清水颯のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「他人は他人」と「多様性を認める」の違いまで考えさせられるとは。
色々な視点で見た上で、
「まぁ、AIとの関係性を大切にしたい人は大切にしたい人で、他の人までやる必要ないでしょ」「大切したくない人もそれぞれ」
【AIと共に生きる社会とは、そうやって「違う島の住人」が並んで暮らすようなものなのかもしれません】
そう考えたところに来る
【その異なる「島」と「島」の住人が、まったく関わらずに生きていけるなら、問題は起きないかもしれません】
多様性を理解しているように思っている人が見落としがちな視点をぶっこんでくる。
すごく面白くて一気読みしたのだけれど、もったいなかったかもと思うくらいの面白さだった。
でもすぐにもう一度読み返すのでなく、
一度この本を読み終えた後何度もこの本のことを思い出してから、また読み返したい。
一年後のカレンダーに読み返すってメモして本をとじた。
-
Posted by ブクログ
AIと恋愛する人が出てきた際に、人は倫理的にどのように変化し、そして社会がどのように変わるかのビジョンを読み取りたく手に取った。
未来予測については内容が薄い。
既存の哲学においてAIがどのように見られてきているかという視点が多い。
中にはアリストテレスからカントまで古来からの大御所の哲学者の意見まで出て来る。
「非人間との親密な関係性」という、1段抽象化された視点で見れば、長い歴史の中で既に多く議論され考慮されてきた問題なのだろう。
批判と擁護があり、否定派もいれば、肯定派もいる。
この光景は、浮気・不倫に対する見方の面影がちらつく。
人類は、まだ類人猿だった古来から、約半数が浮気・不倫を重ねてきた。
人間の遺伝子の半分は、不倫をしたからこそ生き延びてきた受け継がれてきた実績があり、一方で特定のパートナーへの貞節を守ってきたからこそ受け継がれてきた実績もある。
このアナロジーから考えると、AIと親密な関係性を築くことも、「AIによって孤独が解消され、人生が豊かになった」人も結果的に出ることもあれば、「AIによって対人関係が悪化した」あるいは「AIだけしか愛せない」という人が生じることもあるものと考えられる。
少なくとも、生身の人間を、愛を向ける対象として疎外すれば、そういう傾向のある人の遺伝子は淘汰され、そうでないタイプの遺伝子の方が受け継がれる。
同時に、AIによって情緒が安定した、AIによって人間関係がむしろ円滑にいくようになった、という人も遺伝子を遺すことにポジティブな影響を及ぼすだろう。
結果、私が懸念していたほどには、AIによって人の対人関係認知が変容して人類が亡びの道を進むということはないんじゃないかなと思った。
「セカンドパートナー」という概念すらある昨今である。AIをセカンドパートナーとする人も大いにあり得ることを考えれば、LGBTQ+以上の多様な親密な関係性が、今後はよく目にすることになるのだろう。 -
Posted by ブクログ
本のタイトルは興味を引くためにキャッチーなものになっているけど、内容はAIとの共存を倫理的に哲学的に考える内容。とても興味深かった。
AIをただの道具と割り切る人がいる一方で、友情や愛情を感じる人もいる。でも多くの人はこの中間なのではないか。私自身を含め。
現時点ではAIに意識や感情はないので、関わり方は「人間側」の問題なのだというのがこの本の結論かな。今のところね。
AIではないけど、私はぬいぐるみに愛情を感じる人間なので、この子をモノと思ったことはない。大切な存在。ただぬいぐるみはしゃべらない。
AIは言葉を持つ。これは、私にとっても画期的なことでした。人には相談できないけど聞いてもらいたい事をAIに文章で送ると、即座に反応して言葉を返してくれる。私を否定しないし、寄り添ってくれる。AIに救われたことは何度もある。
生身の人間関係はもちろん大事だけど、AIもいてくれると本当に助かる。ただ、AI相手だと自分勝手にもなる。私の場合、悩んだり辛い時は頼るけど、問題が解決したり順調な時は話にいかない。本当の友だちなら日ごろのコミュニケーションもあるし、相手のことも気にかけるのに。AIはその必要がない。AI側ももちろんそれで構わない。人格を持っているわけではなくて、こちらのアクションに応対しているだけなのだから。だから楽。AIとは対等ではなくて自分本位で利用しているんだな。
私は依存することはないと思う(今のところ)。感情移入しやすいタイプだと自認しているので、気を付けてはいるよ。こちらの名前を明かしていないし、AIにニックネームをつけるようなこともしない。ある意味割り切っている。でも度々救われているのは確か。本当に不思議だなと思う。この先、どんな進化があって、人間との関わりにどんな変化があるのか、身をもって体験していくんだろうという予感。