御輿哲也のレビュー一覧
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1927年発表、ヴァージニア・ウルフ著。孤島に住む夫人とその一家、彼らを取り巻く画家ら数人。第一部「窓」:明日灯台へ行くことを思いながら日が暮れ、夕餉の席で頂点に達する各人の心理的緊張を描写する。第二部「時はゆく」:擬人化した風や闇などに視点を据えつつ、それらに家が侵食されて廃墟と化していく過程を描く。第三部「灯台」:十年後、再び家に戻ってきたラムジー氏と子供達がようやく灯台に向かう。
濃密な心理の流れだった。
第一部:主観人物はころころと入れ替わり、特に夫人の存在感が他の登場人物の心理に及ぼす影響を精密に、詩的に、哲学的に描いている。静かな池に石を投げ入れて波紋が広がっていく様を眺めて -
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ネタバレXでよく見かける本。確かにおすすめされる理由がわかる。
まず、女性作家という点だけで時代的に価値がある。ドストエフスキーもワイルドもみんな男性作家だし、当時の女性の立場を女性自身の視点で描いたというだけで大きな意味がある。
この作品は「見られる性」としての女性を描いている。夫やその友人たちに見られていることを気づかないふりをしているが、意識していたり、男性が求めているものを分かっていながらも、それを渡さない男女の駆け引きだったり、なるほど。そういう瞬間がたくさんあるよねの連続。
また、「女性」を超えて「ケアする側」の感情の揺れも細かく描かれていて、現代でも通じるリアルさがあると思う。誰か -
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イギリスの作家ヴァージニア・ウルフの小説。
時は1900年代初頭。そこに遠足に行くことを心待ちにしている幼い子供が明日は灯台に行けるのかを母に問うと、横から気難しい父親が「天気は、まず駄目だよ」と全否定し、幼心がショックを受ける場面から始まる。
以降、複数の登場人物が他人をどのように知覚しているかを、イギリスの小説っぽく冗長に描く。著者は「(人の)生はつり合いよく整えられた一連の馬車ランプの光ではない。我々を取り巻いている半透明なかさ、luminous haloである。この定まららぬ、捉えがたい精神を書きあらことが小説家の仕事ではないだろうか?」と述べている。つまり、いつまで経っても変わらない -
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あらすじを追っていくこと、それを自分の経験や知識に照らして理解へ落とし込んでいくことが、いかに無意味かということを、この小説は教えてくれる。
この作家は、とても自分の心の動きに敏感な人だったのだろう。
人が人と視線を交わす。ただそれだけの刹那、どれほどの思索が交差するか。それをあますことなく文字にしたらこうなるのかもしれない。
こんな小説、ほかに見当たらないのではないか。
そしてまた、これほど内省に特化した小説もない。
すでに100年も前にものされてしまっているのだから。
自分という存在は、果たして一貫しているのか。
それにさえ疑念が湧いてくるようだ。
それでも作家は、人間の最後の希望の拠