リチャード・フロリダのレビュー一覧
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クリエイティビティと都市の魅力機能を分析している。都市には創造的人々をひきつける力があり、3T(技術、才能、寛容性)が重要であり、都市の存在そのものがクリエイティビティの源泉になっている。
この面いおいては、都市は繁栄し、多くの多様な人々を集めるべきなのだ。
すこし難しめの内容だけれども、なぜか飽きずに読み進められる本。
20世紀のアメリカ沿岸都市にはその3つがそろっていて世界経済けん引の先頭に立ってきた。 産業構造が変わりつつあり、9.11のテロをきっかけにアメリカはその寛容性を低下させていて、他国のクリエイティブな都市が台頭してきているのだという。
東京もこの中ではまだその優位性を保っているともいえているが、寛容性/多様性の面ではかなり劣っているらしい。
確かにそうと思う。 日本人の国民感情が手伝っている。寛容性/多様性は、島国日本にとって国民感情的に閉鎖的思考があると思うので、ここを改善すればまだ伸びる部分がおおいと思う。 しかしどうだろうか、移民がふえて東京やその周辺に上から下までの生活レベルをもつ移民の人々が増えてきたら、、自分は違和感を感じるだろう。
すでにそこの間隔が日本の頭打ち思考なんだろうなと思う。
時間がかかったけれど、飽きずに読めた。 経済的な発展をもたらすための都市構築論と感じた。 もはや1980年代の工業的な都市構築ではなく、クリエイティビティを集めて都市を構築してゆく時代。 1980代的な余韻や考え方の延長ではこれからの発展は望めない。 そのためには開放性をたかめ、多様性のある人々を呼び込んでゆく必要がある。 排除ではなく受け入れること。 日本の再生について政府の考え方が昭和の夢を引きずらないことを切に願う。 すでに1980からは30年以上が経過している。
今、自分の故郷の街は駅前が閑散としてまるで廃墟のようだ。 1970, 80はたしかに栄えていた。 そこに戻そうと思ってもそれはノスタルジーに浸るだけで発展性はない。 過去を捨て去るような後ろめたさは感じるけれども、 過去を追い求めても自分に、地域に、都市に、経済に、国に未来はやってこないと思う。 -
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世界はフラット化しているのではなく、スパイキー化している。
限られた“場所”に人も、情報も、創造性も集まる。
富を生み出している地域、クリエイティブな地域は、世界の中でも限られており、グローバル化が進むにつれて、その集積はますます進んでいるという。
どこに住んでもインターネットにつながれるから情報が入手できるというのも大事だが、
それ以上に、どこに住むかによって創造性は大きな影響を受けるという視点も大事だ。
どんな人がいる場所か、どんな自然があるところか、どんなコミュニティがあるか、
どこに住むかは、考えている以上に重要なのかもしれない。
“現代のクリエイティブ経済における経済成長の真の原動力とは、才能と生産性に満ちた人々の蓄積と集中化である。彼らが特定の地域に寄り集まって住むことで、新しいアイデアが生まれ、その地域の生産性は増加する。” -
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クリエイティブクラスはアメリカから軸を写してきている。アイルランド、ベルギー、オーストラリア、オランダ、では全労働者の三分の一。ニュージーランド、エストニア、イギリス、カナダ、フィンランド。アイスランドでも四分の一。
クリエイティブクラスは科学、エンジニア、建築、デザイン、芸術、音楽、エンターテインメント、法律、ビジネス、金融、ヘルスケアとその周辺領域にいる。クリエイティブ指数ではアメリカはスウェーデン、日本、フィンランドに次いで4位。k
しかしクリエイティブな人たちが選んでいるのは国ではなく、都市。ケンブリッジか、シリコンバレーか、ストックホルムかバンクーバーか、シドニーかコペンハーゲンかを競っている。
グローバルな才能の磁石:ロンドン、アムステルダム、トロント、バンクーバー、シドニー、メルボルン、世界最高の技術、起業、文化におけるクリエイティブな才能の獲得を積極的に競っている。
グローバル・オースティン:バンガロール、テルアビブ、シンガポール、台北、北京、上海。外資の技術系企業を呼び寄せ、高等教育システムを強化し、研究開発に積極的に投資して、自身の文化、ライフスタイルの幅を広げている。
すでにアメリカから優秀人材が流出し始めている。留学生を締め出し、ビザの取得を難しくしようとしている。すでに国際純粋物理学会はアメリカで学会開催することをやめた。アメリカは文化、科学、経済のクリエイティブな外国人の締め出しを始めた。そのような人々はヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに移ろうとしている。安全面の懸念と科学技術の政治化という動向に注目すれば容易に理解できる。
クリエイティブ経済を自家醸成出来ていない理由はアメリカの二極化。経済格差。
人々は給与で転職するのではなく、「クリエイティビティ」を生かせる仕事をしたがる。給与がいいとか仕事が楽だからではなく、自分のアイデアが貢献できる場所を見つけたのだ。仕事をするのが楽しくなるような仕事。
