深尾葉子のレビュー一覧
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的を獲た現代の「日本人論」である。
海外で生活をして、外から内=日本を見てみると、どうしても腑に落ちないことや、おかしなこと、
また、国内で生活をしていても、「生きにくい」など、適応できない理由を探すために、
何冊本を読んだか解からない。ただ、「答え」を探すために、、、。
ほぼ、全滅であり、また、日本人以外の著者も多く書いているが、どうも実感がわかない。
しかし、この本は、「なぜ?」「どうして?」に対する自分が納得できた、数少ない理論である。
やはり、そうだよな~。と思うことが書かれていた。
一つだけ補足すれば、
「専業主婦はアメリカから入ってきた」という内容があったが、
正確には「ア -
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タガメは、水田などに生息する大型の水生昆虫で、その特徴的な捕食方法で知られています。彼らはカエルなどの獲物を強靭な前足でがっちりと捕らえ、消化液を体内に注入します。そして、溶けた獲物の肉をチューチューと吸い上げ、最終的には皮と骨だけを残します。
本書は、「ある種」の女性と結婚することの危険性を示唆しています。それは、このタガメに例えられるように、夫の経済力、家事労働力、そして最も重要な自尊心といったものがチューチューと吸い取られ、皮と骨しか残らない「カエル男」になるというものです。
「タガメ女」は、特に専業主婦に多い傾向があるようです。これは現代においてはある意味当然でしょう。今は昭和とは -
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日本の男女間の現状をかなり過激に分析した社会風刺本。タイトルと冒頭をちょっと読むだけで人によっては相当な嫌悪感を抱く内容。事実関係だけをみれば多くの論調には賛成せざるをえないし、皮肉を込めた描写には思わず笑ってしまうこともある。しかし本著の本質は、そういった現実について環境問題を絡めた社会的歴史的分析をしている点にある。そしてその視点は今回取り上げられた問題だけでは済まない奥深さを秘めていると思われるのだ。著者の専門領域から「魂の植民地化」というキーワードを提唱して、広く警鐘を鳴らしている。最後まで読んでこうしたメッセージを読み取らないと単なるミソジニー論で終わってしまうこととなるだろう。
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Posted by ブクログ
話題になっていたので、読んでみました。
前半は、「いるいる、こういう人」と思いながら、面白おかしく読んでいましたが、後半は、根の深い社会問題であることに気づかされました。
特に、子育て中の身にとっては、タガメ女が育てた子どもの将来が心配でなりません。タガメ女の子、子タガメが増殖する社会になってしまったら、と考えると恐ろしいです。
学者や専門家の方々が世直しの議論をするより、実際に社会生活を送っているタガメ女、その周囲の人、タガメ女を生みだした社会構造に関わる全ての人たちが、胸に手を当ててみるきっかけとして、存在価値がある一冊だと思いました。
ところでタガメ女……「箍」がはめられた