有田直央のレビュー一覧
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天空の神様が地上の少女に対して特別な感情を抱き、罪を犯す。
あらすじとしてはありきたりであるけれども、繊細に描かれた心情とふわりとともる優しさに泣いた。
外見ばかり大人で子供のような神様が、場を明るくしてくれるのになごみ、少女に対して自覚した想いに”男”を見せていくのにドキドキした。
優しい神様は、最後に自分の気持ちを押し殺して天に帰る。
彼が少女に残していってくれた、あたたかなものがとても愛しい。
罪の代償があったとしても、少女が彼のために天を見上げピアノを弾く。そして天に花が咲く。切ないけれど、ふわりと優しい読後感。
蝶々結びの使い方が秀逸で、また涙を誘う。 -
Posted by ブクログ
日常の中で、いつの間にか行き違っていた主人公とダンナさま。
お互いの中から優しさが欠けていく中で、ダンナさまは失踪。理由も分からない主人公は、ダンナさまを探しまわるけれど、見つからない。
そんなとき、新婚旅行で訪れたハートの形をした島に、ダンナさまが行きたい!と言っていたことを思いだし、島へ・・・
すぐに帰るつもりで訪れたその島で、主人公は道に迷い、「つるかめ助産院」という産院に巡りつく。そこで出会った「つるかめ先生」に告げられる自身の変化。迷い、悩みながら、主人公はその島で、いろいろな人と出会いながら、忘れかけていた優しさを思い出し、たくましく成長していく。
すごく温かく、切なく、ほのぼの -
Posted by ブクログ
クリスマスシーズンということで。
サンタクロース、それは子供に夢を届ける仕事。
「日本サンタクロース株式会社」の社員たちはクリスマスに向けて。
看護師から転職した新米サンタの真生子、50年の勤務ののち引退することになった戸島さん、どこか達観した穏やかさの新人・浦川くん。それぞれのエピソードをとおして、サンタになった動機や思いが描かれる。
どれもこれも、あたたかい気持ちになれる話でした。
同時収録の「きみのすべてがすきなんだ」もすごく好きだなあ。
「フロムエウロパ」は何度か読み返す機会を持ちたい作品。
今後が楽しみな漫画家さんだー。新刊出てて気になってたので買って来よう。