人は幼い時、親から愛されることに自分の存在の全てが掛かっていると言える。そのためなら自分をどんな風にも変化させていく。親がどんなに立派でも完璧に間違いのない子育てなどできるはずがない、だからこそ子どもは親に「自分は愛されていないんじゃないじゃないか」「このままじゃ捨てられるんじゃないか」と本来はまんまるのはずの自分がどこか欠けてしまっているんじゃないという錯覚に陥る。そんな時子どもは「どうすれば愛されるんだろう?」とさまざまな試行錯誤をする。それは暴れてみる、拗ねてみる、泣いてみるなどいろんな手段を試して、その中で親の注意を引けたものを自分のキャラクターとして取り入れていく。
それはコブのように自分に欠けた部分に張り付いてしまう。しかしそれは錯覚なのである。なぜなら本来自分はまんまるだから、それを自分は欠けてしまっていると錯覚してそこを埋めようとしたが為に作ってしまったコブなのだ。そしてそれを自分のキャラクターとして大人になっても引きずっている。もうそんな必要はないのに自分の作ったコブに執着してしまう。何か不安になると、暴れてみたり、拗ねてみたり、泣いてみたり。そのうち自分でもなぜこんな行動をしているのか分からないほどになる。
著者はそんな人たちにまずは自分の欠けたと勘違いしてしまった部分に気づくことが大切だと言っている。その部分に気付いて、本当にそうなのか検証し、違うならそれを改めることで新しい自分が見えてくると。
そんな成長過程でだれしもがもっているトラウマやクセのようなものをまんまるな自分とコブにという例えで表現し、著者自身の体験をありありと書いていたので、さらにその例えがリアルなものとして認識でき、すぐに自分にも当てはめることができた。