週刊朝日取材班のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ原子力ムラの中枢にいた西村茂生氏。動燃(JAEA)の総務部次長であった彼がもんじゅ事故のあった後の1996(平成8)年1月13日の早朝に変死体で見つかる。
彼が残したダンボール7個分にも及ぶ資料を読み解くうちに原子力ムラの闇が露わになっていった。
3.11以降も続く旧態依然とした原子力ムラの対応はこの資料を読み進めるうちにその体質がハッキリとする。
組織を守るために原発を稼働させるためにこのムラの中では驚くような工作や組織だった細かな指示が各所に徹底されている。その恐ろしいムラの構造がこの西村ファイルを徹底的に調査、取材して暴いた渾身の真実が書かれた一冊である。
本文の中に書かれたこの部分 -
Posted by ブクログ
もんじゅの事故の内部調査を命じられた後、極めて不自然な状況で「自殺」をした西村成生、その西村氏の残した膨大な内部資料を読み解き、原子力ムラの闇を暴いた労作です。「これが証拠だ」と、手書きを含む当時の秘密文書そのものが多数掲載されています。人形峠のウラン採掘から危険で無益な高速増殖炉もんじゅ、ひいては福島原発の大爆発までが1本の線で繋がり、あの爆発が起こるべくして起こった人災であることが明確にわかります。
原子力ムラ住人のやり方は徹底していますが、この「住人」の中に国も何もみんな入っているのが日本の姿なのでしょう。例えば、93年、NHKが「プルトニウム大国・日本」というドキュメンタリーを放送 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正義を貫くはずの検察が、自ら組み立てたストーリーを基に架空の犯罪を仕立て上げてしまった郵便不正事件(村木さん事件)に関する真相に迫ったドキュメンタリー。
「何が彼女を容疑者としたのか」という点を考えさせられた。
後から覆られる関係者の自白、根拠のない検察のストーリー、面白おかしく伝えるワイドショーなど、、
第三者が、一人の人の人生をあまりにも軽々しく扱ってしまうこと
すでに村木さんの無罪判決がくだされてから1年以上が経過したので、この本から感じたことをちらほらと。
1.人間の記憶は曖昧だ。
村木さんが起訴されるきっかけは、物証ではなく様々な証言。
その証言はあいまいな記憶から生み出されてい -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
これを契機に、検察の巨大な犯罪性が白日の元にさらけ出され、過去にさかのぼって何千人規模の告発・逮捕がなされ、これをもって今年を正義の検察元年とするに結果したのであります、なんてことは幻想で、おそらく個人の過失・犯罪でしたチャンチャンで終わってしまうのに決まっています。
でも、継続する一連の検察の暴走のなかで初めてといっていい黒星です。
いくら悪党の検察でも、良心の呵責に苛まれて思わず墓穴を掘ったのか、それとも、わずかな少数派の良心的な人たちの抵抗があったのか。
それにしても、いったい村木厚子さんに口添えしたとでっち上げられた民主党の石井一議員が、その日はゴルフをしていたということすらきち -
Posted by ブクログ
1995年12月、夢の原子炉と言われた高速増殖炉「もんじゅ」で、ナトリウム漏れの事故が起こった。その翌月、その事故現場を撮影したビデオが隠されてしまった問題を調査していた動燃(動力炉・核燃料開発事業団=当時)の幹部が謎の死をとげた。彼の死後、残された段ボール7個分にものぼる資料には、信じがたいようなショッキングな記録が詰まっていた。本書はその資料と取材をもとに、「週刊朝日」2013年3月15日号から6回にわたり連載された内容を大幅加筆したものである。
とにかくリアルである。それでいて、住民に対する個人調査、説得工作、組織ぐるみの選挙運動、フランスからの3万キロメートルにも及ぶプルトニウム海上輸 -
-
Posted by ブクログ
なぜ検察はここまで暴走したのか? なぜ関係者は次々と供述を翻したのか?この本は『村木事件』の発生からその顛末までを丹念な取材を重ねて書き下ろされたものです『売れなくてもいいから出す』という矜持に乾杯!
いわゆる『村木事件』とはいったいなんだったのか?その疑問について丹念な取材をかさね。売れないことを承知で出版した版元の覚悟に敬意を表したいと思います。
事件が発生してから周辺の人間が逮捕され、村木厚子氏のところにまで検察の捜査が及び、取調室や裁判の様子がここには克明に描かれておりますが、『ストーリー』に何が何でも容疑者の『証言』を当てはめていこうとする彼らと『自分は断じてやっていない』と主張 -
-
-