廣宮孝信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
TPPとはTrans-Pacific Partnershipの略で、和訳すると「環太平洋戦略的経済連携協定」。
この長ったらしい名称の協定について分かりやすく解説してくれています。
ただし、本の後半部分は橋本知事の「大阪都構想」について反対論となっています。(著者によるとこの構想とTPPは非常に関連性があるとのこと)
ところで、TPPと似たような協定で有名なFTA(自由貿易協定)があるのですが、TPPがFTAと決定的に異なるのは、TPPには「関税の完全撤廃」が謳われていることです。
FTAでは当事国がそれぞれ保護したい産業については自由貿易の例外として認められるのですが、TPPではこれが一切認められません。
つまり、TPPとは「関税自主権の放棄」ということ。
規制のない完全自由な貿易といえば聞こえは良いですが、例えばこれにより自国の重要な産業が絶滅してしまい、完全に外国に依存する状況に陥った(つまり○玉を相手に握られてしまった)場合、一体誰が責任を取るのでしょうか。
菅元総理がこのTPPを「平成の開国」と呼んでいたそうですが、彼は一体誰のためにこの「開国」をしようとしたのでしょうねぇ。
本書を読む限り、この「開国」は日本を窮地に落としかねない愚挙であると言わざるを得ませんでした。 -
Posted by ブクログ
昨年から三橋氏の本は読むようにしていますが、彼は日本の景気を回復するための政策を提言しています。彼の本を読むことで、国家経済には会社と同じようにストックとフローがある、負債と資産は一対一対応、誰かの支出は誰かの所得であるという原則が次第にわかってきたような気になります。
彼の本には毎度のごとく書かれている内容ですが、重要なことでもあり、なんども繰り返し解説してもらうと私も理解が深まっていくと思います。この本の帯に書かれているように、この本のエッセンスを政治家やマスコミの人に理解してもらって、実際の政策に活かしていただきたいと思いました。
また、この本で巷に言われているハイパーの定義(p205)を知り、その定義においては日本では一度も起きていないことを認識したことは収穫でした。
以下は気になったポイントです。
・デフレ時にすべきことはインフレ対応と逆のこと、つまり、1)歳出拡大、2)減税、3)金融緩和(低金利政策)、である(p19)
・過去20年間の各国(日本、メキシコ、米国、韓国、アイスランド)の状況をみると、バブル崩壊、通貨危機、国家破綻といった出来事は、年間の財政収支が黒字(もしくは直前まで黒字)のときに起きていることが多い(p27)
・IMFは日本の財政赤字悪化を2009年11月に予測しているが、その9ヶ月前に、日本政府から1000億ドル(外貨準備としての米国債)の巨額資金を借り入れている(p29、31)
・第二次世界大戦中の1943年におけるアメリカでは、GDP比較30%の財政赤字を記録している、GDP成長も16%増加している(p33)・国家財政(国民を豊かにするための手段)と、企業会計や家計とはまったく違う(p37)
・毎月の給料はフロー、貯金というのはストック、国の豊かさはフローのGDPという指標を使う、国富(貯金、株、不動産等)というストックは使わない理由は、貯金も不動産も使わなければ価値を生まないから(p39)
・一般政府(中央、地方自治体、社会保障基金の合計)の負債がいわゆる国の借金であるが、2006年6月で979兆円、これは国全体の負債合計:5246兆円の一部、金融機関の負債は2738兆円(p63)
・国民一人当たりでは4291万円の金融資産(5493兆円が合計額)、4098万円の負債があり、193万円の金融純資産を保有していることになる(p66)
・対外純資産GDP比でリーマンショック直前において、日本は+54%、韓国:-18%(外貨建て)、米国:-24%、オーストラリア(自国通貨建て):-57%、アイスランド:-195%であった、日本が円高になった理由(p72、75)
・銀行は預金保険機構の保険料として、決済預金でも預金残高に対して0.107%を払う必要がある(p93)
・日本の預金総額:1100兆円に対して、預金保険機構の総資産は8兆円、法律により銀行の株式保有は「自己資本相当額」に限られている(p103)
・現在社会保険料として徴収されているものを、「福祉目的税」と言い換えれば、現在の税収:40兆円に対して、30兆円以上増えることになる(p107)
・財政再建(財政黒字化)をすることは、政府支出(=国民の所得)を減らして国民を「貧しく」すること(p112)
