倉嶋厚のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分がうつ病になって、どのような本があるかを調べている中で気になった本。
奥さんが亡くなったことで堰を切ったようにいろいろなことが倉島さんの心身に起こり、とてももがき苦しんだことが書かれている。
数十年にわたって内面で苦しんでいたものが、一気に外に出てきたようだった。
「倉島さんに比べたら、自分はまだ軽い方かもしれない」と思ったのが正直な感想だ。
倉島さんはNHKで見たことがある方で、テレビで気象解説をすることを専門にしていると思っていたが、もともとは気象に関する研究が主業務だったようだ。
そのせいか、文章の端々に理系的な考え方が見えてくる。
自分も数学を専門に勉強していた典型的な理系 -
Posted by ブクログ
大切な人を亡くしました。
本の好きな人でした。彼女の存在は私にはとても大きく、勉強嫌いで、ついでに活字嫌いだった私に、本という素晴らしい世界があるのだと教えてくれたのも彼女です。
彼女が去って、暫くは途方にくれていました。このままいつまでも途方にくれているわけにもいかないと、痛む心を抑えながら遺品を整理していたらこの本が出てきました。
何箇所か、本の端が折られてありました。本を大切に扱う彼女からはとても考えられない行動だと驚きました。
折り目のついてあるページをひらくとラインないくつか引かれていました。私へのメッセージでした。
もうすぐこの世を去ると覚悟していたのでしょうか。彼女らしいやりかた -
Posted by ブクログ
ネタバレとても厳しい人生を生きた筆者の自伝的な一冊。妻が重い病気になりつつも、自分も重い病気になるという究極のアンラッキーだが、自分にもそれは起こり得る未来として読み進めた。
純愛です!感動してください!というごり押しではなく、人間の弱く汚らしい一面もありありと描かれているので、本人の病気に加えて周囲の苦労もよく理解できた。ただ、まあこれはわりとお年を召した方の立場で描かれているので、今の人の価値観とは少しずれるところはあるかもしれない。そういうことを前提に読む必要はある。
うつは治るということ、薬物での治療もちゃんと効果はあるということ、うつ病の人にとってはこういうちょっとした情報でも希望に見える