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Posted by ブクログ
【徳政令が出たという情報は、共同体の利益以上に個人の利益追求衝動を刺激した。私利私欲が仲間同士の信頼を侵害しはじめ、その結果、利息附替銭という便利な経済慣行を混乱させるに至ったのだ】(文中より引用)
中世日本における劇薬とも言える「徳政令」。大規模な徳政一揆の内幕を探りながら、徳政令とその需要の変容に迫った作品です。著者は、京都女子大学の教授を務める早島大祐。
徳政令という劇薬の副作用が社会の信用や信頼を食い破っていく様が描かれてお見事。特定の政策というのはその前後の流れに置いてみないと効果の評価が難しいんだなと感じました。
思った以上にスリリングな結末でした☆5つ
Posted by ブクログ
鎌倉末期から戦国末期にかけて出された徳政令だが、その中身と受容状況は時代を反映して変わっていった。当初は純粋に徳のあるものと思われていたが、最終的には忌み嫌われるものになった。
元々は農家の季節性、種籾と収穫の時期的量的な差異を埋める地方的なものであったが、室町の京都の中国の銅銭を用いた貨幣経済の発達と、放埓な政権を支えるために金融的要素が増してくる。延暦寺の息のかかった土倉が京では過半を閉めるようになる。また足利義持以降は政権基盤が弱くなり、各地で騒乱が勃発するようになると軍事的基盤を支えるため、牢人たちの略奪を追認する形の徳政令が生まれる。そうなると人々の信任は崩れ、経済の循環が阻害されるようになり、徳政令が忌み嫌われるようになり、また軍事的動員を自らの権力、政策によって行うことが富国強兵につながった信長、秀吉の頃には見られなくなっていく。
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