・銀行は1兆円の元手で、自己資本比率規制(8%)より、12.5兆円まで運用可能、さらには預金準備率(1.3%)=76.9兆円までは国債を購入すれば運用可能(p137)
・政府には無形の金融資産がある、徴税権と通貨発行権である、日本政府は金融資産:475兆円に対して、負債が962兆円であるが、その差額は2つの無形資産(p147)
・ハイパーインフレとは、月率+50%(1.5倍)、年率+12975%(約131倍)以上のインフレであり、これによると江戸時代以降、明治維新、世界大戦後において日本では起こっていない、一次世界大戦後のドイツや近年のジンバブエが相当する(p205)
・昭和21年の東京小売物価指数において+514%が最高、昭和19年から29年の10年間で物価が150倍、10年間で1万円の価値が60円程度に落ち込む激しいインフレは存在する(p206)
・昭和19年と21年を比較すると、名目GNPは6.4倍になったのに対して、実質GNPは0.56倍になった、お金の回転は6倍以上になっても、モノ・サービスの回転は半分になったということ、これは戦争によって破壊されることの厳しさがわかる(p208)
・アメリカの過去10年間の輸出増加額:8770億ドルは、日本の2008年の輸出額:8590億ドルを上回っている(p238) -
Posted by ブクログ
元々、ざっと見るだけと思っていたが、1時間以内で終わってしまった。
内容薄い??(笑)
<自分メモ>
●TPP or 貿易協定一般(FTA/EPA)?
事前に思っていたことですが、やはり、TPPに特化した話をしているのか、貿易協定一般(FTA/EPA)の話をしているのかは分けて考える必要がありそう。
この本の論調だと、やはり「『TPPは』反対」という感じのようですね。
賛成派は、全般、反対派は、TPPに特化した話をしている時が多い気がします。
なお、先日、日経新聞で、経済学者の伊藤元重さんと、農法派閥の政治家のTPPの対談がありました。
その中で、伊藤さんは、基本は、貿易協定一般論の議論から賛成なのですが、TPPに(交渉)参加できないと、今後の協定にも参加しにくくなるということをいっていました。
そういうつながりですか。
●輸出の税率低減/手続き簡易化のメリット
この辺に関しては、基本貿易協定一般の話から、考えると基本はほとんどの人が賛成ということのようですね
#反対派もそれ以上のデメリットがある。というところだけですし。
#また、TPPが結局アメリカだけじゃないか。という話は置いといて。
昨日も別のセミナーで軽くみたんですが、日本が元々資源がないこと、成熟気味なこと、周りの国の高成長(あと、10年ぐらいで、中国だけではなく、インド、インドネシア、も日本のGDPを抜く)辺りからも、輸出を増やしていくことを目指すのは必要なのかなと思っています。
●労働環境と外国人労働者
これに関して、「(大)企業 vs 一般の国民」という対立軸を作って、(低賃金の)外国人労働者が入ってくることは、企業にとってはメリットでも、大多数の国民にとってはデメリットという書き方をしているのは、かなり違和感を感じました。
#というか、政治の議論って、この対立軸多いですね。サラリーマンからは票が期待できないから??
企業が恩恵うければ、一般消費者、企業勤務者も必ず恩恵受けるわけで、もちろんメリットだけじゃないとしても、プラマイゼロぐらいではないかと。
また、デフレの正体の議論からすると、生産年齢人口増により、少なくとも経済の観点からすると必ずプラスになる気がします。
●農業問題
最後に、この辺の議論をするときに結局、農業の問題は避けて通れないなと思いました。
食料自給率は、高い方がベターなのは間違いないですが、10兆円もない市場に、5兆円の補助金が必要だったり、自給率がなりないといいながら、土地があっても米を作るのを休止するような状況は、異常と思えます。
これでは、やはり長続きはしないと思いますので根本的な解決が必要なのではないかと。
解決策は、、なんでしょうね。。
やはり、一つは、効率化でしょうか。
先の議論で、海外の人来てもらって作ってもらう手もあるか。。
また、ドライに極論考えれば「食糧危機時への対応」だけを考えるのなら、5兆円の補助金の一部を世界各地への農業支援に切り替えて、いざというときのパイプ強化(単に支援だけなく、日本用の農場作ってもらうとか?土地買うとか??))&入手先増やして地理分散によるリスク低減の方が、堅実な気がします。
#国内だけだと、「米が『全国的に』不作」になるときもありますし。