宮島明道のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
二人の刑事、それぞれの視点で物語が進んでいくミステリー。
複数の事件が並行して描かれるモジュラー型の構成で、それぞれがどのようにつながっていくのかを追いながら読む面白さがあった。
途中、やや展開が急に感じられるところや、最後まで残された謎もある。それでも、ばらばらに進んでいた出来事が終盤に向けて一つの方向へ収束していく感覚は楽しめた。
そして最も印象に残ったのは、題名にもつながる「境界線」の描き方だった。
「今回だけなら」「これくらいなら」という一度の判断は、その瞬間には大きな一線を越えたようには見えない。しかし、その小さな例外を認めたことによって、次第に刑事として守るべき境界線そのものが曖昧になっていく。
境界線は、ある日突然越えてしまうものではなく、ほんの少しずつ位置をずらしながら見失っていくものなのかもしれない。
事件の真相を追うミステリーとしてだけでなく、職務や正義の中でどこに線を引くのかという点も印象に残る作品だった。 -
Posted by ブクログ
小金井中央署盗犯係の新米刑事・馬場みどりと同署組織犯罪対策係の悪徳刑事・為井忠之を軸に、盗犯、組対、生安それぞれの刑事が追う一見無関係な小さな事件が、次第に一つの大きな事件に集約されていく警察ミステリ。
馬場ちゃんの直情的だけどなかなかに男前な性格や、彼女を取り巻く平野をはじめとする盗犯係の結束のかたさ、為井の悪徳ぶりと、闇深い警察と裏社会との癒着など楽しみどころも満載。
さらに現場が全て地元周りという地の利で風景が浮かんでくるのもプラス要素。最後の最後で判明した謎の男の正体に警察大丈夫か?となったり。
馬場ちゃん、平野、為井、宇佐美と魅力的なキャラも揃って、これはドラマ化してほしいな〜。