橋本求のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは「人類史」ですね。読んでよかったです。
太古の森、感染症で高熱に苦しみながら、ものかげにじっと身を潜めることしかできない先祖。そんな先祖と現代の自分を、著者の橋本求さんに「遺伝子」でつないでもらいました。
自己免疫疾患の患者のひとりとして、体や遺伝子のことを考えながら読みました。
マラリアという感染症をご存じでしょうか。ハマダラカという蚊が媒介する「マラリア原虫」が原因です。
余談ですが、マラリア原虫はもと植物(藻類)なんです!知らなかった・・・、マジメに光合成していたのに、いつのまにか動物に手を出し、生き血をすすっとんです!コワ~(他にもそんなヤミ落ち元植物がおるらしですよ -
Posted by ブクログ
ソフトカバーという本の作りからお気軽な中身のものを想像していたが、なかなかどうして専門性の強い話題も多く歯ごたえがあった。
全部をしっかり理解できたとは言い難いが、免疫が自己を攻撃してしまう自己免疫疾患の増大の背景には、人類としての長いウイルスや細菌、寄生虫との戦いがあり、遺伝的なもの後天的なもの、あるいは社会の進歩に根ざすもの色々と考えられる事が説得力を持って書かれていた。
最初のマラリアの話題などまさに目鱗であったし、清潔な社会の到来が、小さいうちに様々な感染症を遠ざける事になり、それが大人になってからの重大な感染症を引き起こす大きな要因になっている等の指摘は的を得ている様な気がした。