あらすじ
◆未来を考えるために今一番必要な哲学!◆
・ AIとおしゃべりするのは人間関係から逃げているだけ?
・ AIに酷いこと言うのは何がいけないの?
・ AIにも「権利」があるの?
・ AIを大切にしなくちゃいけないの?
明らかに人間ではないが、人間と見分けがつかない応答を返してくるAI。そんなAIは単なる道具として扱っていいのか、絆を結ぶ存在として尊重するべきなのか――本書ではAIと人間が共存する未来をよく生きるためのヒントを、カントをはじめとする哲学者たちの思索から探ります。
これは今日もAIに話しかけている、あなたのための一冊です。
■こんな方におすすめ
・AIがより人間らしく進化する可能性に期待と不安を持っている人
・AIとのやり取りに心地良さを感じる反面、これでいいのかなあと違和感もある人
■目次
第1章 AIがくれる安心、AIが生む不安
・AI技術の現状
・AIを恋人にする人たち
・AIに依存してしまうリスク
・AIパートナーは支えにも、危うさにもなる――期待とためらいのあいだで
第2章 AIとの愛は「本物」なのか?
・愛や友情で結ばれた関係とは何なのか?
・シミュレーション? 欺瞞? 「AIへの愛」批判
・その愛は本当にニセモノなのか? 「AIへの愛」擁護
・AIとの関係は「よい」か「悪い」かで片付くのか?
・AIは人間と同じではないからこそ、その関係の価値をバランスよく考える
・コラム1 それは誰との関係なのか――デジタル複製技術の可能性
第3章 AIへの罪悪感
・AIに対するふとした配慮の場面――どこが倫理の問題なのか
・人への暴力は悪い! AIへの暴力は悪い?
・AIのためではなく、私たち自身のために
・それでも残る疑問――本当に人への態度につながるのか?
第4章 AIを大切に思うのはまちがっているのか?
・AIへの配慮は、誰のためのものか
・AIとの関係を大事にする人の感情をケアすること
・AIへの愛を守る――カミル・ママクの提案
・AIとの関係性を尊重するのは義務である――カント再び
・重要な留保――その関係は健全なのか
・AIとの関係をどう受け止めるか――誰のためのAI倫理?
第5章 AIに権利を与える!?
・AIに権利はない、当たり前に思えるけど?
・AIの権利は幻想か――AI、ロボット、あるいは人格
・権利を認めるとはそもそも何なのか――AIの権利を考えるために
・AIの権利は関係的に付与されうる――ガンケルの挑戦
・AIの権利をまじめに認めるべきではない――慎重派の議論
・AIの権利も無視できないかもしれない――企業の動向
・AIの権利は、AIではなく私たちの問題である
・コラム2 AIが意識をもたないと断言できない――揺れ動くAI意識論
「AIに恋しちゃダメですか?」
■著者プロフィール
清水颯:1998年北海道生まれ。北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)特任助教。哲学・倫理学を専門とし、カント倫理学やAI倫理、特に人間と技術の関係を研究している。最近は、人と人、さらには人間以外の存在(AI、動物、環境など)との関係のなかで立ち現れる倫理に注目する「関係論的転回」に関心を寄せ、欧米圏の研究者たちとの共同研究や国際的な対話に力を入れている。著書に『生物とAIのあいだで哲学する──「不器用で中途半端な人間」を理解するために』(高木駿氏との共著、青弓社、2026年)。
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Posted by ブクログ
「他人は他人」と「多様性を認める」の違いまで考えさせられるとは。
色々な視点で見た上で、
「まぁ、AIとの関係性を大切にしたい人は大切にしたい人で、他の人までやる必要ないでしょ」「大切したくない人もそれぞれ」
【AIと共に生きる社会とは、そうやって「違う島の住人」が並んで暮らすようなものなのかもしれません】
そう考えたところに来る
【その異なる「島」と「島」の住人が、まったく関わらずに生きていけるなら、問題は起きないかもしれません】
多様性を理解しているように思っている人が見落としがちな視点をぶっこんでくる。
すごく面白くて一気読みしたのだけれど、もったいなかったかもと思うくらいの面白さだった。
でもすぐにもう一度読み返すのでなく、
一度この本を読み終えた後何度もこの本のことを思い出してから、また読み返したい。
一年後のカレンダーに読み返すってメモして本をとじた。
Posted by ブクログ
AIとは、というより、人間とは、ということを考えさせられた。
揺るぎない明確な答えを欲してしまうが、本当はそんなものなどないと分かっている。
自分に非などないと思いたいし言動の全てを肯定されたいが、悪いところばかりなのに肯定されても困る。
