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  • 火星探査ローバー〈レジリエンス〉の物語

    Posted by ブクログ

    火星探査機ローバー「レジリエンス」は、心を持つローバーだ。人間とはデータやコードのやり取りしかできないから、レジリエンスの気持ちを知る人はいない。でも、同じローバーの「ジャーニー」や相棒のドローン「フライ」とは言葉を交わすことができる。自分に期待して送り出してくれた研究者、ザンダーとラーニアのため、そして、自分が地球に帰還するため、レジリエンスは火星で自分が価値あるローバーだと証明しようと走り続ける。

    心を持つローバーという題材が、決して擬人化され過ぎず科学の話と融合していた。レジリエンスの成長の物語であり、ロボットたちの友情の物語であり、ローバーに人生をかけた科学者たちの挑戦の物語でもあり……とにかくとても読み応えがあり、ページをめくる手が止められず一気に読んでしまった。
    レジリエンスが搭載している「脳」は、もしかしたら今で言うAIなのかもしれない。レジリエンスが科学者たちの指令を上書きして自分の意思で進路を決めていることが話の筋として成り立つのも、今の時代だからこそではないだろうか。
    火星に着いてからの冒険は本当にドキドキわくわくして楽しかった。人工衛星「ガーディアン」やジャーニーが、だんだんとレジリエンスの持つ「心」に染まっていくのも微笑ましい。
    終わり方も現実的で良かった。ファンタジーと科学のバランスがとても良い物語。

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    2026年10月08日