丹下和彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ギリシャ悲劇の一つ、エウリピデスのメデイア。
金羊毛を目指すイアソンに一目惚れして弟ぶっ殺し、イアソンの敵を謀殺し、ついに正妻ゲットだぜと思ったら、(この後が本編)旦那を若くてピチピチした亡命先のコリントス王女に猛禽的略奪され、ヤロウ全員ぶっ殺してやる、というメデイアの復讐譚。
メデイアはイアソンもコリントス王も王女も憎さのあまり、自分の生んだ子まで殺してしまうが、その過程におけるメデイアの心情の揺れ動き、すなわち怒りと冷静さと理性の間を入ったり来たりがこの話のポイント。
怒りで復讐を思いつき、冷静さで殺人計画をじっくり練り上げるが、理性によって躊躇う、しかし怒りでやはり計画を決行し、子殺 -
Posted by ブクログ
ギリシア悲劇初心者でーす(^^)/
きちんと読んだことあるのは唯一「オイディプス王」である
しかしながら強烈なインパクトを私に与えたこの作品
一体なぜここまで理不尽な運命を背負わせるのか?
不条理作品かつ救いようがなく何を見いだせばいいのかよくわからなく切ない思いだけが残った
そののち、様々な悲劇物語を読んだものの、何を読んでも「オイディプス王」よりマシじゃんか
と思えてしまうことに…
一体全体なぜこのような作品が紀元前に生まれたのか気になる
この悲劇の世界をちょっと覗いてみたくなり本書を読んでみることに
ちなみに後世に残されたギリシア悲劇は33篇のみで、紀元前五世紀に創作・上演さ -
Posted by ブクログ
その多くが散逸しわずか33編しか現在に残っていないギリシア悲劇。その中から「オレステイア」三部作や「オイディプス王」、「メディア」など特に有名な7作を丹念に読み解いていき、そこに古代ギリシアの精神を明らかにする。
この読み解きがとても面白い。例えば「アンティゴネ」では、話者不明のたった一つの台詞から主人公アンティゴネの死への願望と逆説的な生の想起を見出し、そしてそれらを集約した人間的英雄像にまで話を飛翔させる。そこまでの解釈が正しいのかどうかはわからないが、とにかく力の入った読み解きようで、なるほどこんな読み方があるのかと驚きがある。それはとりもなおさず、現代に残るギリシア悲劇がいかに深く、そ