大清水裕のレビュー一覧

  • ローマ帝国とアフリカ カルタゴ滅亡からイスラーム台頭までの800年史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・ローマ帝国は地中海国家であり、アフリカは重要な構成要素。アフリカはローマの穀倉であり、アフリカと認識されなかったエジプト・キレナイカを合わせると最大の穀倉。土壌流出前は極めて土地生産性だった。
    ・カルタゴ滅亡後、徹底的な破壊がなされたわけではなく、植民市が建設され、ポエニ、リディア、ローマの混在する文化。五賢帝時代にはいわゆるローマ化。
    ・五賢帝後の混乱期を経てアフリカ出身でポエニ系のセプティミウス・セウェルスが皇帝となる。パルチア遠征によりメソポタミアを征服し、アフリカ訪問により内陸部をヌミィディア属州に再編し領土を拡大、更にはブリテン島遠征と実質的なローマ最大版図は、トラヤヌス帝ではなく、この時代。
    ・アウグスティヌスはラテン語もギリシャ語も母語ではない。
    ・4世紀後半から5世紀前半にアフリカ総督と西ローマ皇帝は抗争が続き、1軍団しかいなかった兵力は弱体化し、ヴァンダルの容易な侵攻を許した。ヴァンダルはアリウス派であったことを除けばすぐにローマ化し、アフリカは繁栄を続けた。
    ・イスラームによる征服が、穀物貿易により栄えたアフリカの終わりを齎した。

    0
    2025年12月12日
  • ローマ帝国とアフリカ カルタゴ滅亡からイスラーム台頭までの800年史

    Posted by ブクログ

    ●「支配者対先住民」の二項対立を打ち破り、異質な同胞を取り込みながら変容していく巨大帝国の特質を突きつける一冊 。
    ●北アフリカから見たローマ帝国の歴史を学ぶ。
    ●ローマの北アフリカ支配は、必ずしも武力に基づいたものではなかったというのは斬新な視点だった。本書が明かすのは、地元有力者を取り込み、軍基地と街道の敷設によってジワジワと浸透していく極めて現実的な統治の姿である。とはいえ、全体的な内容としては、アフリカが舞台となった戦役や政策を挙げているだけで(特に第一章はその点が顕著に感じられる)、アフリカから見たローマ史とは言えないのでは、と感じた。

    0
    2026年08月04日
  • ローマ帝国とアフリカ カルタゴ滅亡からイスラーム台頭までの800年史

    Posted by ブクログ

    本書はカルタゴ滅亡から再建、属州を経て西ローマ帝国滅亡後からイスラム勢力が支配する800年余りが綴られている。

    個人なりに本書をまとめると
    ⚫︎ローマ帝国の寛容が帝国拡大に貢献した。その最たる場所が北アフリカであった。
    ⚫︎北アフリカはローマ帝国の穀倉地帯となった。
    アフリカ出身の皇帝が登場する様になってから帝国の翳りが見え始めていた。
    ⚫︎西ローマ滅亡はゲルマン人の台頭よりもアフリカでの内紛が大きく影響している。
    ⚫︎キリスト教の台頭もアフリカ教会が影響している。

    帝国が興隆する時は人種の区別差別もない、現代よりもグローバル化している。帝国が衰退すると人種、思想のヘイトが起き、そこから内紛が起きている。
    まさしく、今の世界状況と似ている。恐ろしい!

    0
    2026年01月26日