金益見のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
非常に読みやすく、戦後におけるラブホテルの変遷史や現代のシティホテルとの関係性など、多方面に目配せしている。ラブホテルや性に関して「恥」と感じる筆者と、それを「恥」と感じない少し年下の大学生とのギャップに関心を持った筆者のフィールドワークの記録でもあるが、「恥」という感覚をぬぐい切れていないために、記述に現実味や臨場感に欠けているような気がする。観察者だから客観的に物事を見なくては・・・、という意識ではホンマモンのフィールドワークにならないのでは?
でも、指導する先生(テレビに出てました)や同輩の男子学生たちは、一歩間違えるとセクハラになってしまうこういうテーマについて議論するのは大変だろうな -
Posted by ブクログ
個人的にはほとんど利用した経験がないので、なぜラブホテルがこれほど日本で隆盛を誇るのかが謎だった。著者は女子大学院生で、修士論文をまとめ直したものらしい。日本人の性意識や住宅事情からラブホテルの隆盛を考察した日本文化論になっている。
ラブホテルの歴史やシステムなど、知らないことがたくさんあったので勉強になります!? 部屋の備品の必須アイテムも、利用客の需要によって変遷してきており、情報誌に登場(初出は1994年『関西版ぴあ』)するようになって、市民権を得たそうです。
現在ラブホテルは二極化の傾向(料金と質を落とし風俗利用を促進とアミューズメント志向の高機能・高設備化)にあるようで、経営者 -
Posted by ブクログ
友人が貸してくれました。
「現役女子大学院生がラブホテルについて研究してるんですよ!ほら写真見て、美人でしょ?こんなカワイイ子がラブホテルについて研究してるの、ちょっと興味あるでしょ?」
という出版社の声が聞こえてきそうですね。
レビューなんかを見る限り、出版社のその戦略はある程度成功しているようですね。
とはいえ、内容は著者が20代を捧げて取材を重ねた成果が十分出ていると思いました。きちんと足で取材しているのがよくわかって好印象。
少なくとも私は知らないことだらけだったので、なるほどと興味深く読みました。ラブホテル産業は社会の変化と密接にかかわりながら発展してきたのだ!
ただ -
Posted by ブクログ
書名や中味はともかく、帯についた著者の写真をみて買った人(好色なおじさん?)も少なくないだろう。関西のとても魅力的な女性の顔がそこに出ているのである。こんな美人がラブホテルに調査に行ったら、変な心を起こすお店の人もいるかもしれない。実際、取材のたび必死の覚悟ででかけたようだ(新聞記事があった)。ラブホテルの本は、古いところからだと井上章一『愛の空間』があるし、ラブホテルに特化したものだと、鈴木由加里『ラブホテルの力』(廣済堂出版)がある。本書は、現役女子大学院生が徹底的に足で調べたところに特徴がある。ただ、鈴木さんの本について言及していないしのも気になるが、今一迫ってこないのは、本書がラブホ