最初、表紙を見た時、「どんな内容だよ!?」と思った
画でもなく、あらすじでもなく、単なる興味で購入した一冊だが、それは正解だった
実に面白かった、どの読みきりも
私自身の性格もあるんだろうが、やはり、男は連載よりも読みきり集や短編集の方が、少女漫画は読みやすいのかもな
『野獣彼女』
恋愛漫画なんだけ
...続きを読むど、コメディ色が割りと強く、ついつい笑ってしまう
だけど、少女漫画として押さえておくべき点は、ちゃんと押さえてる
やっぱり、王子のキスは呪いを解くんですかね?
『オオカミ彼氏』
『野獣彼女』はこの続編があってこそ、更に面白くなっている
男は狼、誰でも、と言います。だけど、本来、狼ってのは気高くて、仲間を大事にします
なので、無駄にガツガツしている奴は狼じゃなく、単に盛りがついてる野犬です。狼を例えに挙げるのは、間違っているのです!!
だから、美鈴が強がっているのを察して、「好き」って気持ちをちゃんとセーブできてる陸は文句なしで、狼系男子と称してもいいでしょう
どちらの話も「優しい」が溢れてる作品でしたね
『おんなじ目線』
個人的に、身長差のあるカップルにキュンと来る機会が多いので、この読みきり集の中では一番に推せる
自分が持っていないモノ、欲しいモノを見る間に得ていく相手
だから、自分との距離が開いてしまう、と無意識に焦り、ついキツく当たってしまう
好きだから距離を詰めたいのに、自分からわざわざ離れていってしまう
だけど、たかが身長差がある程度で、「好き」に差が出来る訳じゃないのだ
それを教えてくれる一編
華と草太がそれぞれの、自分に合った歩幅で、お互いの隣を歩いていって、心長差を0にする時が楽しみ
『ビアンカ』
ちょっと独特の色合いがある恋愛漫画
ある意味では、『おんなじ目線』よりキュンと来た
これから読む人の楽しみを奪いたくないので、どんな色恋なのかは伏せるが、私としては「あたしはあんたにしかときめかないんだ。好きってことだよ」を、漫画の名言・少女漫画部門にエントリーさせたい気分
『チムドンドン』
恋愛漫画っつーよりかは、青春漫画の面が強く出ている
自分の居場所で、自分がやりたい事を見つけられる、それは幸福の一つ
思いがけない場所に立たなきゃ、自分の中の凝り固まった『普通』を壊して、新しい世界に繋がる『普通』を手に入れる事は叶わないのだろう
『ボクのキライなアクマ』
他の5編とは、かなり毛色は違うも、これはこれで温かみがあった
実際、私も小憎たらしい妹がいるので、勝のどっちの気持ちもよーく理解る
最後になるが、この『野獣彼女』で一番に惹かれたのは、どの作品の最後のコマにも綴られている主人公の飾られてない本音