【感想・ネタバレ】池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日のレビュー

あらすじ

池袋暴走事故の全真相
”上級国民”と不当に非難された男が
被害者遺族だけに語った
ラストメッセージが初めて明かされる。

12人が死傷した2019年4月の事故。
唯一、加害者を直撃した記者が、
事故当日の2019年4月19日から7年間におよぶ取材で得た”スクープ”

●飯塚幸三の10秒間。事故の模様をドラレコ映像などから完全再現。
●果たして運転できる状態だったのか。本人が綴っていた「日記」と「記録」
●逮捕か不逮捕か。世論という見えない敵と戦った警視庁、加害者家族
●「全部書いてください」被害者遺族が苦悩する人生の岐路
●「理科好きの少年」から「技官のトップ」へ。”上級国民”の実像
●「こんなに深い話をしたのは初めて」松永拓也と飯塚幸三の長男の対話

こんな悲劇は、絶対に繰り返してはいけない――。そう心の底から願う人々の記録が本書だ。
私は池袋暴走事故の遺族や被害者をはじめ、一〇〇人ほどの関係者に話を聴いてきた。その中で、私が最も数多く接触を重ねた人物が二人いる。ひとりは事故で妻子を失った松永拓也。もうひとりは加害者である飯塚幸三の長男だ。松永とは一〇〇回以上、長男とは数十回にわたり面会した。
池袋暴走事故は、松永の妻である真菜さんと娘の莉子ちゃんが亡くなり、一〇人が重軽傷を負った。飯塚幸三は禁錮五年の実刑判決を受けて収監されたが、刑期を全うすることなく獄中死した。本書は、私が七年間の取材で得た、どのメディアも報じていない独自の記録を綴ったものである。 (本文より)

■目次
プロローグ 飯塚幸三の一〇秒間
第一章 日常 松永家の四月一九日
第二章 衝突 飯塚幸三が見た悪夢
第三章 第一報 記者が見た四月一九日
第四章 攻防 警視庁vs飯塚幸三
第五章 四〇万筆の署名
第六章 沖縄 松永家のルーツ
第七章 真菜と莉子との約束
第八章 直撃 「上級国民」の肉声
第九章 「あいの会」とおいう支え
第十章 裁判
第十一章 飯塚幸三と家族
第十二章 誹謗中傷した加害者の素顔
第十三章 飯塚幸三の「記録」
第十四章 対話 松永拓也と飯塚長男
第十五章 「上級国民」の生涯と死
第十六章 事故から二〇六〇日
エピローグ
あとがき

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Posted by ブクログ

2019年4月に起こった池袋高齢者暴走事故について、その事故の記録から今に至るまで、被害者遺族の松永氏、そして加害者である飯塚氏の長男への対話と取材の記録である。言わずと知れたこの「上級国民」による事故はさまざまなものを世の中に投げかけ、と同時に現代社会の有り様も浮き彫りにするものであった。高齢者の免許返納、遺族や加害者へのSNSでのバッシング、メディアスクラム等々。

被害者遺族は当然のこと、加害者とその関係者も壮絶な運命に巻き込まれたと言える。ただ、この事故という過酷な運命は彼らから大切なものをたくさん奪ったが、彼らは「目の前の現実から逃げない」という精神的な自由を守り通していた。彼らの言葉や行動からは、事故の当事者でもない我々も様々な悩みを抱えつつ日々をかけがえのないものと理解してどう生きるか、普遍的なものを投げかけられた。

加害者である飯塚氏もまた、相当な精神的な負担を強いられていたであろうことは想像に難くない。特に自分自身が築き上げてきた地位は、客観的な情報をもとにする計測工学の世界であるが、その事故に関する客観的な物理的情報が自分の感覚と相容れないという板挟みにあっていた。獄中で何を考えたか、そこはこの本からは直接的には読み取れず、なんとも残念であった。

本書は社会的に大きなものを投げかけた事故の記録であると同時に、それを取り巻く人々の心の闘いの記録でもある。重く、受け止めるべき本である。

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2026年09月22日

Posted by ブクログ

とても重い本でした。
高齢者の運転について非常に考えさせられました。
いくら家族が注意しても自分は衰えていないと言い張る老人はいなくならないだろうなというのが読んでいて感じた。
被害家族をめちゃくちゃにする想像は出来るが、加害家族も大変な事になる事はこれを読んで学べた。家族にも注意しないといけない気持ちになった。
歩行者としも、いくら交通法規を守っていても、このような暴走事故に巻き込まれる確率がある以上、道路をイヤホンつけたり、うかうか歩いてられないという思いになる。鉄の塊に勝てるわけがないので、少しでもおかしい車があったら、自ら早めに逃げるようにしたい。

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2026年09月17日

Posted by ブクログ

事件事故に関するノンフィクションが好きだというのが、読んでみたきっかけ。だが、この作品はいわゆる事件の原因究明等ではなく、事故の周りで展開する関係者の人生の変化を描いていた。筆致も作者自身の考えや想いはありそうだが、変に主張することなく、読者に考える余地を充分に残していると思う。
なにげなく手に取った作品だが、極めて高い評価。内容的に辛い場面は多々あるが、少しでも多くの人に読んでほしい極良作。

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2026年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読むのが辛くなり、涙が出てくる本。松永さんの人柄が本当にすごいと思う。飯塚氏の性格特性が研究者としては向いていたが、自身の主張に固執する姿勢は特性がマイナスに出たと思われる。あるいは2人を殺めてしまったという現実を受け入れることができず、防衛機制としての否認だったのか。ひとたび受け入れること、相手の立場に立つことをすると、自我が崩壊するほどのストレスだったため回避していたのか、とも考えた。しかし、最後は受け入れてこの世を去った。また加害者の長男、家族も苦しみの中におり、過失を認めて罪を償ってほしいという葛藤があった。事故は誰の身にも起こりうる可能性がある。他人事ではない。

※追記※自己の完全性のイメージを侵されることが耐えられず、外に原因を求める防衛規制が働いた可能性もあるなと他の本を読んで思った

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2026年08月28日

Posted by ブクログ

誹謗中傷までされ世間から憎まれなくてはならない人何て一人もいなかった 強すぎるワードが先行され悲しみが増幅した こんな悲しいことにあって欲しくない魅力的な人ばかり
強いて言うなら 過信と多少の傲慢さかもしれない この事故以前にも事故を起こした事実に向き合うべきでした 
加害者家族の勇気と松永さんの思いを忘れないでいたい

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2026年08月31日

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