六六のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ中国でこのドラマが大ヒットしたらしい。それだけ民衆の共感を得た、実体験に近い本ということなのだろう。
結婚して、子供を育て、家を買う。みんなが憧れる幸せの家庭のカタチ。でも、中国では物価がどんどん上昇しているので、家を買うために給料が追い付かない。だから、知り合いから借金をする、賄賂を渡す、グレーなものに手を染める・・・そんな姿を生々しく描いた一冊。目の前にドラマが広がり、一晩で一気に読み切ってしまった。
中国人は、「自分のために人を出し抜く」とか「見栄っ張り」とか言われるが、それは少し語弊がある気がする。過酷な競争社会の中で「自分達一族の生き残りをかけて」、少しでも有利になるように又は生き残った勲章として「価値のある(と思われている)ものを持つ」というのが本当の姿ではないか。
日本も競争社会だと言われたが、少しくらい競争に敗れたからといって、食べるのに困るわけではない。住む家がなくなるわけではない。でも、貧富の差が激しく、一時の判断が命取りになりかねない中国の状況を思うと、必死に家・地位・特権にしがみつく登場人物たちに涙せずにはいられなかった。 -
Posted by ブクログ
中国で2007年に出版された大ベストセラーだそうだ。
445ページあるそこそこ分厚い小説なのだけど、一息に読んでしまった。
フィクションかノンフィクションか、でも、これが実際に上海という街で起こっていると言われても、納得できてしまう感じがする。
新婚夫婦が、「早く家を見つけないと、どんどん物価があがっていて、先月○○元だったのが、もう△△元になってしまって・・・」と、去年実際に話してくれたし。
まだ1歳の子供を実家の両親にみてもらってて、夫婦で上海に働きにきていて、子供に会えるのは年に数回。先日、今は子供と一緒に住んでるんだ!って話してくれた店員さんも身近にいる。
コネとか縁故とか、そのつながりの強さは実感するところだし、
政府関係者とうまくやっておかないといけないとか、お金で解決出来てしまう部分もあるとか、そんな話もやっぱり普通に耳に入ってくること。
お金と生活に翻弄されて、どんどん歩いていた道が思わぬ方向にそれていってしまう・・・
日本ではそうではないのか?って聞かれると、
似たような状況が無いとはいえないかもしれない。
何かにとりつかれて、ほんとうに大切なものを見失ってしまわないようにしたいものだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ海萍,海藻,蘇淳,宋思明がメインキャラクター。
海萍,蘇淳の夫婦は家賃8500円、10平米(7畳程)の家にくらす。小さい子供がいるが、お金を稼ぐために祖母に預け切り詰めた生活をする。
海萍の妹海藻は一人っ子政策の中望まれない形で生まれ、唯一自分の存在を喜んでくれる姉を中心に生活する。恋人の小貝とは結婚の約束をしている。
宋思明は有能な公務員。妻子を持つが海藻に恋をする。
まず描かれるのは上海(中国)のお金事情。中流階級ながら海萍と夫の収入・貯蓄の驚くほどの低さ、半端ない生活の切り詰め方。海萍は有名大学に猛勉強の末合格し卒業したが、彼女が貰える月給はたった4万5000円。
対照的に宋思明の動かすお金の額は桁違いで、彼が海藻や海萍のお金の問題を軽く解決していまう。それだけではなく、人脈・コネの力で彼女たちのあらゆる問題を解消していく様子は、前半で描かれた海萍のお金を貯めるための苦悩だらけの生活との差はとてつもない。
次に描かれるのが宋思明と海藻の恋愛。始めは宋思明の一目惚れによる可愛らしく純粋な恋愛だったが、客観的に見るとやはりそれは宋思明にとっては不倫、海藻にとっては二股であり、途中から徐々にドロドロした複雑な状況になって行く。
後半は宋思明が汚職に染まり、苦しめられる。
《感想》
私はまだ19歳で社会に出たことがないというのがあり、また社会を知らなさすぎるというのが原因だと思うが、宋思明の汚職というのは最後まで何が悪かったのか理解することができなかった。
ただ宋思明のコネを魔法のように使いこなして厄介事を解決していくのが印象的でなんというか、それこそ魔法使いのように見えた、というのが単純な感想である。
海藻と宋思明の恋愛は、大いに共感・応援する気持ちはあったが、方やそれは非難されるべきものなのだということも理解していて、ジレンマを抱えながら読み進めた。私もこれから同じような状況に置かれるかもしれない。そして私も同じ穴に入ってしまうかもしれない。作中の2人の気持ちを十分に理解できるからこそ、考えさせられるものがあった。
結末は衝撃的だったが、小貝が幸せそうだったことはとても安心した。また海藻や宋思明の家族は深い傷を負っただろうが、強く生きて欲しい。というのが全て読んで思った感想である。(笑