鈴木博文のレビュー一覧
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いわゆる「現代アート」と呼ばれる作品は、視覚だけでは捉えられず、五感さらには時間感覚や文化に対する感覚など様々な感受性を駆使して楽しむものなのだと分かった。
これまでの鑑賞では、視覚の範囲で捉えようとしてきたと思わされる。だからこそ、それに当てはまらないときに難しさや拒否感を感じてしまうのかなとも思う。その点、宗教画など西洋画は上手いとか、色合いが好きだとかの感想を持ちやすい、何が描かれているかが明確でわかりやすいという視覚的な楽しみがあるので、わかりやすい。
また、現代アートは、固定観念的・大衆的な視点に対して、ハッと気づかせるような別の視点(捻くれた視点でもありそう)を与えてくれるもの -
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これまで「正直何だかよくわからない…」と苦手意識のあった現代アートですが、この本のおかげでぐっと身近になりました。アートの歴史から、現代アートを楽しむための9つの見方(型)まで、とても分かりやすく説明してくれています。
この「型」という物差しをもらったことで、作品の見方がわかり、アートへの意識が変わったと実感しています。アート初心者におすすめしたい一冊です。
とはいえ本書にも書かれているように、本来ルールに縛られないのがアートの面白いところ。学んだ見方を理解の入口としながらも、頭を柔らかくして作品そのものを素直に楽しんでいきたいと思います。 -
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ネタバレ現代アート本。視点を与えてくれてとても良き
ゾワら要素を体系的に解説できるように。。
メモ
・型があるからこそ、自由になれる。扱いやすくなる。アートも気軽に楽しめるように型を。
・現代アートとは当時の様子を端的に切り取り表したもの。当時の社会にとって新しい考え方や世界観を与えた表現、当時の人々のこころを掴んだ表現
・この人は何を表現?この表現はなぜ?この材料や方法は?
・アートの三つの次元の型
1作品の中の世界 物語
2作品の表面の世界 質感
3作品の外の世界 空間
・2の型は何を描くかではなく、どうやって描くかに焦点を当てている
・3の型は空間と物との関係性 空間の存在あってこそ -
Posted by ブクログ
現代アート鑑賞の手引き。
著者が試みた現代アート鑑賞の体系化。この本を読んだ後、ポーラ美術館やDIC川村記念美術館に訪れて実際に鑑賞の幅が広がったことを実感した。子どもと展示室を巡りながら「これどうやって描いたんだろうね?」「描いた人はどんな気持ちだったんだろうね?」などなど問いかけのバリエーションを増やすことができた。
多くの人にとって時代背景や作者の生い立ちに関する知識を入れた上で美術館に訪れることはハードルとなり得る。そんな中、最初の一歩を実践的に示そうとしている本書の価値は大きいと思う。
更に深掘りして調べよう、というきっかけにもなった。 -
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私は普段、まわりから現代アートの見方について聞かれることが多い。なおかつ私は、いろんなアートの中でも現代アートがとりわけ好きだ。しかし「どうして現代アートが好きなのか」と聞かれると、なかなか言語化が難しく、ましてやどう楽しんだらいいのかと尋ねられても、なかなか相手になるほどと思ってもらえるような解説をするのは難しいと、ずっと感じてきた。現代アートに触れるとき、現代を生きる現代作家の感性(それも何かのフロンティアで葛藤した末の感性)がそこにはあって、それを知ることができるから楽しいのです、などと正直に答えたところで、相手はわかったようなわからなかったような顔をされるばかりである。古今東西のいろん
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アートの3つの次元の型
1の型:作品の中の世界を表現する
2の型:作品の表面の物質感を表現する
3の型:作品の外の世界を表現する
4の型:アートにはドヤドヤしたいという目的の型がある
1 記録・象徴 時代や社会の様子を表したい
2 発明 新しい絵画を描きたい ニュー・ペインティング、新表現主義
3 詞・文学 物語を表したい(マイノリティの存在や権利の主張)
「祈り」「記録」の次に生まれたアートの機能は、「装飾」「象徴」
装飾には、権力の演出という機能
象徴には、広告という機能
5の型:映えたいという目的の型がある
抽象表現には3つの特徴がある
1 構成 具体的な対象がない ex. きれい