あらゆる薬剤に耐性のある新型ウィルスとの戦いがテーマのスリラー。
以前に、ワシントンDCに致死率90%のエボラ・ウィルスが直接持ち込まれてしまった事件を描くドキュメンタリーがありましたが、そういう事故は終わったわけではないんですね。イラク戦争時に負傷兵が病院で感染症にかかったりといった実際の事件を
...続きを読む題材にしています。
恐ろしいのはウィルスだけではありません。抗生物質を抽出するために必要な好極限性微生物を採取するために行く先は、メキシコ南部の紛争地帯にある洞窟!現代の洞窟探検は水没部分をダイビングで超え、垂直の壁をクライミングで超え、二酸化炭素や硫化水素で充満したポケットを超え、水流を超え・・とさまざまなスキルを組み合わて突破していくのです。ライトが消えれば真の暗闇。深くなればなるほど精神にも影響がでてくるなど、リアルな描写は登山家であり洞窟探検家でありダイバーでもある著者にして初めて描かれる迫力!
出張先で読むものがなくなり偶然手に取ったのですが、ご都合主義的シーンもなんのその夢中になって読んでしまいました。
ダイビングもできて、その感覚をうまく描写できる人ってなかなかいないんだよなぁ。本書がフィクションとしてはデビューだそうなので今後が楽しみ。