ハーバート・サイモン、流れ作業の工場とデスクワークは自動化され、その一方でマネジメント、イノベーション、デザインといった分野で新しい仕事が作り出されるだろう。
クリエイティブワークー専門的思考、複雑なコミュニケーション。
クリエイティブ資本:新しいアイデア、新しい技術、新しいビジネスモデル、新しい文化様式。学歴ではなく技能の測定。
学校教育年数よりも識字率の方がよりクリエイティビティを正確に観測できる。つまり自立的なクリエイティビティを思考力が重要。(より本質的な価値基準、学校は何のためにあるのか、学ぶため、思考力を鍛えるため。自習の強みというものか。)
教育システムの確立が国の繁栄に重要なのはもちろんのこと、子供たちや若者を机に向かわせた日数では将来その子がどのようになるかがわからないように、その集合体である社会の将来もわからない。本来は教室の内外での学習において、クリエイティブな問題解決の基礎と応用の両方を教えることが必要なのである。
「人的資本の蓄積は先進国の長期的な経済繁栄に関わっている」
すべての人がクリエイティブ。それは受け継いだり、社会カテゴリーに影響されるものではない。
クリエイティブ経済は精神的につまらない仕事からの解放。経済発展のT。テクノロジー、タレント、トレランス。クリエイティブな時代にはとくにトレランス。集積の進んだ都市において生産性が高い。都市が人的資本を増加させる機能「ジェインジェイコブズ的な外部効果」(都市の役割を人的資本の集積と増大への貢献にあると考え、人的資本が多ければ多いほど都市の成長は速まり、その都市化がイノベーションと生産性を増加するカギになる、
寛容性とは単に異質な人を受け入れることではない。開放的で包容力があり、最もクリエイティブな人が集まってくる場所は差異を受け入れて生産的に吸収していく。標準から外れたアイデアや情報に寛容であることは経済的に不可欠。移民、芸術家、ゲイ、人種間融和への寛容性と経済成長の相関。
移民は概してアメリカ生まれの市民を補完するスキルを持っており、たとえ同じレベルでも問題解決の方法や発想、適応の仕方が異なるので互恵的な学習が起こりやすい。ハイテク産業とクリエイティブ産業によく起こっている。もう一つはアメリカ人には提供できない貴重なサービス。イタリア人スタイリスト、ロシア人バレエダンサー。それぞれが固有のスキルを持ち寄る。その結果時代が繁栄する。
古典的なゼロサムゲームは協力に時間がかかり社会進歩が遅く、経済成長も進まない。原材料や所有は価値を失い相対的にアイデアが経済価値を生むようになる。知識には競争相手がなく、他人の使用を部分的にしか排除しない。(古典世界では知識にもまるで所有権があるかのように扱われてないか?)ポスト物質主義の社会資本に基づく経済では人々限界まで挑戦し、権威に従うのをよしとせず、自己表現や新しいアイデアに興味をもち、知識の公共財としての性質を利用する。
ジェイコブズ:反映する都市と淀んで衰退する都市を分けるは「鎮静者」の存在。政治、企業、市民社会のリーダー、あえて邪魔したりする -
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「スマートナレッジシティ」スマートシティにナレッジが加わった考え方のブログを読み、以前読んだ「クリエイティブ都市論(2009年2月発売)」を再読してみた。まぁ、殆ど始めて読むがごとしでしたが。。。
大都市または大都市圏がひとつ以上あり、夜の地球で光が集中し、一定以上の経済規模のある地域を「メガ地域」と定義している。そして世界最大のメガ地域を「広域東京圏」とし、人口は5500万人、経済規模は2.5兆ドルだ。世界第2位米国東海岸のボストンからニューヨークを経てワシントンDCに至る「ボス=ワッシュ」で人口は5400万人、経済規模は2.2兆ドルだ。
メガ地域が成り立つ要因を次のように挙げて考察している。1.人口が2倍になった場合、必要な資源は2倍にならないがクリエイティブな生産活動や経済活動は2倍より大きくなる。2.勤勉かつ有能な人々はお互いに寄り集まる、そして生産性の高い企業は同じように生産性の高い場所に引きつけられる。3.社会経済的流動性と地理的な流動性は相互依存の関係にあり、必ずしも無関係なものではない。4.今日の社会でもっとも重要ななのは、大勢の人がどこに集まるかではない。「高い能力を持った人々がどこに集まるか」である。5.企業はその活動を拡大することで規模の経済を利用しようとする。だが企業はお互いに隣接し会うことによる集積の経済によっても利益を獲得できる。6.人間同士のネットワークは、スタンフォード大学の社会学者、マーク・グラノヴェッターの言うところの「弱い紐の強さ」の影響を受ける。
また、メガ地域といえどもその特徴は集まる人間に左右される。人間の性格は五つの主要な因子(「ビッグファイブ」と呼ばれる)で大別され、それは「経験への開放性」、「誠実性」、「外向性」、「協調性」、「情緒不安定」から構成されているそうだ。その中で、「経験への開放性」が地域の経済状況に確たる役割を果たしており、コンピュータや科学技術に関連した雇用数、地域の人的資本水準、ハイテク産業、所得、住宅価格そしてゲイ指数やボヘミアン(芸術家)指数との相関が大きいとのことだ。米国では前述の「ボス=ワッシュ」、シアトル、ロサンジェルス。サンフランシスコなど、東西の海岸線に集中している。
