水沢文尾のレビュー一覧

  • 初髪下ろし

    Posted by ブクログ

    すっごくおもしろかった!
    「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」の大賞と読者賞をダブル受賞しただけはあります。
    みなさんにも読んでいただきたいです!おすすめです。

    2作目作るのは難しいって、ちょっと前のXでプチバズりしてましたけど、著者の2作目はかなり期待しています!

    と、ここで業務連絡です。
    感想を書いてたらかなり長くなってしまいました…。
    気になる方のみ、以降をお読みください…。
    (ネタバレは書いてませんのでご安心を)


    私には、『100ページ以内になにかしら引き込まれるイベントなどが起きないと「おもしろくない」と判定しちゃうセンサー』が搭載されているのですが、この作品は1ページ目から引き込まれてしまいました。

    作品の冒頭って、主人公の属性や時代設定などなにも分からないから、そこを探りながら読むんですよね。そのあたりが掴めてくると読むスピードも上がっていくのですが、そうなるまでは結構ストレスを感じてしまいます。

    しかし本作は、この手探りな時間が楽しく読めたんですよね。
    文章がわかりやすいし、なにより情報が明かされる順番が巧妙だったと感じています。
    書き出しも良かったんですよね。
    「え、なになに?どういうこと?教えて教えて!」という感じでウキウキで読めました。

    そして、怖いところはしっかり怖い。
    めちゃくちゃ怖いということではないのですが、結構細かい間隔でゾクっとさせられる感じでした。
    さらに、全体的に漂う妖艶さもあって、主人公と一緒にドキドキしてしまいました。

    あと、結構重要なことだと思ったのですが、「幽霊の存在を頑なに信じない人がちょっとずつ信じていく過程」がなかったのが良かった!この件もう読み飽きたんですよね…。
    本作は、幽霊の存在をみんな信じてるし、むしろ幽霊を見たことがある人が複数人います。主人公もすぐに幽霊の存在を認知するので、このストレスがないだけでだいぶ気持ちよく読めました。

    もう一つ言及させてください!
    本作で行われる儀式の手順や禁忌が、よくある因習ものより細かい印象でした。
    よくよく考えてみると、神社で行う和式の結婚式とかお葬式とか、細かい手順や禁忌などの決まりごとが多いですよね。使う道具とかも、それ専用だったり。
    本作の儀式もそれに通ずるものがあって、リアリティを感じました。
    それに、冥婚ってありますよね。本作の儀式が冥婚にも通じているように感じたので、なんの違和感もなくすんなり受け入れられました。

    とにかく読みやすかったです。
    読み味が軽いというか、ついつい先を読んでしまって手が止まらない感じ。
    そして、登場人物の言動に違和感がない。
    これらの作用により、突っかかることなくイメージがスッと浮かぶ。
    なんともストレスフリーな読み心地でした。
    こんな作品なら何冊でも読みたいです!

    長文にもかかわらず、ここまで読んでいただいてありがとうございました!

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    2026年10月09日