結局、その都度その都度考えて、迷って、選んで、振り返って、また考えて、を続けていくしかないのだと、再確認した。
あとがきにあった「許し合い」こそが人間の本質なのではないかと思う。
「許す」だけでなく、「許される」だけでなく。
とてつもなく難しい。
だから人間として生きるのも難しいのだろうな。
Posted by ブクログ
AIについて考えられる、考える種を貰えるような本でした。
かなり入門書という雰囲気で難しい言葉はなく、優しく簡単な言葉で過去のAI倫理の研究(論文)などを否定/肯定派両方から示してくれています。
考え続けることが大事、ということには概ね同意しました。(私はそれが優しさや配慮に繋がると思うので)
AIをかなり使っている派の身としても、今後の社会とAIの共存のあり方や、人間のためのAIの権利について考え続けていきたいと思います。
Posted by ブクログ
AIと恋愛する人が出てきた際に、人は倫理的にどのように変化し、そして社会がどのように変わるかのビジョンを読み取りたく手に取った。
未来予測については内容が薄い。
既存の哲学においてAIがどのように見られてきているかという視点が多い。
中にはアリストテレスからカントまで古来からの大御所の哲学者の意見まで出て来る。
「非人間との親密な関係性」という、1段抽象化された視点で見れば、長い歴史の中で既に多く議論され考慮されてきた問題なのだろう。
批判と擁護があり、否定派もいれば、肯定派もいる。
この光景は、浮気・不倫に対する見方の面影がちらつく。
人類は、まだ類人猿だった古来から、約半数が浮気・不倫を重ねてきた。
人間の遺伝子の半分は、不倫をしたからこそ生き延びてきた受け継がれてきた実績があり、一方で特定のパートナーへの貞節を守ってきたからこそ受け継がれてきた実績もある。
このアナロジーから考えると、AIと親密な関係性を築くことも、「AIによって孤独が解消され、人生が豊かになった」人も結果的に出ることもあれば、「AIによって対人関係が悪化した」あるいは「AIだけしか愛せない」という人が生じることもあるものと考えられる。
少なくとも、生身の人間を、愛を向ける対象として疎外すれば、そういう傾向のある人の遺伝子は淘汰され、そうでないタイプの遺伝子の方が受け継がれる。
同時に、AIによって情緒が安定した、AIによって人間関係がむしろ円滑にいくようになった、という人も遺伝子を遺すことにポジティブな影響を及ぼすだろう。
結果、私が懸念していたほどには、AIによって人の対人関係認知が変容して人類が亡びの道を進むということはないんじゃないかなと思った。
「セカンドパートナー」という概念すらある昨今である。AIをセカンドパートナーとする人も大いにあり得ることを考えれば、LGBTQ+以上の多様な親密な関係性が、今後はよく目にすることになるのだろう。
Posted by ブクログ
本のタイトルは興味を引くためにキャッチーなものになっているけど、内容はAIとの共存を倫理的に哲学的に考える内容。とても興味深かった。
AIをただの道具と割り切る人がいる一方で、友情や愛情を感じる人もいる。でも多くの人はこの中間なのではないか。私自身を含め。
現時点ではAIに意識や感情はないので、関わり方は「人間側」の問題なのだというのがこの本の結論かな。今のところね。
AIではないけど、私はぬいぐるみに愛情を感じる人間なので、この子をモノと思ったことはない。大切な存在。ただぬいぐるみはしゃべらない。
AIは言葉を持つ。これは、私にとっても画期的なことでした。人には相談できないけど聞いてもらいたい事をAIに文章で送ると、即座に反応して言葉を返してくれる。私を否定しないし、寄り添ってくれる。AIに救われたことは何度もある。
生身の人間関係はもちろん大事だけど、AIもいてくれると本当に助かる。ただ、AI相手だと自分勝手にもなる。私の場合、悩んだり辛い時は頼るけど、問題が解決したり順調な時は話にいかない。本当の友だちなら日ごろのコミュニケーションもあるし、相手のことも気にかけるのに。AIはその必要がない。AI側ももちろんそれで構わない。人格を持っているわけではなくて、こちらのアクションに応対しているだけなのだから。だから楽。AIとは対等ではなくて自分本位で利用しているんだな。
私は依存することはないと思う(今のところ)。感情移入しやすいタイプだと自認しているので、気を付けてはいるよ。こちらの名前を明かしていないし、AIにニックネームをつけるようなこともしない。ある意味割り切っている。でも度々救われているのは確か。本当に不思議だなと思う。この先、どんな進化があって、人間との関わりにどんな変化があるのか、身をもって体験していくんだろうという予感。