「弱い紐帯」とも呼ばれている「弱い紐の強さ」そして、異文化や芸術、新しいモノやコトへの好奇心そしてその体験を楽しめる「経験への開放性」がもっとも求められているようだ。冒頭で、「広域東京圏」が世界最大とメガ地域と述べた。今やその光にも文字通り陰りが出ていることと思う。今、私たちにできることは弱い紐帯を張り巡らし、未知の情報を得て新しい創造に結びつけていくことではないだろうか。 -
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本書では世界はフラット化していくという理論に疑問を唱えている。経済、才能、科学などは限られたメガ地域に集積しており、今後もその集積力を強めていき、世界は益々スパイキーになっていくと説かれている。また、第2部、第3部は「場所の経済学」「場所の心理学」となっており、豊富なデータを用いて考察されている。
「場所の心理学」は特に面白く、アメリカ各都市における特徴と人間の性格との相互関係について解き明かされている。人間の性格の違い(ここでは以下の5因子を用いている:経験への開放性、誠実性、外向性、協調性、情緒不安定性)によって、魅力を感じる場所のタイプが異なっていることや、集積した結果として地域がどのように活性化されるかということなどが述べられている。また、それぞれの都市に住んでいる人の性格を分析した結果、都市ごとに特徴が分かれることが明らかにされている。これらはアメリカの都市についての考察であるため感覚がついていかない部分もあったが、このように心理学的な立場から都市分析を行っているものは私にとっては非常に新鮮で、興味深く読めることができた。
著者は豊富な図表やデータ、参考文献などを駆使しており、本書を書きあげる苦労がうかがえるとともに、価値のある1冊に仕上がっている。本書の日本バージョンも読んでみたいが、果たしてアメリカほど特徴は出るのだろうか。 -
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正確には都市論ではありません。都市人生論とでも言いましょうか。
本書は、アメリカで都市経済学を研究するリチャード・フロリダが執筆したものの日本語翻訳版です。この本の主張は明快で、人生における居住地の選択という目線で、今後都市に備えるべき資質を豊富なデータを基に提示しています。
具体的には、グローバル化している世界経済の中、経済成長の大半は一部のメガ地域と呼ばれる都市圏で起こるクリエイティブなイノベーションによって行われていること挙げ、そのメカニズムの解明をひたすら行っています。
統計的データを基にしながらマクロ経済だけではなく、ミクロで生活に即した視線など幅広い視点をうまく操作しながら書かれているので非常に明快で納得のいく一冊でした。
ただ、その大半がアメリカに関する記述で、日本とは勝手が違う部分もありましたが。
果たして、日本はクリエイティブ都市になれるのか、否か。
答えは本の中に。 -
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当行常務が推奨していた本。
これからの社会についてマクロ的な視点を持つことを目的に読書。
内容についてざっくり書くと、
これからの世界はCreativityを持った人材を
挽きつけられるような都市づくりをすることが重要であり、
その上でキーワードになるのは、
「Talent」「Tolerance」「Technology」の三つ。
でこれらを指標に興して分析してみると、
意外や意外わが国は世界で二番目になるらしい。
「Technology」の部分ではなんとなく理解できるが、
「Tolerance」の部分では本当に意外。
個人的な推測によると、
これはひとえに日本の「無宗教」である部分が大きく左右していると思う。
日本では宗教的なぶつかりというものが相対的に少ないし、
そういった部分ではかなり自由である。
このように日本の「無宗教」な部分をポジティブに捉えることがなかったので、
新鮮な視点だと感じた。
筆者の主張などは、
「富の未来」などと非常に似てる気がした。
これから我々が考えていかなければならないことは、
魅力ある人材を惹きつけるような都市づくりをした上で、
それによって得た富が一極化しないようなシステムを構築することではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
いま都市は全世界的な人材獲得競争に巻き込まれていて、有能な人材は、(移民やゲイなどの)マイノリティに寛容性の高い国・都市に集中するといいます。つまりクリエイティブな人間が経済発展を主導し都市が発展するという論理です。
日本国内の話では、トヨタなどのカイゼン活動をクリエイティブな活動と捉えています。これらに従事する人をクリエイティブクラスと呼ぶのであれば、技能工を含めて日本における製造業のクリエイティブクラスは非常に多いことになりそうです。
入管法で高度な能力を有した人材に在留資格を与えるというのは、寛容性という点で問題があるのかもしれません
。しかしながら、その移民増加コストも当然ながら考えられるべきでしょうが…。