岩崎純一のレビュー一覧
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幼少期から現在に至るまでに、女性の月経や排卵を感知する不思議な感覚を持っている著者。
彼が語る、経験した不思議な世界と、そこから女性の「つきのもの」にまつわることや共感覚を思索している。
内容は女性に関して、古代の男性に対して、さらには和歌に関してなど多岐にわたっているため、若干とりとめのない印象もあるが、「共感覚」について全般的に面白い記述である。
P37
この(彼のような)性的感覚を持つ男性のほとんどは、おそらくいわゆる知的・言語障害者や自閉症者や(略)アスペルガー症候群であり、いわゆる健常者として社会生活を送っている私のような男性は稀であるという気がする。
P56
私の( -
Posted by ブクログ
ぎょっとするタイトルである。
女性の性周期が分かる“特殊”な感覚への好奇心と、最近本を読むとたまに出てくる「共感覚」への興味から購入した。
女性の排卵や生理を知覚できるという筆者の言葉に最初は抵抗を持つの
だが、読み進めるうちに、筆者の主張するように、それはもともとどんな男性にも備わっていた感覚だと考えるのが自然に思える。
高校生の頃、日本の古典の世界はエロいと思っていたが、本書での古典の解釈は腑に落ちる点がある。
性に関して多く言及する本だが、現代社会に生きる中で性にまとわりついた卑猥なイメージが解きほぐされる。
ものすごい良書とは思わないが、今までの常識は覆されるし、筆者の性に対する -
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著者は共感覚保持者の一人。
それも音や文字に色が見えるどころか、女性を見ると黄朽葉色の帯をまとったようなもの見えたりと、あらゆるものにそれぞれの色を感じるといいます。
「感じる」といっても、例えば同じ重さの白と黒のボールを持ったとき、なんとなく黒のほうが重く感じる「異種感覚連合」や、女性の甲高い声を「黄色い声」というなどの比喩的表現とは異なるそうです。
不思議に思ったのは、文字や数字に色がついて見えるというものの、文字自体の形が違っていても読みが同じであればほぼ同じ色に見えるということ。
例えば「あいうえお」にそれぞれ青、黄色、黒などの色がついて見えたとすると、形が全く違っても「アイウエオ -
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ネタバレ[ 内容 ]
一般の人々にとって「ミカンが黄色い」のと同じように、E音は青緑色に、F音は紅色に、著者には感覚される。
単音だけでなく、和音や音楽全体にも、色や形を感覚している。
比喩や連想ではない。
五感が混じりあった、未分化の世界。このような感覚世界を「共感覚」と呼ぶ。
本書では、当事者の視点から、共感覚とは何なのかを解説。
さらに、日本文化の原風景が共感覚的であったことを明らかにする。
[ 目次 ]
第1章 共感覚とは何か(共感覚とは何か 共感覚ではない感覚 私の感覚世界の模式図 ほか)
第2章 日本文化の原風景としての共感覚(私の前言語的記憶 文字の創作 日本語への確信 ほか)
第3章