アントニイバージェスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ人は自由意志で変われるのか、変われないのか。
この問いに決着をつけるのは難しそうだが、本作と映画版での結末は異なっている。
原作を読んで驚いたのは、アレックスの暴力の質だった。そこにやむを得なさはほとんどなく、ただ快楽のために行われているように見える。映画を観たときには、スタンリー・キューブリックの映像や演出の印象が強く、無理矢理矯正される彼をどこか可哀想に感じていたが、その見方が揺らいだ。
小説では、最終的にアレックスは自らの意思で変化の兆しを見せる。だが、被害者にはそもそも選択肢がなかったのではないかと思うと、そのめでたし、的な結末にどこか納得しきれない。
無理やり矯正された善よりも、自ら善を選べる方が望ましいのは間違いない。だが現実には、取り返しのつかない被害が繰り返される。そう考えると、「人間らしい」生活を守るために、どうしようもなく危険な存在を矯正しようとする発想にも、一定の説得力があるように思えてしまう。
しかし、その基準は誰が定めるのか。それを決める側は本当に“善”なのか。
映画は、アレックスが元に戻ったところで終わる。人の本質はそう簡単には変わらないという、皮肉な結末だ。誰も救われず、後味は決して良くないが、その分リアルに感じた。
「善良であること」と「善を選ぶこと」。
そして、その“善”を誰が定義するのか。
そのねじれがより強く浮かび上がるようで、私は映画版の方が好みだった。
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Posted by ブクログ
ネタバレスラング的な表現が多く、脳内混乱。物語の展開上、前段の非道なシーンは必要なのだと思うものの、読むのはちょっとしんどい。しかし、この混乱が狙いなのかもしれない。研究所の人たちが話す普通の言葉は、読みやすく理解しやすい一方で「平坦で面白味のない言葉」に思えたのも相対性のなせることなのか。
主人公に対して最初は「すごくイヤダ~」という距離を置きたい感が強かったのが、研究対象にされてしまうあたりはちょっと同情する気持ちが出てくる。悪い人に対して、もっと悪い人や権力の強い人が出てくると、相対的に最初の悪い人に対しての感情が薄くなるような気がします。小説でも、ドラマや映画でも。 悪いことの事実は変わらないのに、不思議です。
時計じかけのオレンジは、若者の事をさしているのかなと思いながらも本当に時計じかけになっちゃってんのは研究機関などの大人たちなのかもしれない。さらに言うと、上記の相対性のからくりに巻き込まれている読者とも言える。