川森博司のレビュー一覧

  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    昔話、おとぎ話、国内外問わずお話を全文、または一部引用した上で動物婚、異界婚で大別し、さらにパターン分類、分析と考察した体裁となっている。興味深かった。

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    2024年04月20日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    「鶴の恩返し」「美女と野獣」などなど、
    昔話や童話など、今一度読み直した感じで楽しかった。

    そして、必ず、美男美女が主人公で、
    貧乏が裕福になって、というお決まりの話。
    日本だけでなく、似たような話が台湾や中国にもあるのは興味深い。

    河合隼雄さんや北山修さんなど、
    心理学的にコメントがあるのが面白い。

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    2024年04月04日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    鶴の恩返し、雪女、かえるの王さま、崖の上のポニョ…世界各地の人ではないもの(異類)との婚姻譚を解説付きで紹介。非常に多くの事例が紹介されており私たちと異類との関係性を考えずにはいられません。

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    2024年01月24日
  • 日本昔話の構造と語り手

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    ネタバレ

    日本の昔話と、韓国の口承説話を分類している。
    異常誕生、異類婚姻の話題についての説明がある。
    母屋という文化が韓国から来たのは、現地でも確かめたことがあります。
    いろいろな文化が朝鮮半島から来たのだから、口承伝説もいくつかは朝鮮半島から来たものがあるのはうなづける。

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    2011年09月16日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    日本・アイヌの異類婚姻譚(動物、異界、異形の3つに分類)を中心に、東アジア、ヨーロッパの口承文芸、伝承、民話、昔話、創作文学についても言及されています。
    また、現代の純文学やアニメへの考察も一部あり、とても面白く読みました。

    個人的には、4章の総括でルッキズムやジェンダーについて述べられた点が興味深く、とても学びがありました。

    イヌイットの伝承「かにと結婚した女」が衝撃です。
    古今東西の異類婚姻譚とは明らかに異なる文脈で語られているなあと感じました。

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    2024年06月09日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    フィギュアスケートの吉田陽菜が鶴をテーマにしたプログラムを演じていましたが、そもそも海外で鶴ってどこまで知られているのだろう(吉田陽菜の衣装は白と黒、赤のポイントというタンチョウヅルのイメージ)、『鶴の恩返し』ってめちゃくちゃ日本的な話だけどこういう異類婚姻譚って海外にもあるのかなと調べたところちょうどいい本がありました。

    日本の昔話を中心に「動物との婚姻」、「異界の者との婚姻」、「異形の者との婚姻」の類型を紹介、ヨーロッパや中国・韓国、アイヌなどの伝承と比較しながら日本の異類婚姻譚の特徴を分析しています。

    ・動物との婚姻
    動物の女房『鶴女房』
    動物の夫『猿聟』『オシラサマ』『蛙の王さま』

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    2024年06月08日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    異類婚姻譚とは、異類の者と出会ったものの決定的な別れにより主人公の状態が出会い前に戻る「行きて帰りし物語」の一種だと思ってたけど、それは日本本土の現象でしかないってのが衝撃だった。奄美でも韓国でも人は人外と案外ハッピーに暮らしていたという

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    2024年03月12日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    題名どおり、相手が”人間”ではない(嫁だろうが婿だろうが)結婚の話をわかりやすく分類し、分析した本。相手を「動物」「異界(異郷)の者」「異形の者」の三種類に分け、例となる民話を挙げて解説していますが、想像していたよりも非常に読みやすく、どの説明もわかりやすく、例も多くて異類婚姻譚を知るには最適の一冊だと思いました。

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    2024年02月29日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    日本を含めた世界の異類婚姻譚を豊富な事例で系統立てて紹介。
    日本の異類婚姻譚は話の終わりに元の状態に戻る(貧乏→裕福→貧乏)ものが多いというのが興味深かった。

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    2024年02月26日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    「ひと」と「ひと以外」が婚姻を結ぶ説話、「異類婚姻譚」の入門書。


    人間が人間以外と婚姻を結ぶ「異類婚姻譚」の入門書。動物と、異界の者と、異形の者とといった各地の異類婚姻譚に属する民話が種類別に多数収録されています。
    私も結構昔話いっぱい知っている方だと思っていましたが、聞いたこともない話がまだまだたくさんあってびっくりしました。『熊女房』とか『かにと結婚した女』とか。

    この本で改めて読んで、子供の頃『かえるの王様』って本当に酷い話だと思っていたのを思い出したんですが(目的のため蛙を騙して利用する欺瞞とエゴイズム、怒って蛙を壁に叩きつける憤怒・暴力性、王子に変わったらころっと受け入れるルッ

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    2025年08月30日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    世界各地の『異類婚姻譚』と呼ばれる話を比較しながら紹介し、解説する。

    一口に異類と言っても、動物・異界の存在・異形の存在に分けられ、様々なバリエーションがあるようです。例えば「一寸法師」なども異形に該当しているのですが、小さいころから慣れ親しんでいる話なので、不思議とは思いつつもそのようなとらえ方はしていなかったです。
    解説はあまり入ってはこなかったのですが、時代やお国柄などを反映しているということがなんとなく。ただそのような話が生まれた背景というか何か示唆するものがあったのだろうか?その辺りのことがもう少し知りたかった気がします。

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    2024年10月04日
  • ツレが「ひと」ではなかった 異類婚姻譚案内

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    ネタバレ

    異類婚姻譚に関する書物。
    事例がとても多く、7〜8割は事例の紹介で、
    最後の章でまとめて考察する形式。
    結構難しめと感じた。

    特に面白いと思ったのは日本の異類婚姻譚が女性に求める役割について。

    異類が女性の場合は中国や韓国は日本と似たような形の話でも人間の男からのプロポーズが多く、日本は基本的に動物女から迫られるのが多いらしい。
    「昔から美少女に迫られるのが好きなんだな日本の男たちは」と思った。

    それと同時に「この日常から抜け出させてくれる誰かと出会いたい」という希望が強いのではないか?とも思う。
    ある人物との出会いで今までとは違った世界に踏み出す物語は今でも人気なので、繋がりを感じた。

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    2024年06月09日