2020年09月27日

    Posted by ブクログ

    鎌倉末期から戦国末期にかけて出された徳政令だが、その中身と受容状況は時代を反映して変わっていった。当初は純粋に徳のあるものと思われていたが、最終的には忌み嫌われるものになった。
    元々は農家の季節性、種籾と収穫の時期的量的な差異を埋める地方的なものであったが、室町の京都の中国の銅銭を用いた貨幣経済の発

    0
    2019年02月08日

    Posted by ブクログ

    徳政令という中世の「野蛮な」債務者救済方法が、金融事情や政治情勢に変遷に伴って、意義も救済者も変化していき、次第に地域の絆も蝕んでいき、忌み嫌われる対象になっていく過程を描いています。
    室町時代から戦国時代の、経済、財政に関して、全く知らなかったので、興味深く読ませていただきました。

    0
    2019年01月06日

    Posted by ブクログ

    徳政令が、鎌倉時代の武士の借金を免除するものから
    農民が一揆で借金をなくすために要求するものになり
    最終的に兵士の略奪を追認するものになる過程を追った本

    0
    2018年11月01日

    Posted by ブクログ

    室町時代の徳政令を通じて、中世世界の変化と混乱を描き出している。歴史だけでなく法哲学を含む内容はなかなかのボリュームだった。

    0
    2020年08月14日

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