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『このミステリーがすごい!』大賞
文庫グランプリ受賞作
「87分署」「フロスト警部」など
傑作シリーズの系譜に連なる
モジュラー型ミステリー
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驚きの結末!
「二人がコンビを組むのではなく、なかなか出会わないところがポイント。
小さそうな事件が次第に大きな意味を持つようになる展開や、対戦格闘ゲームとの関わりも面白い」大森望(翻訳家・書評家)
「小金井警察署盗犯係・馬場みどりの成長劇と同組織犯罪対策係・為井忠之の
転落劇を交錯させたドラマがキモだ」香山二三郎(コラムニスト)
「同時進行していく複数の出来事もすべて引き込まれるし、
性被害にあった女性たちの尊厳を守ろうとする刑事たちの姿には感動すらした」瀧井朝世(ライター)
「二人をなかなか対面させず、並行して進んできた物語を
クライマックスで交錯させる構成が『技あり!』」千街晶之(ミステリ評論家)
「書きっぷりのよい警察小説だ。書き手の力量を感じる」村上貴史(ミステリ書評家)
「切れ味の良いクライマックスは胸がすく。
一面的でないキャラクター造形力も高ポイント」川出正樹(ミステリ書評家)
(あらすじ)
小金井中央警察署の刑事第一課盗犯係の馬場みどりは、取調室でくだらない言い訳をするスリ犯と対峙していた。さらに管轄内のゲームセンターで出店荒らしが発生、現場に急行する。一方、同署組織犯罪対策係の為井忠之は、ガサ入れのため後輩の佐竹と違法風俗店を張り込んでいた。しかし為井はとある事情から店長のホセを逃そうと画策していて……。事件を追う者と隠す者、対照的な二人の運命は!?
【著者について】
宮島明道
1980年、東京都生まれ。立川市在住。16歳からDJを始め、DJの大会DMCでは2002年と2007年の二度日本チャンピオンに輝く。2003年からDJ教室「宮島塾」を経営。第24回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、『刑事の境界線』で2026年にデビュー。
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Posted by ブクログ
一つの警察署の違う課で別々に事件が起こり近付きながらも独立して物語が進むモジュラー型小説。
文庫化されるにあたり改題された通り、刑事の境界線が大きな意味を持つ。
向こう見ずな正義感溢れる主人公と悪に堕ちながらもかろうじて警察としての矜持を持つ主人公の対比や、破滅に破滅を重ねながらも刑事としての矜持を持ちつつ物語が大きく左右に動きハラハラする展開などページを進める度にのめり込んでいった。
物語の軸は1つだけではない、全てがだんだんと収束をしていきやがて訪れるその結末はとても大きな驚きと衝撃が待っている。
願わくば続きが読みたい、ダークヒーローに魅力されてしまったようだ。
Posted by ブクログ
モジュラー型ミステリ。警察が複数の事件を同時に捜査したら一つにつながってた、みたいな形式のことだって。つまりモジュラー型とは警察小説に限るということらしい。刑事ドラマではよくある気がするのだけど。
ここからちょっとネタバレかも。
最初は小さな誤りだったのにどんどんドツボにはまっていってしまう。足がつかないように、末端の大学生をとりあえず庇えば良かったはずが・・どうしてこうなった。というかやっぱりそういう環境に身を置いていると、染まってしまうよなぁ。それに賭け麻雀で50万の借金は「小さな誤り」ではない気もする。
下っ端には比較的慕われているし、動画を消せと言ったり将来を考えろと怒りつけたり「まっとう」には見えたけど・・。中盤以降、なにかがうまくいっていない?ってわかった時、裏で糸を引いている奴にあっさり消されるのではないかハラハラした。堀尾が腕時計くれた件、あれ何の伏線?
あと、隠れ家に乗り込んできたホセが言ってたことや下村興業のカシラが殺された時にいた男女の話、監察の松野との会話などなど総合すると・・・?ええ?私は、為井編は為井目線で読んでいたけれど佐竹目線もあったらまた面白そう。どこもかしこも真っ黒やん。「内密に監視してくれ」て言われても、それが本当に正義由来のものなのか知る術なし。
馬場編は事件がてんこ盛り。車上荒らし、動画恐喝、ゲーセン盗難、内部パワハラなどなど・・ヒロイン&宇佐見のロマンスは、宇佐見の側にまだぜんぜんその気はなさそうだったことに好感。
ラストの大捕物は染井為人さんの悪い夏や滅茶苦茶を思い出して笑ってしまった。なんじゃこりゃ!Chaos! 永田がいつのまにか「墓石」とか呼ばれて投げ飛ばされるのも笑ったし笑笑
しっかし、最後まで読んでいろいろ考えてたら・・墓石、本当に「偶然に」あそこに居合わせただけなのか?それに警務課の50代の男ってさ?看守って警務課だよね?意外にもっとずっと細かい伏線があるのかも?など後に引く面白さでした。
Posted by ブクログ
小金井中央警察署を舞台に、正義感あふれる新人刑事・馬場みどりと、組織犯罪対策係の為井忠之。それぞれ異なる事件を追う二人の刑事が、やがて一つの真実へとたどり着く警察ミステリー。
序盤は作品の構成が掴めず少し混乱したが、馬場と為井、それぞれを軸にした物語だと分かってからは一気に読みやすくなった。人のために動く馬場と、自分を取り戻そうともがく為井。特に為井パートは先が気になり、「二人はどこで交わるのか」とページをめくる手が止まらなかった。
読後に振り返ると、二人は最初から正反対だったわけではなく、同じ方向を向いていたように思えた。しかし、少しずつ進む道がズレていき、気づけば「境界線」のこちら側と向こう側に立っていた。そのズレは決して劇的なものではなく、小さな選択の積み重ねだったのかもしれない。タイトルが示す意味を、静かに考えさせられる一冊だった。
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