田島正樹のレビュー一覧

  • スピノザという暗号
    近所の古書店にて購入。スピノザが用いた方法論をスピノザ自身に当て嵌めることで、スピノザ哲学に新たな光をもたらそうという試み。テーマが多岐に亘る故か些か散漫な感じは否めないが、それでも中~後半にかけて見るべき点が多い。第3章『自己原因としての神』で説明される二種類の因果性や重要概念コナトス(自己保存の...続きを読む
  • スピノザという暗号
    現代の心の哲学や実在論/反実在論をめぐる議論を参照軸にしながら、スピノザ哲学の現代的意義を探る試み。スピノザ解釈としての妥当性はともかくとして、著者の議論そのものはたいへんおもしろく読んだ。

    著者は、スピノザ哲学の「内在主義」に秘められた現代的意義を高く評価する一方で、その実在論的な傾向を持った「...続きを読む
  • 古代ギリシアの精神
    プラトンの提示した視点があまりにも当然になりすぎたプラトン以後の世界の見方に対して、そうではない視点から古代ギリシアの哲学を見直す、という提案。
    イオニアの系譜として、文献が比較的残っているアリストテレスを読み直すことで何が得られるかということだが、脱プラトンでラカンやカントが引き合いに出されている...続きを読む
  • 古代ギリシアの精神
    古代ギリシアの思想、とりわけアリストテレスの『霊魂論』を中心にとりあげ、その検討を通じて著者自身の哲学的考察が展開されている本です。

    著者は、ギリシア悲劇において表現されている世界観を明らかにしています。アリストテレスが『詩学』のなかで、「悲劇が人の心を動かすに当たって最も大きな役割を果たす二つの...続きを読む