守田哲のレビュー一覧

  • 池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日

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    2019年4月に起こった池袋高齢者暴走事故について、その事故の記録から今に至るまで、被害者遺族の松永氏、そして加害者である飯塚氏の長男への対話と取材の記録である。言わずと知れたこの「上級国民」による事故はさまざまなものを世の中に投げかけ、と同時に現代社会の有り様も浮き彫りにするものであった。高齢者の免許返納、遺族や加害者へのSNSでのバッシング、メディアスクラム等々。

    被害者遺族は当然のこと、加害者とその関係者も壮絶な運命に巻き込まれたと言える。ただ、この事故という過酷な運命は彼らから大切なものをたくさん奪ったが、彼らは「目の前の現実から逃げない」という精神的な自由を守り通していた。彼らの言葉や行動からは、事故の当事者でもない我々も様々な悩みを抱えつつ日々をかけがえのないものと理解してどう生きるか、普遍的なものを投げかけられた。

    加害者である飯塚氏もまた、相当な精神的な負担を強いられていたであろうことは想像に難くない。特に自分自身が築き上げてきた地位は、客観的な情報をもとにする計測工学の世界であるが、その事故に関する客観的な物理的情報が自分の感覚と相容れないという板挟みにあっていた。獄中で何を考えたか、そこはこの本からは直接的には読み取れず、なんとも残念であった。

    本書は社会的に大きなものを投げかけた事故の記録であると同時に、それを取り巻く人々の心の闘いの記録でもある。重く、受け止めるべき本である。

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    2026年09月22日
  • 池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日

    Posted by ブクログ

    とても重い本でした。
    高齢者の運転について非常に考えさせられました。
    いくら家族が注意しても自分は衰えていないと言い張る老人はいなくならないだろうなというのが読んでいて感じた。
    被害家族をめちゃくちゃにする想像は出来るが、加害家族も大変な事になる事はこれを読んで学べた。家族にも注意しないといけない気持ちになった。
    歩行者としも、いくら交通法規を守っていても、このような暴走事故に巻き込まれる確率がある以上、道路をイヤホンつけたり、うかうか歩いてられないという思いになる。鉄の塊に勝てるわけがないので、少しでもおかしい車があったら、自ら早めに逃げるようにしたい。

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    2026年09月17日
  • 池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日

    Posted by ブクログ

    事件事故に関するノンフィクションが好きだというのが、読んでみたきっかけ。だが、この作品はいわゆる事件の原因究明等ではなく、事故の周りで展開する関係者の人生の変化を描いていた。筆致も作者自身の考えや想いはありそうだが、変に主張することなく、読者に考える余地を充分に残していると思う。
    なにげなく手に取った作品だが、極めて高い評価。内容的に辛い場面は多々あるが、少しでも多くの人に読んでほしい極良作。

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    2026年09月05日
  • 池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日

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    ネタバレ

    読むのが辛くなり、涙が出てくる本。松永さんの人柄が本当にすごいと思う。飯塚氏の性格特性が研究者としては向いていたが、自身の主張に固執する姿勢は特性がマイナスに出たと思われる。あるいは2人を殺めてしまったという現実を受け入れることができず、防衛機制としての否認だったのか。ひとたび受け入れること、相手の立場に立つことをすると、自我が崩壊するほどのストレスだったため回避していたのか、とも考えた。しかし、最後は受け入れてこの世を去った。また加害者の長男、家族も苦しみの中におり、過失を認めて罪を償ってほしいという葛藤があった。事故は誰の身にも起こりうる可能性がある。他人事ではない。

    ※追記※自己の完全性のイメージを侵されることが耐えられず、外に原因を求める防衛規制が働いた可能性もあるなと他の本を読んで思った

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    2026年08月28日
  • 池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日

    Posted by ブクログ

    誹謗中傷までされ世間から憎まれなくてはならない人何て一人もいなかった 強すぎるワードが先行され悲しみが増幅した こんな悲しいことにあって欲しくない魅力的な人ばかり
    強いて言うなら 過信と多少の傲慢さかもしれない この事故以前にも事故を起こした事実に向き合うべきでした 
    加害者家族の勇気と松永さんの思いを忘れないでいたい

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    2026年08月31日