【感想・ネタバレ】ラストアイランド 北センチネル島:なぜ外界との接触を拒み続けるのかのレビュー

あらすじ

「最果ての島」からの問い

インド洋東部、インド領アンダマン諸島の孤島・北センチネル島。世田谷区ほどの広さのこの小島に暮らす人びとは長年、外界との接触を拒み続けてきた。しかし2018年、若いアメリカ人宣教師が上陸を試みて島民に殺害される事件が発生。国際的に報道されたことで、現代にも「未知」が存在することに世界は驚愕したのだった。
本書は、事件の20年前に偶然この島の存在を知った著者が、これまで可視化されることのなかった島民の実態に迫ろうと、長期にわたり取材・調査し続けてきた記録である。現地訪問の体験や、限定的とはいえ島民と接触した人類学者の証言、周辺諸島の事例を手がかりに、接近と拒絶の歴史を丹念にたどる。
「つながる」ことが是とされる現代社会において、彼らが「つながらない」ことを今日まで続けられたのはなぜなのか。そして、外部の人間は「文明」の名のもとに彼らをどうとらえてきたのか。北センチネル島とそこに暮らす人びとの姿から浮かび上がるのは、結局のところ、人間とはどのような存在なのかという根源的な問いである。
「最果ての島」から、文明と人間の在り方を見つめ直す傑作ノンフィクション。

[目次]
第I部 祝福されし島々
第II部 一回目の旅 一九九八年
第III部 二回目の旅 一八五七─一九〇〇年
第IV部 三回目の旅 二〇二〇年
情報源と補遺/謝辞/訳者あとがき/写真・図版クレジット

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

インド・アンダマン諸島の小さな島、北センチネル島。
外界からの侵入を拒む島の住民は、謎に包まれている存在。
彼らへの接触の記録とアンダマン諸島の歴史の中での数奇な
運命を詳細に解き明かす。そして未だ、謎は続いていることも。
・アンダマン諸島の地図
第I部 祝福されし島々 第II部 一回目の旅 1998年
第III部 二回目の旅 1857―1900年
第IV部 三回目の旅 2020年
・情報源と補遺 ・謝辞 ・訳者あとがき 
写真・図版クレジット有り

多くの先住民部族が存在したアンダマン諸島。
その中でも北センチネル島は、外来を寄せ付けず、
現在においても人種も言語も生活も不明な島民が存在している。
そして、北センチネル島を巡っての2種の旅が交錯する。
アンダマン諸島での大英帝国の植民地支配での冷徹な処遇と、
その後のインド政府による先住民政策を知る。更に、
過去の北センチネル島への接触に関わった人々と
その記録を探訪する。
1880年代、アンダマン担当官のイギリス人冒険家
ポートマンによる北センチネル島上陸と島民の捕獲は、
その後の侵入を拒む一因となったのかもしれない。
だが彼の探究と発表は英国ではセンセーショナルで、
その影響でか、シャーロック・ホームズ作品に
アンダマン人が登場するのには、驚き。
1981年、プリムローズ号の座礁。
2018年、アメリカ人の福音派キリスト教徒の事件。
数回に亘るインド・人類学調査局の人類学者たちの接触。
もう1種は、著者が実際にアンダマン諸島へ赴き、
北センチネル島へ近づいた旅行記。但し、2回目は
前回の1998年から約20年後。前回の出会った人々の
その後とアンダマン諸島の現在の状況を探訪する旅で、
北センチネル島を見ることは出来なかった。
現在のアンダマン諸島は観光産業とインフラの整備で、
かつてセンチネル人のように外来との関わりに頑なだった
ジャラワ族も混迷する様相が見受けられる。
インド政府は部族保護を打ち出し、北センチネル島への
外来の侵入を阻止するため、海軍が近海をパトロール
している。守られ、かつ外界との接触を拒む島民の
未来の行方は、どうなってゆくのだろうか。

0
2026年08月14日

Posted by ブクログ

私も北センチネル島に渡ろうとした宣教師が殺害された事件でこの島のことを知り興味を持った。その島に関する書籍。歴史を詳細に調査し記述されており興味深く読んだ。彼らのそのままの生活を守るのも大事だが、この大きな気候変動が起こっている現在、全く関与せずに過ごすことが正しいとは言えなくなっているということが述べられており残念だなと思う。

0
2026年07月20日

Posted by ブクログ

誰も踏み入れたことがないなどという、そんな島が地球上に残っていることがまず驚きで、そのインパクトだけで最後まで興味深く読めた。接触してまもない頃は酒もタバコも知らないとか、漂着したペットボトルの洗剤を酒と間違えて飲んだとかしょうもないところから、そもそも時間の概念がなく日々が循環し続けているだけとか、違う世界すぎて現代社会に生きている自分はある意味異常なのだと思ってしまった。
ただ、北センチネルに関するところよりもアンダマン島の話が8割で、著者も結局見ただけなんかとそこは拍子抜けした。

0
2026年06月12日

Posted by ブクログ

外来からの接触を拒み続ける北センチネル島。そこに住む部族の実態と歴史を追いかけたノンフィクション……ではあるが内容の半分ほどは著者のインド旅行エッセイである。
結局のところ北センチネル島に行くことができないので綴りようがないのはわかるが、表題が表題なだけにちょっと拍子抜けだった。
北センチネル島が属しているアンダマン諸島と少数部族は過去植民地政策における身勝手で傲慢な文明人から多大な被害を被っており、それらの歴史など興味深く読めた部分もあった。

0
2026年05月20日

「社会・政治」ランキング