インド・アンダマン諸島の小さな島、北センチネル島。
外界からの侵入を拒む島の住民は、謎に包まれている存在。
彼らへの接触の記録とアンダマン諸島の歴史の中での数奇な
運命を詳細に解き明かす。そして未だ、謎は続いていることも。
・アンダマン諸島の地図
第I部 祝福されし島々 第II部 一回目の旅 1998年
第III部 二回目の旅 1857―1900年
第IV部 三回目の旅 2020年
・情報源と補遺 ・謝辞 ・訳者あとがき
写真・図版クレジット有り
多くの先住民部族が存在したアンダマン諸島。
その中でも北センチネル島は、外来を寄せ付けず、
現在においても人種も言語も生活も不明な島民が存在している。
そして、北センチネル島を巡っての2種の旅が交錯する。
アンダマン諸島での大英帝国の植民地支配での冷徹な処遇と、
その後のインド政府による先住民政策を知る。更に、
過去の北センチネル島への接触に関わった人々と
その記録を探訪する。
1880年代、アンダマン担当官のイギリス人冒険家
ポートマンによる北センチネル島上陸と島民の捕獲は、
その後の侵入を拒む一因となったのかもしれない。
だが彼の探究と発表は英国ではセンセーショナルで、
その影響でか、シャーロック・ホームズ作品に
アンダマン人が登場するのには、驚き。
1981年、プリムローズ号の座礁。
2018年、アメリカ人の福音派キリスト教徒の事件。
数回に亘るインド・人類学調査局の人類学者たちの接触。
もう1種は、著者が実際にアンダマン諸島へ赴き、
北センチネル島へ近づいた旅行記。但し、2回目は
前回の1998年から約20年後。前回の出会った人々の
その後とアンダマン諸島の現在の状況を探訪する旅で、
北センチネル島を見ることは出来なかった。
現在のアンダマン諸島は観光産業とインフラの整備で、
かつてセンチネル人のように外来との関わりに頑なだった
ジャラワ族も混迷する様相が見受けられる。
インド政府は部族保護を打ち出し、北センチネル島への
外来の侵入を阻止するため、海軍が近海をパトロール
している。守られ、かつ外界との接触を拒む島民の
未来の行方は、どうなってゆくのだろうか。